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GAFAM打倒計画の大雑把な概要
僕は個人的に「GAFAM打倒」というのが今後の人類の発展の継続、そして全人類の平均幸福度の上昇を実現する上で非常に重要なテーマだと思っている。皆様はここ数年GAFAMのおかげで生活が非常に豊かになった実感があると思うから、その豊かさを壊すというふうに受け止められる方がおられるかもしれないが、そういうわけじゃない。むしろ、より豊かになるために必要なステップだと思っている。この記事ではなぜそう思っているか、文章として残そうと考えている。この記事の構成としては、まずGAFAMの定義を再確認した上で、なぜGAFAMを打倒する必要があるか、GAFAMを打倒するためにどのようなビジョンを持っているかを書いた上で、最後にGAFAM打倒後の世界はどのようになっていくかという僕の現時点の考えを示す。なお、内容について何かしらの批判がある場合は遠慮なく指摘をいただきたい。
GAFAMってなんだっけ?
GAFAMというのは、Google(Alphabet), Apple, Facebook(Meta), Amazon, Microsoftという現代の情報社会の中で最も存在感を示しているアメリカのビッグテック企業の頭文字を取ったものである。この記事で言っている「GAFAM」というのは、厳密にいうとこの5社に限定せず、この5社を中心とした最近のアメリカのビッグテックを指している。そのため、ここで使っているGAFAMの概念にはNVIDIAや Netflixなども含めている。しかし、どの会社が含まれていて、どの会社が含まれていないかの細かい議論をしだすと色々ややこしくなるし、言いたいことがちょっと伝わりにくくなると思うので、ここではその5つを中心に考えていただければと。
念のため、GAFAMの代表的な商品をおさらいしてみると、
・Google(Alphabet): 世界最大の検索エンジンGoogle、世界で最も使われているメールアドレスサービスGmail、世界で最も使われいるブラウザGoogle Chrome、世界で最も使われているモバイルOSのAndroidなど。
・Apple: 日本を含めて多くの国で最も普及しているスマートフォンiPhone, 性能を売りにしているパソコンiMac, Macintosh OS, 性能を売りにしているタブレットiPad, またそれらに関わるアクセサリー、ソフトなど。
・Facebook(Meta): 世界で最も使われているSNS Facebook, Instagram,など。
・Amazon: 世界で最も使われている通販サイトAmazon、またそこに関連するサービスやクラウドサービスのAWSなど。
・Microsoft: 世界で最も普及しているパソコンOSのWindows、ゲーム機のXBOX,Windowsにデフォルトで入っているOfficeシリーズやEdgeブラウザなど。
GAFAMの商品は僕たちの日常を大きく変化し、今なお僕たちの生活を支えている。また、そのため、GAFAMは今世界の大部分の経済を回す役割を担っている。この記事による2023年のGAFAMの5社の売り上げを合計すると、約0.5兆ドルになる。この資料による日本の2023年度のGDPを1ドル=150円に変換すると、約4兆ドルとなるため、GAFAMの5社だけで日本全国のGDPの10%以上の生産を出しているということになる。
また、この記事によると、GAFAMの時価総額は合計で約10兆ドルとなり、日本の2023年のGDPの2.5倍ということになる。
ちなみに、GAFAMの5社の従業員数はこの記事のデータを参照すると、約183万人。世界人口の0.02%程度。Wikipediaによると2023年の世界のGDPは約105億ドルなので、GAFAMの5社の生産は世界の0.4%程度。
なぜGAFAMを打倒する必要がある?
