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d. schoolコーチの先輩からの学び②/Post-itとサインペンがセットなのは意味がある

こちらの記事の続きです。

前回はホワイトボードの縦横の使い分けについて書きました。今日はホワイトボードよりもぼくらにとって身近な、Post-Itに関するテクニックです。

Post-Itに関しては、もはや日本のオフィスシーンに必須のアイテムといっても差し支えないと思います。タスク管理からアイデア出しまで幅広く役立つ便利アイテムです。

けれど、身近すぎる分、適当に扱ってしまいがちで、実はその真価を僕らは活かしきれてないようです。

この記事のヘッダー画像をはじめ、よくPost-itの写真ってだいたいサインペンで文字が書かれていませんか?適当なのかと思っていたら、実はちゃんと意味があるらしいのです。

ワークショップのときは、机にボールペンを置いてはいけない

雑談の中で、先輩と前にやったワークショップの話になりました。その時先輩が、

あのワークショップがよくなかったのは、机の上にボールペンがおいてあったことだね

と言いました。先輩曰く、ワークショップのときはサインペンだけ置いておくのがよかったらしい。なんでですかと理由を聞いたところ、

サインペンのほうが見やすいから

と。答えはめちゃくちゃシンプルだった。

さすがにそのくらいはぼくもわかるし、見やすいだけなわけがないと思い、色々聞いていきました。

どうやら先輩の言葉にはいくつか見えない前提が潜んでいまして、足りない部分を補うと、

サインペンのほうが(ワークショップのときなど、チームや複数人でワークをするときに、文字が)見やす(くなることで議論が促され、いいワークになりやす)いから

ということでした。

ワークショップやグループワークで、みんながアイデアを瞬時に理解できるように、そもそも読めるようにするため、細いボールペンじゃなくて、太いサインペンのほうがいいよね。

一見、当たり前なようだけど、実際、よくボールペンで書いてしまう人を見かける。そういえば新卒で入った会社の先輩はpost-itにボールペンで書いていた。

そういえば、そのワークショップでまさしくその状況に遭遇していたので、

「ぼくも最近クライアントとワークショップをやったんですけど、クライアントがボールペンでPost-Itに書いてて、めっちゃ見づらかったことあります・・・1枚のPost-itに小さい文字でたくさんアイデアを書くんですよね・・・」

と先輩に話した。すると、実はもう1つサインペンで書く意味があると先輩は言った。

何だと思いますか?


小さい紙に太いペンで書かないといけない不便さに意味がある

いきなり答えを書く前に、まずぼくのどこの発言がヒントだったのかを書きます。ヒントは、

1枚のPost-itに小さい文字でたくさんアイデアを書く

という部分でした。つまり、太いペンで書くと何が良いのか、逆になんで細いペンではダメかというと、

1枚のPost-itに書きすぎなくなる

ということらしいのです。

なぜ書きすぎないのがいいかというと、そもそもPost-itの使う意味というのは、様々な要素を掛け合わせることで新しい発見を導くところにあるからです。つまり、書きすぎるとそもそもpost-itが価値を発揮できない。

例えば、ブレストでいくつかアイデアが出たとします。A,B,C・・・と。Post-itを使う意味(メリット)としては、その異なるアイデア同士をかけあわせることで、また新しいアイデアを生むことにあります。(アイデアA×B⇒アイデアX)

想像してみてほしいのですが、アイデア出しのためにPost-itを使っている時に、もし誰かが1枚のpost-itにアイデアを複数個書いてきたらどうします?「いや別のpost-itに書けよ」と思いますよね、言いますよね。

けれども、細いペンを参加者に渡してしまうと、参加者も悪意なくそういう行動をするのです。これはしょうがない、だって、あんな太いペンであんなに小さい紙にアイデア書こうにも全然書けないですもん。

でも、それでいいんです。大事なのは1枚に情報量を込めすぎず、必要最低限の要素に分解して、それをみんなで結合すること。そのときはじめてPost-itがその真価を発揮できるのです。

※ちなみに「KJ法」を提唱した川喜田次郎さんも、1枚のカード(ここでいうpost-it)には1つの要素しか書いてはいけない、と言っています。

だから、post-itはサインペンとセットなのです。グループで使う時に見やすくて、1枚に情報を書きすぎずに済む。


ぼくらは道具によって思考と行動を誘導される

ホワイトボードのときにも書きましたが、ぼくたちの思考や行動は、使う道具によって無意識に誘導されています。縦のホワイトボードを使えば構造的な箇条書き思考を強いられるし、細いペンを使えばたくさんの内容を1枚のpost-itに書こうとしてしまいます。

だから、もし皆さんが打ち合わせの仕切り役、会議の司会、ないしはワークショップのファシリテーターになったら、内容をよりよいものにしようと思ったら、Post-itに書くためのペンに(そして可能ならホワイトボードの縦横にも)工夫をしてみましょう。太いペンを配ってそのペンを使ってもらいましょう。

それだけで、いつものアイデアが出ない会議も、ちょっとだけ良くなるかもしれません。

ということで、今日のは終わり。次回は「ブレストのとき、アイデアは文字じゃなくて、絵で描こう」について書きます。宜しくお願いします。


おまけ

Post-itを横じゃなくて斜めにすることで、カテゴリーや大きいまとまりをつくるときに便利らしいです。今までずっと右のやりかたをしていました。もし機会あれば使ってみてください〜

おわり。

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