うちよそ交流を失敗して大事なものを全て失った話①
みなさん、「うちよそ」という文化をご存知だろうか。昨今TRPGなどでもよく耳にするようになった創作者同士が交流する遊びだ。
簡単に言えば、自分の作ったキャラクターと他の人が作ったキャラクターに友達や恋人関係を結ばせて楽しむ文化。所感としてはおままごとなどのごっこ遊びに近かった。
結論から言おう、私はこのうちよそという交流で大失敗をした。
のめり込みすぎるあまり、人格と精神が破綻し、人生最大級のメンタル崩壊をすることになった。
このお話は自身への戒めと、今現在うちよそ交流において悩みを抱えた人(特に義務感と執着が強くなってるひと)へ向けたものである。この失敗談が誰かの役に立てたら幸いだ。
交流相手との出会い
交流相手をAさんとしよう。はじまりは創作界隈ではよくみられるフォロー祭りと呼ばれる、繋がりたいタグで出会った。
はじめは向こうから話しかけてくれて、私のキャラクターを描いてもらった。すごく可愛い絵柄の方でそれはもう天にも昇る気持ちで嬉しかった。
それからなんとなく交流が始まって、Aさんのキャラクターを私が描いたり、Aさんに描いてもらったりするようになる。
私はうちよその経験がなかったが、Aさんが楽しそうにやってるのを見て、私もやってみたいなと思った。するとAさんもやりたいと思ってくれたようで、人生初のうちよそをすることになった。
私は絵も描くが、どちらかというと文字書きの面が強かったので、Aさんのキャラクターと私のキャラクターが交流している小説をかいてプレゼントしていた。Aさんはものすごく喜んでくれて、私はめちゃくちゃ嬉しかった。
嫉妬、妬み。Aさんに認められる為に創作をするようになる
それからというもの私の創作スピードは人生最大瞬間風速じゃないかってぐらい、ほぼ毎日、交流の小説を書いていた。Aさんは喜んでくれるし、私は生き甲斐を得たような心持ちだった。私の大好きなことを書いたら相手も喜んでくれる。認めてくれる人がいる。ものすごくハッピーだった。睡眠時間も削って、交流の文章もかいたし、ほぼ毎日SNSでやりとりしていた。
…だけど、SNSではAさんが他の人と交流している様子も見える。Aさんしか交流相手のいないぼっちの私とは違って、あっちは人気者なのだ。
私は焦っていた。最初は楽しいという純粋な気持ちで書いていたのに、いつしか「書かなければいけない」という気持ちが沸いてきた。Aさんも積極的にうちよそがしたいとプロフに書いてあったので「もっと書かなければ、この人には見捨てられてしまう」という気持ちに拍車が掛かっていた。
この関係を維持しなければいけない。段々と恐ろしくなってきた。
この恐ろしいという段階で、距離を置けたらよかったのだろうが、その時は交流創作にドップリと依存して、この人なしでは生きていけないというような心理状態に陥っていたのでそんなことを考える余地はなかった。
そして、ひとつのトラブルが起きた。
特別扱いを求めるようになる
出会って三か月ぐらい。
ある日、Aさんのキャラクターがめちゃくちゃ可愛くて、大好きでたまらず、相手が無理だと断ったにも関わらず、もっと沢山うちよそがしたい!と私はしつこく迫ってしまった。Aさん近辺の親しい人は沢山うちよそを組んでもらえてるのに、ずるい!ということ気持ちが競り上がってきたのだ。あのひとたちとは沢山交流してるのに私のことが好きじゃないから組んでくれないんだというネガティブメンヘラ思考を抱くようになっていた。
衝動的にメッセージを送ってしまった後、冷静になって「これはやばい」と漸く気づいた。
我に返って慌てて謝罪のDMを送ったが、私の心は罪悪感でいっぱいになってしまい、言葉も支離滅裂だったかもしれない。
当然だが「キャラクターに恋人ができなくなってしまうので、言うのはやめて欲しい。」というような旨のDMが返ってきた。なのにその時の私は物凄くショックを受けて、この世の終わりのようになった。「私のこの恋心はどうすればいいんだよ!」と被害者ヅラのような感情を抱いてしまったのである。勝手に惚れて勝手に好きになったのは私だ。相手からすれば知らんがなだと思う。
そしてDMには私が全く予測していなかったことも書かれていたので更にパニックを起こす。
解釈違い
DMには数日前Aさんに献上したうちよそ小説のことも書かれていて、その内容が「解釈違い」でAさんの中で引っ掛かっていたらしい。
解釈違いとはAさんと私のキャラクターの捉え方が違ったという意味だ。
「違う人間が書いたんだから解釈って違って当たり前じゃないの!?」と思ってしまった。その時の私はせっかく書いてやったのに許せない、というなんともエゴに満ち溢れた感情を持っていた。いや、勝手に書いたのはおまえだろうとその時の自分に言ってやりたい。
一連の自分の行動が、間違っていたと思うなら「すいませんでした!以後気をつけます。」と言って、行動を悔い改める、それだけで良かったのだと思う。
が、期待を裏切られたと相手に理想を押し付け、疑心暗鬼にかられる私は更に墓穴を掘っていく。
②へ続く…。