僕がGAFAMを打倒する必要があると考える理由は主に2つ。
① お金が一部の人に集中しすぎているので、格差を改善し、より広く分配することで金銭面でより多くの人が豊かになれる。
② 確かにGAFAMは「生活を豊かにする」ことで利益を上げてきて、多くの人が貢献を受けているということは事実。一方で、「豊かになってしまった」世界においてGAFAMの存在はむしろ足かせになっていて、技術のデフォルトはもはやGAFAMが儲かる前提になっているし、高度な技術の素早い普及の妨げになっている。
お金が一部の人に集中しすぎている
この調査レポートによると、全世界の所得の50%以上はたったの81人に集中している。つまり50%以上の所得は世界人工の0.00000001%に集中しているわけだ。みんな満足に衣食住が確保されている状態だったらそれでもいいかもしれないが、その残り50%のうちの20%(全体の10%)くらいは極度な貧困状態にある。(参照)
人によっては、これを「GAFAMのせいではなく、資本主義のせいだ」と考えるかもしれない。確かに、それは完全に間違いではない。しかし、現実的な解決策を考える上で、「GAFAMを壊す」のと、「資本主義をなくす」のと、どっちが現実的だろうか?もしかしたら2050年あたりでは資本主義をなくせるような世の中の基盤ができているかもしれないが、それまでには何億人が犠牲となって餓死するのだろうか?被害を最小限に抑えるには早急な解決が必要。そしてそれがまさに「GAFAM打倒」である。
上に述べた全世界の所得の50%以上が81人に集中している話だが、こちらを見れば明らかだが、その上位の多くはGAFAMに関係している人たちだ。
GAFAMをなくさないまでも、例えばGAFAMがアメリカに集中するのではなく、世界の各大陸に分散するだけで格差の是正の効果は期待できるだろう。まぁ、色々考えたら現実的ではないってすぐわかる話だけど。
GAFAMが技術の足かせになっている
これはかなりシンプルな話だし、厳密にいうと「GAFAMが悪い」というより、「大手企業は基本的に悪い」というスタンスに近しい。
例えば、今はパソコンが全世界に普及しているけど、ほとんどのOSはMicrosoftのWindowsが入っている。パソコン用のOSで言えば他にMac OSやLinuxなどがあるけど、多くのソフトはすべてのOSに互換性がある前提で開発されていない。まぁ、正直そこはそのソフトを開発している会社が怠惰って話にも帰着できるけど、要するに大半の人がWindowsを使っているから、ほとんどのソフトはWindows限定に開発されているってこと。
ところが、多くのエンジニアに共感を得られると思うけど、WindowsのOSはいろんな問題があるし、遅いし、使い勝手が正直よくない。しかし結局使いたいソフトがWindowsにしか対応していないので、結局Linuxを使うにしてもWindowsを残す必要があり、色々面倒くさいことになる。つまり、Microsoftの存在のせいで、ほとんどのソフトがWindowsを前提とし、OSの市場が寡占状態になってしまう。
モバイルに関しても似た状況になっていて、AppleのiOSとGoogleのAndroidの2強者により実質的寡占状態になっている。
寡占になっているってことは、つまりいきなりめっちゃくちゃなお金を払わされたらユーザーは抗えないし、品質に文句があっても他の選択ができないし、結局サービスのサポートや開発が怠惰になっていく。
この話は色々ツッコミどころがあるけど、まぁあくまでも一例を大雑把に言っているだけ。一つの標準があると便利なこともあるけど、一つの製品が寡占状態になっていると、さすがに困る。
あと、最近はAIや量子コンピュータなどの最先端技術の開発がほぼGAFAMに先取りされている。そりゃ人もたくさんいるし、資金も豊富だからそうなるのは仕方ないし、人類の技術に貢献しているっていう点でありがたい部分もあるけど、結局のところGAFAMといえど株式会社なわけで、人類の幸福や技術の発展なんかより自分の利益を優先するに決まっている。だから高度な技術を一部の企業が握っていると、この依存状態がもっともっとひどくなっていく一方で、早くなんとかしないといけない。
GAFAMを打倒するにはどうすればいい?
