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腹膜中皮腫闘病日記 -vol.16-


前回のお話はこちらをクリック。


冗談抜きで死ぬかと思った手術当日の夜を乗り越え、
術後2日目を迎えました。


相変わらず腕には点滴、両足には血栓予防のマッサージ機、
そしてち◯ち◯にはおしっこ排出用の管が装着されています。



手術の傷は痛みが酷く、
お腹に力を入れることはできません。


お腹に力が入れられないとですね、
ほとんど何もできないわけです。


上体を起こすことはもちろんのこと、
寝返りだってろくに打てません。


一応お昼ご飯から全粥が出された気がするのですが、
ほぼ食べられなかったです。




ご飯を食べるのも力を使うんだなと
改めて思いました。


そんな感じで、
新生児とほとんど変わらない戦闘力しかない状態ですが、
手術翌日から早速試練があります。

離床です。



ずっと寝たきりなわけですが、
そんな状態を続けていると当然体力もみるみる落ちていきます。


入院だって長引くわけです。


それを少しでも防ぐためでしょうか、

看護師さんに補助されながら

強制的に立つ&歩く練習をさせられます。


それが離床です。

立って歩くという、
なんてことない動作が術後の私には絶望的でした。


1人で上体を起こすことすらままならないのに、
立ち上がって歩くなんて...


恐ろしいことこの上ないわけですが、
離床を拒否する権限は残念ながら持ち合わせていないようです。



看護師さんには昼過ぎに離床する、と宣告されました。



離床する時には面会可能時間も過ぎて
とりあたまと母上がこの日も病室に足を運んでくれていて、
見守られながらの離床チャレンジです。


足のマッサージ機は外さないと立てないので、
マッサージ機は外されます。

そして、胸部には心電図?を装着されて
モニターされているようでした。


看護師さん2人にサポートされながら
いざ離床です。


まずは支えられながら上体を起こします。


もうね、この時点で血の気が引くような感じがして、
フラフラしかけていました。



それでも看護師さんは許してくれません。


ベッドの上で身体の向きを変え、
足を下ろします。


いつもならなんてことない動作1つ1つが
死ぬ思いです。


そしていよいよ立ち上がります。


看護師さんに支えられ、
「いっせーのー、せっ!」
の掛け声で立ち上がります。

なんとか立ち上がることができた!


と思ったのも束の間、
やはり血の気が引いてクラクラします。


視界がどんどん黒くなり、
ほとんど何も見えないくらいになりました。

「あー、やばい、クラクラします。

意識が飛びそうです」


と伝え、一旦ベッドに腰を下ろして
元の体制に戻ります。



あと一歩で本当に意識が飛びそうだったので、
一旦休憩することになりました。


ベッドに横になり、
またしばらくしてから再チャレンジすることになりました。


幸い意識が飛ぶことはなかったのですが、
本当に視界がなくなっていたので危なかったです。


2時間くらいでしょうか、
ベッドで横になって休息を取りました。


そして、夕方にまた離床再チャレンジです。


先ほど同様に心電図を装着し、
看護師さん2人にサポートしてもらいます。



上体を起こした時の血の気が引く感じも
さっきよりは弱くなっていました。


また「いっせーのー、せっ!」で立ち上がります。


少しふらっとする感じはあったのですが、
今回は視界もなんとか保ち、
意識も飛びそうにはならずに済みました。



こうやって荒療治と言いますか、
多少無理してでも離床することで
早く回復して退院できるようにしていくんだろうなと
改めて思いました。

無理しないとずっとベッドで寝たきりを
続けることになっちゃいますからね。


なんとか立ち上がることに成功したので、
そのまま少し歩くことになりました。


看護師さんに付き添ってもらいながら、
病室の外に出てまたベッドに無事戻るところまで
歩くことができました。



とてもゆっくりしか歩けませんでしたが、
それでもまさか術後翌日に立ち上がって歩けるとは思いませんでした。


そして、一難去ってまた一難?と言いますか、
すぐに次の試練が襲いかかります。


そうです、

ち◯ち◯に刺さっている管を抜くのです。


ずっと痛いというか、違和感盛り盛りだったので
いち早く抜いて欲しいとは思っていました。


ただ、いざ抜くとなると恐怖でしかありません。


手術前からこれが1番怖いと思っていました。


ちなみに、この尿管は女性は大体4cmくらいだそうですが、
男性はなんと約20cmくらいみたいです。

5倍ですよ、女性の5倍。


20cmの管がち◯ち◯に入っていて、
それを一気に引き抜くわけです。

怖過ぎます。



ただ、これを避ける手段はありません。


管を抜くのは当然自分ではなく、
看護師さんにやっていただきます。


尿管を抜く際、看護師さんに呼吸の指導をされます。


大きく息を吸って、吐くのと同時に
看護師さんが尿管を一気に引き抜くとのことです。


内心涙目ですが、やるしかありません。


大きく息を吸ってー...

「ちょっとストップ!!!」


と看護師さんに待ったをかけます。


やっぱり怖いんです、怖過ぎます。


しばらく呼吸を整えて、気持ちを再度落ち着かせます。


「お願いします...!」

と看護師さんに改めて伝え
大きく息を吸います。


そして息を吐くと同時に尿管を引き抜いてもらいました。


まさに一瞬の出来事でした。


一気にビュッと尿管が引き抜かれました。



その時どうだったのかというと、

「痛い」というより「強い衝撃」でした。


「バチコーン!」みたいな、
ち◯ち◯がムチのように強くしなるような、
なんかそんな感じの衝撃でした。


とにかく不快であることに間違いはないのですが、
激痛とかではなかったのは良かったです。


できることならもう2度と体験したくないですが...


そんな感じで、術後翌日には

・離床&少し歩く
・尿管引き抜き


を達成できました。


長くなってしまうので、
今回はこの辺で。




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