小さな巨人が100試合達成!ブルーズ v チーフス、レビュー
Round 3からは、モアナ・パシフィカ以外の5チームは、クイーンズタウンから離れて、それぞれのホームに戻ったことにより、通常のスタジアムで行われた。
ニュージーランドのナショナルスタジアムのEden Parkでブルーズ v チーフスは、限定した人数ながらも今季初めて観客を入れての開催となった。
チーフスのB・ウェバーの100試合の記念の試合。
ブルーズは、ボーデン・バレットが復帰でチームに勢いを付けたい。
最後までもつれた試合を振り返ってみましょう。
冷や汗勝利のブルーズ
ブルーズは、序盤からずっと攻めていて、ミスからボールを奪われて、トライを取られるという立ち上がりは前週と同じで嫌な予感さえ感じた。
逆にチーフスは、ラインアウトに工夫をするなど、効率のいい攻撃をして少ないチャンスを活かしていた印象だ。
11番 E・ナナイセトゥロが凄いステップで数人のディフェンスを抜いて30Mくらい走り切ってのトライは圧巻だった。
ブルーズの11番C・クラークも負けていなかった。パスが乱れたもののパワーでインゴールに飛び込んでトライを奪うなど、2試合続けて空中戦でも強い所を見せてくれた。
前半にチーフスの標的とされていた、RTS(ロジャー・トゥイヴァサ‐シェック)がNo8ソワクラの猛烈な突進にタックルをした時に肩を怪我してベンチに退いた。
RTSの怪我により、10番プラマーが12番に入り、10番にB・バレットが後半頭からピッチに立つことになり今季初出場となった。
後半先にトライを取ったのは、ブルーズで逆転に成功するが・・・
その後11番クラークがシンビンでブルーズは数的不利に。
スクラムを選択したチーフスは、No8ソワクラから9番B・ウェバーに繋いでウェバーがスピードを活かして、インゴールに飛び込んでトライ。
100試合目を自身の二つのトライで自らお祝いで再逆転に成功。
その後チーフスがPGを追加して、この試合の最大得点差の5点となる。
僅差でどちらが勝ってもおかしくない展開だが、後半のチーフスは、前半よりパフォーマンスが良い印象でブルーズが逆転をするのは、厳しいと思っていた。
しかし、チーフス陣の22M内でラインアウトでブルーズにチャンスがやって来る。
モールでトライを取りに行くが押せず・・・押せないと判断したところで、BKに展開して15番ペロフェタの鋭いランでディフェンスラインが崩れたところで14番M・テレアにパスしてトライで22-22の同点に。
タッチライン際の難しいコンバージョンをトライをした15番ペロフェタが見事に決めて24-22の逆転に成功したブルーズ。
時間的にブルーズが勝利かと思ったが、6番トム・ロビンソンが2回続けて反則を取られて、ロスタイムに入ったところでチーフスがPGを狙う。
キッカーは途中出場のB・ガットランド。
そんなに難しい位置ではなかったので、入ると思われたが、僅かにそれてPGは失敗。ブルーズが命拾いの勝利で2連敗を間逃れた。
チーフスは、今季加入の10番J・イオアネを10番から下げるのが早すぎかと。接戦で司令塔をいじるやり方が気になる。
Blues 24
(Caleb Clarke, Hoskins Sotutu, Mark Telea tries; Harry Plummer 2 con, pen; Steven Perofeta con)
Chiefs 22
(Brad Weber 2, Etene Nanai-Seturo tries; Josh Ioane con; Bryn Gatland con, pen).
HT: 10-12
筆者の注目した選手:
プレビューで書いた 注目マッチアップはどうだったか?
7番:D・パパリィイ vs S・ケーン
非常に見応えがあった。お互いにブレイクダウンでジャッカルを決めてピンチをしのいでいた印象。
チーフスのS・ケーンは、昨年は怪我で評価しずらかったが、今季の数試合見てると、完全復活してくれそうなパフォーマンスだ。
D・パパリィイも負けていなく、今季のABsの7番争いが激しくなりそう。
8番:H・ソトゥトゥ vs P・G・ソワクラ
今季絶好調のソワクラが、この試合で力強い突破で再三ゲインしていた。
今の段階では、現ABsのソトゥトゥより上回っているし、あの突破力は今のABsに必要なので、このままの調子でいくとABs入りもあるかも知れない。
9番:F・クリスティー vs B・ウェバー
先輩ABsのウェバーの貫録勝ちと言えるか。状況判断と言いスピードあるランは相手に脅威だ。
その他では、両チームの11番がトライを取れる能力が素晴らしい。クラークはパワーがメインだが今年は、体も絞ってキレも出てきてスピードもあるし、2020年ブレイクした年を上回るかも知れない。
対するチーフスのE・ナナイセトゥロは、昨年から好調で、この試合でも何度も見せたキレのあるラン、スピードは凄かった。
ABsセレクターがどう見ているのかも気になるところ。
その他では、昨年の途中、サプライズでABs選出の J・ロードのパフォーマンスは、素晴らしかった。
最後に、ブルーズの15番 S・ペロフェタ(写真上)
前週は、後半から出場して、インパクトのあるプレイは見せれなかったが、チーフス戦では、先発出場のチャンスを得た。
一試合通じて効果的なランを見せてチャンスを作り出していた印象。
特に終盤のトライをアシストした時のラン(上記のTwitter)は素晴らしかった。おまけに、難しいコンバージョンで逆転がかかったプレッシャーのある場面でもしっかり決め勝負強さも見せた。(以下のTwitter)
昨年のNPC(NZ州代表選手権)での活躍をスーパーラグビーでも出来たことにより、ブルーズのチーム分析で書いた筆者のコメント通りになれば今季のブルーズは面白くなる。
小さな巨人B・ウェバー100試合セレモニー
小柄ながらトップレベルで活躍するB・ウェバー
このスピーチでも少し触れてますが、必要とされていなかった事もある。
しかし、ワイカトのコーチから声がかかって、そこからチーフス入り、そしてABsにまでなった。
そのサイズではトップレベルでは、通用しないと言われたが・・・
見てる人は見ているんだなと、もちろんウェバーの努力があったからでしょう。
上記の動画でスピーチ後にチームメイトからお祝いのHakaもあり素敵なセレモニーでした。 おめでとうございます!
怪我人情報:
ブルーズ: RTS(ロジャー・トゥイヴァサ‐シェック) とハリー・プラマー
2人とも肩の怪我で、何試合欠場になるかは、まだはっきりしていないが、今週は、欠場は確実か。
ブルーズは、12番の主力の二人を一気に失っているのが気がかりか。
代わりは、R2でベンチ入りしていたタニエル・テレアが入るか。
写真は、2021年スーパーラグビーにて筆者撮影