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母指CM関節症の治療法を徹底解説:Watson法の改良版がスゴい!

今回は、ちょっとマニアックなテーマで行きますよ。
みなさん、「母指CM関節症」って知ってますか?
え?知らない?
一般の人にはあまりなじみのない病名ですが、
これ、特に中年女性に多い親指の病気なんです。
中年女性といえば、家事や仕事で
手を酷使することも多いですからね、
親指の付け根にあるCM関節が
やられてしまうことがあるんです。
これが進行すると、日常生活に支障をきたします。

「つまむ」「物を握る」などの動作ができなくなるので、
かなり困った状態になるんです。
で、今回紹介するのは、
この母指CM関節症の手術治療についてです。
特に、Watson法を改良した手術法がすごいぞ、
という話をしていきます。

CM関節症って何?

そもそもCM関節症って何?って話ですよね。
CM関節は、親指の付け根にある「手根中手関節」のことです。
この関節が変形してしまい、
痛みや機能障害が起こるのがCM関節症です。
特に多いのが、40代〜60代の女性
家事や仕事で手を酷使することが原因のひとつと言われています。

親指って、手全体の機能の40%も担っているので、
ここがやられるとかなり痛いし、不便。
つまむ、持つ、ひねるといった基本的な動作が
すべて制限されます。
だからこそ、しっかりとした治療が必要なんです。

従来の治療法

まず、これまでの治療法について簡単に説明します。
CM関節症には、保存療法と手術療法の2つがあります。

  • 保存療法: これはスプリント(固定具)を使って関節を固定し、痛みを和らげる方法です。また、ステロイド注射を使って炎症を抑えることもあります。これで症状が改善するケースもありますが、重症化すると効果が薄いんです。

で、効果が出ない場合、次に検討されるのが手術療法です。
ここで登場するのが、今回のメインディッシュ「Watson法」です。

Watson法とは?

Watson法は2000年代初頭に登場した手術法です。
簡単に言うと、親指の関節を「橈側手根屈筋腱(FCR腱)」を
使って再建し、関節の安定性を高める方法です。
親指の付け根にあるCM関節の骨が摩耗して痛みが出ているので、
その骨を削って再建するというものです。

このWatson法、長い間使われてきましたが、
問題点が1つありました。
MP関節の過伸展です。
要するに、術後に親指が必要以上に反り返ってしまうんですね。
これが見た目にもよくないし、機能的にも良くない。
ピンチ力(つまむ力)が弱くなってしまうという問題がありました。

改良された新しい手術法

そこで、登場するのが今回の主役、
Watson法を改良した手術法です。
この手術法では、FCR腱に加えて、長母指外転筋腱(APL腱)を使います。
これにより、親指のMP関節を適切な角度に保ち、
過伸展を防ぐという仕組みになっています。

手術の流れは次の通りです。

  1. FCR腱の再建: Watson法をベースに、FCR腱を親指の中手骨基部に固定し、関節の安定性を確保します。

  2. APL腱の使用: 長母指外転筋腱を使って、親指の外転力(親指を外に引っ張る力)を強化し、MP関節の過伸展を防ぎます。

  3. 仮固定: 手術後、仮固定のためにKワイヤーを使用し、約4週間固定します。

結果はどうなの?

この新しい手術法を試した結果、
素晴らしい効果が得られました。
Watson法の欠点だったMP関節の過伸展を防ぐことに成功し、
親指の機能が大幅に改善されたんです。

  • 握力とピンチ力の改善: 新しい手術を受けた患者は、術前の握力が71%だったのが、術後には91%まで回復。また、ピンチ力も69%から80%まで向上しました。

  • 痛みの軽減: 術後の痛みもほぼゼロに近づき、日常生活に支障をきたすことがなくなりました。

手術前と比べると、親指の機能がしっかりと回復し、
つまむ動作がスムーズになりました。
これ、特に女性にとっては嬉しい改善ですよね。
見た目にも違和感がなく、
かつ機能的にも問題がないというのは、画期的な進展です。


まとめ:新しい手術法が最強!

結論として、今回紹介した新しい手術法は、
Watson法の欠点を改善し、
親指の機能をしっかりと回復させる優れた方法です。
手術後のMP関節の過伸展という問題を解消し、
見た目も機能も理想的な状態に仕上がるこの手術法、
今後ますます広まるでしょう。

特に、中年女性でCM関節症に悩んでいる方にとっては、
かなり有力な選択肢です。
保存療法が効果を発揮しない場合でも、
手術でしっかりと改善できる時代になっています。
もし、CM関節症で悩んでいる方がいたら、
ぜひこの手術法を検討してみてください。


論文タイトル
: 母指CM関節症の最近の治療の動向
著者: 安部 幸雄
雑誌名: 日本関節外科雑誌
掲載年: 2017年
ページ数: 163-168


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