GAFAMを打倒するのは理屈上ではかんたんだけど、実際にやるのは大変。
要するに、GAFAMの製品よりいい品質の製品をGAFAMのユーザーに使わせるだけ。問題はそれをどうやるかなんだよね〜。
でもね、ここは日本人が有利なところだよ。なぜかというと、日本はまさにGAFAMの前に90年代まで世界トップ企業を全部もっていて、GAFAMに負けてしまって今経済が停滞しているわけなんだよね。つまり、GAFAMと同じ境遇にあったわけだからされたことをしかえせばいいという意味で「方法」はわかっているし、GAFAMに対して仇を討って自国の経済が成長する状態に連れ戻したくてしょうがない人がたくさんいるといういみで「モチベーション」もある。
ということで、GAFAM打倒には日本はキープレイヤーなわけだけど、他にキープレイヤーはたくさんいる。てか、万が一日本が一人勝ちをしたとしても、GAFAMの問題の根本解決にならず、日本が次のGAFAMになるだけだから。
大きなビジョンで言えば、世界は「全人類の平均幸福度の平等化」とういう方向に向かって進むとし、次の20~30年において世界の流れはどうなっているのかを予測して先に手を打って、アイデアで勝たなければならない。個人的にポイントだと思っているのは、「AI」、「SNS」、「ロボット」、「量子コンピュータ」、「核融合」あたり。
AI
OpenAIのような企業が出現して「GAFAM打倒」に加わるかと思ったら、結局Openは名前だけで、本質はGAFAMみたいなClosedな企業だからむしろGAFAMに加担している側な気がする。あと、AIはNVIDIAがほぼ寡占状態になっているのも良くない。(これはある意味一個前の世代の大手企業の失敗とも捉えられる)アメリカ以外の国でNVIDIAと互角以上に戦える会社が出現することが望ましい。具体的には、別のアーキテクチャで動くGPUを開発・設計したり、GPUにFPGAみたいなプログラマブルロジックを付けてみたり、Cudaより使いやすい開発環境を用意したりなどの工夫で対抗できるはず。あとは自前のスーパーコンピュータやGPUクラスターを作って、そこで動くようなOpenAIの対抗となるサービスをリリースするとか。FPGAやマイコンで使えるAIを作るのもありだし、CPUと統合する場合はCPUのアーキテクチャにRisc-Vを採用すればおそらく”正しい”方向に向かうとおもう。
SNS
そろそろSNSのあり方がサチってきて大規模な改革が必要だと思わない?Facebook,LINE, Instagram, X, などなどどんどん同じようなものになっていてツールの差別化がユーザーの意図よりもたまたま特定の人と特定のSNSで繋がってしまっている的な感じになっている。
2030年までにはSNSのあり方に革命を起こすようなサービスの出現に期待したい。個人的にいいんじゃないかな?って思っているのは、例えばXとかをベースにするにしても、マッチングアプリ的な機能がデフォルトで入っているとか、アプリ内で漫画やアニメとかの視聴権利を購入できたり、その視聴権利を友達に作品を送れたりとかはありだと思う。そこはちゃんとブロックチェーンとかとつなげて、第3者に視聴権利が漏れない、視聴権利の売買から生み出される大半の利益が作者に還元される前提で作る必要があるね。技術的には全部できるけど、儲かるような形でうまく作るのが難しいし、面倒くさそうだから誰もやっていないだけかな?てか、今はほとんどのアニメや漫画は実質的に作者のやりがい搾取になっていて、一部の大企業がたくさん儲かる前提になっているから、そいつらもGAFAMとまとめて打倒すべきだね。まぁアニメ、漫画、音楽などのエンタメとSNSをうまく結びつけることが大事ってことね。あとは、学校の教育とも結びつくと勝ち確定だな。
ロボット
