![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72432256/rectangle_large_type_2_81078332dd53c10b1e53f631fe1482f3.jpg?width=1200)
どこまで通用する?スーパーラグビー2022チーム分析 モアナ・パシフィカ編
Home ground: Mt Smart Stadium
Coach: Aaron Mauger
Captain: Sekope Kepu
新規加入のパシフィックのチーム
以前から検討されていながらなかなか実現しなかったパシフィックのチームのスーパーラグビーへの参加が今年ようやく実現した。
ニュージーランド(NZ)をベースとするモアナ・パシフィカはブルーズと同じオークランドを本拠地としてパシフィックにはお馴染みのMt Smart Stadiumがホームグラウンドとなった。
2020年12月に初めて結成されたモアナ・パシフィカがマオリ・オールブラックスと対戦して接戦の試合になりスーパーラグビー加入の後押しになった。
(以下の二つの投稿が観戦レビュー)
2022モアナ・パシフィカのスコッド:
Hookers: Ray Niuia, Sam Moli, Luteru Tolai
Props: Sekope Kepu, Isileli Tuungafasi, Joe Apikatoa, Tau Koloamatangi, Ezekiel Lindenmuth, Chris Apoua
Locks: Don Lolo, Mike McKee, Veikoso Poliniati, Alex McRobbie
Loose Forwards:Henry Stowers, Jack Lam, Sione Tuipulotu, Solomone Funaki, Penitoa Finau, Lotu Inisi, Sam Slade, Alamanda Motuga
Halfbacks: Ereatara Enari, Jonathan Taumateine, Manu Paea
First-fives: Christian Lealifano, Lincoln McClutchie, William Havili
Midfield: Levi Aumua, Danny Toala, Henry Taefu, Fine Inisi
Outside Backs: Lolagi Visinia, Neria Fomai, Tomasi Alosio, Solomone Kata, Timoci Tavatavanawai, Tima Fainga'anuku, Anzelo Tuituvuki
どこまで通用するのか注目されるが・・・
2020年のイメージで結構やれると思われているかも知れないが、今回のモアナパシフィカのメンバーはその時とは全く違うと言える。
(2020年のメンバーは、A・Motugaだけだと思います)
この投稿の写真(2020年のモアナパシフィカ)の選手を見てもらうと分かりますが、2020年のメンバーの殆どがスーパーラグビーのNZのチームでレギュラークラスで活躍している選手をピックアップした強力メンバーだったのでマオリ・オールブラックス相手にも良い試合をすることが出来たと言える。
今回のモアナ・パシフィカのメンバーを見ると主にNZのスーパーラグビーのチームで出場機会が少ない、または、正スコッドに入ってないバックアップの選手が出場機会を得るために移籍したケースが多い。
その他ではスーパーラグビーの下のレベルにあたるNPC(NZ州代表選手権)で良いパフォーマンスは出来てもスーパーラグビーのチームと正契約出来ない選手がモアナ・パシフィカに加入したのが多くを占めている事になる。
元々あるNZの5チームでレギュラークラスの選手はそのチームに残って今年もプレイしているので今回のモアナ・パシフィカは2020年のメンバーとは大幅に違う事で経験が浅くまだまだレベル的には厳しいと言えるでしょう。
ポジション別の詳細(FW):
フッカー(②):
昨年までブルーズ所属でバックアップのR・ニウア、L・トライが揃って加入でレギュラーを争うがラインアウトのスローイングが共通の課題。サム・モリはチーフスのA・モリの兄弟。
プロップ(①③):
代表キャップは100を超えるワラビーズのレジェンドのS・ケプが初代キャプテンになりチームを引張る!
I・トゥンガファシ(ブルーズのオファの兄弟)が出場機会を得るためにクルセイダーズから移籍してきた。
ロック(④⑤):
NZの州代表レベルで活躍している選手で固められそう。ルースフォワードに名前があるS・スレイドがロックで起用になるかも知れない。
ルースフォワード(⑥⑦⑧):
元ハリケーンズで日本でもプレイしたジャック・ラム、オーストラリアでプレイしていたH・T・スタワーズのスーパーラグビーの経験者が居るのは心強いがスーパーラグビーで対等に戦うには層をもっと厚くしたいか。
ポジション別の詳細(BK):
ハーフバック(⑨):
クルセイダーズから出場機会を得る為に移籍してきたE・エナリがレギュラーに落ち着きそうだが若くて活きの良いM・ペアにも注目する価値ありか。
ファーストファイヴ(⑩):
経験豊富の元ワラビーズのC・リアリーファノ、2021年のNPCで活躍したL・マックラーチーがこのレベルでどこまでやれるか?この二人でレギュラー争いになりそうだが・・・
そこに割って入ってくる可能性があるのがバックアップメンバーでチームに合流している昨年NPCワイカトの優勝に貢献したD・レウイアが二人にプレシャーをかけてレギュラー争いに加わる可能性が大いにあるか。
ミッドフィールド(⑫⑬):
ハリケーンズから移籍のD・トアラ、パワフルのL・アウムア、オーストラリアのチームでスーパーラグビーでプレイ経験のあるサモア代表のヘンリー・タエフこの3人でポジションを争う事になるか。
アウトサイドバック(⑪⑭⑮):
大型BKで日本を含む海外でのプレイ経験後、近年はハリケーンズに所属も出場機会に恵まれず移籍してきたL・ヴィシニアの力強いランに注目!
ABsのデイビットの弟ウイリアム・ハヴィリ、クルセイダーズのレスターの兄のティマ・ファインガアヌクとNZの州代表で経験を積んでいる選手が次のステップとしてスーパーパーラグビーでも通用するかも注目したい。
元リーグの選手でブランビーズでもプレイしたS・カタをウイングかセンターのどちらかで使うかも注目される。
筆者が注目する選手:
ブルーズ、チーフスに所属経験があるものの出場機会に恵まれず、その後、日本でのプレイ経験があるL・アウムア。NPCではタスマンで爆発力を見せつけてディフェンスを蹴散らした突破力は印象に残っている。
今年は体重を落としてフィットさせているようだが、パワーもキープしたままで走れるアウムアだと相手にとって更に嫌な存在になる。
同じくパワフルさでは負けないL・ヴィシニアもスーパーラグビーレベルでも活躍できる素材だと思うので楽しみだ。
ウォークライはやるのか?
2020年の結成時には3カ国を取り入れたウォークライ「TAU KAUKAUWA 」を披露して会場を沸かせたがスーパーラグビーで披露するかも興味深い。
①サモアバージョン
②トンガバージョン
③フィジーバージョンで締めました!
やってくれると盛り上がりそうですね。
TAU KAUKAUWA の意味は?
TAU = Sāmoan and Tongan for war
KAU = Tongan reference to army of warriors
KAUKAUWA = Fijian and Tongan for strong and powerful
経験豊富な選手が数人いるもののすでにピークを終えている印象が否めない。チーフスとのプレシーズンマッチでは、良いところなしで大差で敗戦。
そしてコロナウイルス感染者が出て開幕戦は延期とさらに厳しくなった。
シーズン前半のNZチームとの対戦はかなり苦戦するだろうが、試合を積んで徐々にコンビネーションも合ってこれば、オーストラリアのチームとの試合になる頃にはレベルも上がって何試合かは勝利できるか⁉ そんな簡単ではないかも知れないが期待したい。
厳しいシーズンになるだろうがパシフィックの爆発力を武器にラグビーファンを楽しませて欲しい。
※全ての写真は2020年ハミルトンにて筆者撮影