『応援する技術』を読んで
昨年度から私はある運動部の顧問をしています。私はその競技は未経験で、最初はルールもよく分からない状態でした。それでも平日夜の練習会に参加し、DVDや本で勉強をし、生徒と一緒にプレーをするぐらいのレベルにはなりました。
しかし、1年間で少しは知識、技術がついたとはいえ、やはり素人に毛が生えた程度です。特に戦術に関してはさっぱりで、試合中などに何をアドバイスしたら良いか分からないのです。やはり、生徒からすれば競技を専門でやってきた人からアドバイスをもらえる方が良いに決まっています。
技術的なアドバイスを出来ない私に出来ることは何だろうか。調べていると「コーチング」というキーワードが目に留まりました。コーチングは、答えを教える「ティーチング」とは違い、相手の気づきを促す技術です。是非勉強して実践したい!と思い、本屋さんで見つけた『応援する技術』という本を買いました。
読んでみると納得すること、実践してみたいと思うことがたくさんありました。
コーチングは上からの指導ではありません。対等な関係で相手の話を聴き、質問をする中で相手が自分自身で気づきを得ます。そうすることで指示待ちではなく、自ら考える力が身につくというのです。質問をするにも技術があります。例えば、選手にプレーの出来を自己採点させ、良かったところや悪かったところを説明を聞き出します。そこからどうすればより良くなるのかを意見交換するのです。選手は言語化することで、自分の体の動きの曖昧な部分を整理することが出来ます。
また、自身で気づかせるためにはフィードバックすることが重要です。フィードバックとは、「こうしなさい」と押し付けるのではなく、「今、君はこういう風に見えているよ」という、客観的な言葉かけを行うことです。もちろん相手は生徒であり、行動の間違いを指摘することも必要だと思いますが、フィードバックをすることも同様に大切なんじゃないかと感じました。
生徒が自ら考え、成長する力を育てるためにコーチングの技術は大いに活かせると思います。そのためには生徒を日頃から良く観察し、生徒との信頼関係を築いていくことが重要になります。まずは生徒を尊重し、上から押さえつける様な指導に固執しないよう、自分自身を戒めないといけません。出来るところから取り入れていきたいと思います。