ロボットはGAFAM以外で技術が進んでいるけど、GAFAMも何らの形で参入しようとしているから、うまくGAFAMに頼らない形で利益を作る仕組みを整えることが重要。あと、ロボット開発は日本でも多くの会社がやっているけど、まだ一般人レベルの生活で使えるものが少ないので、もうちょっと開発を加速させてほしい。ロボットって結局AIと重なる部分が大きいし、自動運転とかもちょい含まれるから、そこらへんは日本企業にもうちょっと頑張って欲しいね。Amazonに先に自動で動くドローンを低コストで実用化されたら終わりだからもっと危機感を持ったほうがいい。
量子コンピュータ
量子コンピュータの最先端技術っていろんな大学や世界中のベンチャー起業が戦っているが、結局Googleと2個前の世代のGAFAM(?)のIBMが圧勝している感じだから、ここが正直一番GAFAMに勝つのが難しい感じがしているなぁ。イギリスのQuantinuumは結構強いかなとは思うけど。あと、要素技術ではまだまだ日本に勝ち目があるし、阪大を中心に全部品が国産の100%国産量子コンピュータの開発も進んでいるから、今のうちから本気を出して取り組めは量子に関して日本はGAFAMに勝てる。お金の作り方と人材育成が主な課題だけどね。個人的にも僕はこの辺だいぶ悩んでいるけど、うまい形でお金を作りながら日本の量子人材育成を加速させるプロジェクトを準備しているけど、結局量子コンピュータが意味のある計算をして一般ユーザーが恩恵を受けられるのはまだ早くても15年後とかの話だから「お金の作り方」が悩ましいねぇ。まだまだ数年は国家の研究関連の予算に頼るしかなくて、GAFAMに金銭面で結構遅れを取ってしまっている。
核融合
さすがに核融合にはGAFAMが直接手を出さなさそうだけど、結局システムが動く基盤技術がWindowsとかで動くだろうなぁってところで、なんとか核融合の開発現場に入って関係者全員がLinuxを使うように説得したいね。難しいかなぁ。
GAFAM打倒後に訪れる新たな社会
大きな流れで言えば、いずれ国家はなくなるまたは今と比べものにならないほど弱体化すると思うし、お金そのものも世の中から消える未来も来ると思う。その通過点では資本主義がなくなったり、格差が是正されたり、貧困問題が改善されたりすると思うけど、まず第1ステップである「GAFAM打倒」に着目して、それが実現した暁に世の中がどう変わっているだろう?
一つ重要な点としては、ビッグテックがアメリカという一カ国に集中しているという状態から開放されること。アメリカからなくなって全部ロシアとか中国に行かれるとさすがに終わりだけど、そうじゃなくて、世界中の色んな国に分配されるようになると思っている。というか、そのために積極的に働きかけたい。個人的な理想で言えば、2030年代前半あたりにはGAFAMレベルの強いベンチャー企業が日本と韓国ではそれぞれ3個以上、南アジアには1個以上。ヨーロッパ全体で見れば10個以上、南米全部で5個以上、アフリカ全部では5個以上、というような形になれば、2040年にはGAFAM打倒が実現できるのではないかな?
もう一つ重要な点、「GAFAM打倒」の本質は「GAFAMを倒産させる」ことじゃなくて、「GAFAMより強い企業を世界の各大陸に作り、資産を分散させる」ことだから、アメリカで新たな企業ができてそれがGAFAMを倒産に追い込んでその企業が寡占状態になっていては意味がないし、「GAFAM打倒」はそもそもGAFAMの倒産で達成するのではなく、例えば日本でGAFAMを超える新規企業が一つでも誕生したらGAFAM打倒と言えるかもしれない。まぁ、もうちょっと長期的に見る必要があるけどね。
ということを踏まえて、「GAFAM打倒」が実現された世界では、少なくともAIはより人々の生活に溶け込んでいるし、OSはより多様化になっていて、ソフトの利用や開発のストレスは軽減されているし、Amazon以外の通販サービスがあるし、より使い勝手がいいSNSができていることだろう。
まとめ
書きたいように書いてあまりまとまっていないけど、要するに日本にGAFAM以上の企業を複数作ろうぜってことで、僕もアイデアと技術はあるけどお金はないから助け合ってGAFAMに立ち向かおうぜ!
あとは、南米、アフリカ、東南アジアの企業に積極的に投資しようぜ!