知ることの大切さ (認知症:我が家の場合)
認知症の症状を抱える父親について、先日、会社で認知症サポーター研修の講師もしているケアマネと話をしていた際に改めて気づきがありました。
前兆 認知症??
日常生活においての変化
ゴミステーションから使用済みのゴミ袋や薬局からメモ帳を異常な数を持ち帰っていた。
買い物に行くことが激減した。
買い物に行った際、同じものを毎回買ってきて異常な数の在庫があった。(お菓子、電池 等)
財布の中に異常な小銭の数(⇒後に札で支払い、小銭を使用していない…小銭の判別が出来ていないと判明)
2.車の運転について
運転時のハンドルのブレが大きくなった。
車の傷が増えた。
バックの際、車止めで止まっているのにアクセルを踏み続けてバックしようとしていた。
診断までの経緯
83歳を過ぎた頃、私が会社の認知症サポーター研修を受講し、認知症の早期診断と早期治療の重要性について知り、私の主治医にMRI(認知症検査)をお願いした。
診断結果は、まだ早すぎとのこと。
認知症予防の為、補聴器の見直し(聴覚障害の診断)と買替えを実施。
それから半年もしない内に会話の中での変化や買い物での違和感が大きく発現した為、両親の主治医に相談し、認知症専門医へ受診し父親のみ診断される。
同時期の父親は、うつ症状のように徐々に会話も減り、感情の起伏や感情を出すことが少なくなっていた。
診断されてから 2018年頃~
認知症の治療薬(貼り薬)を処方
地域包括センターに認定調査の依頼
次女の勤務会社のケアマネとデイサービスの手配
デイサービスの見学
デイサービスの体験利用
介護認定(要介護1)被保険者証到着
サ高住入所までに起こった出来事
同居孫の独立
義兄の逝去(老々介護の終了)
普通自動車免許返納
母親の救急車搬送と入院
新型コロナ感染症の流行と両親感染
母親熱中症の為、緊急入院
これらを経て、サービス付き高齢者住宅へ入所
知ることの大切さについて
我が家は、
私が約20年程前にヘルパー2級を取得しており、障害者・高齢者福祉の仕事に携わっていた時期もありました。
知識や情報が無い人に比べれば、得る機会も多く、先手を打つことが出来、
父親は、良い意味で自身の認知症についての知識や経験を大幅に裏切ってくれました。
その話を、私自身が認知症サポーターを取得した際の講師に話す機会があり、その良い意味で裏切ってくれた父親の状況について話すことが出来ました。
病気や障害で、同じ病気や障害でも人によって違うということは、基本のことである。似た症例、同じ名前の病気や障害はあれど全くすべてが同じ人はほぼ居ない。
日頃から、私の根底に『同じ括りではなく、一人一人個人と接する』ということを念頭に置いているが、まさに父親はその典型のような認知機能の低下(維持?)をしています。
その講師(ケアマネ)からも、
『そんなパターン有るんですね』という回答が返ってきた。
私とは比べ物になら無いくらいの症例や利用者と接してきているケアマネさんからの言葉だったので、より重く心に刺さった。
その際に、
『経験や知識のおかげで先手を打つことが出来たからでしょうか?』
と尋ねてみた。
『100%とはいえないが、極めて高確率ではある』
との回答だった。
その言葉を聞いて、元々認知症の治療は、早期発見・早期治療という知識はあったが、それを経験上での勘とはいえ、行動に移して良かったと思います。
また、私の言葉を信じ一緒に行動を共にしてくれた姉、本人達、子供達への感謝も大きい。
知識は合っても、実際に目の当たりにした時、『家族の反対で出来ない』『考えすぎと言われている』『うちの親の場合は違う』等という言葉を聞くことがある。
私が変(薄情)なのかもしれないが、
親の場合は、動揺したり感情が入り見誤るというのも聞いたことがある。
実際に父親の収集や小銭の早い段階では気がつけなかった。
うつ症状(表情)や会話のズレから気がつくことはできたが、初めのMRIから次の診断までの進み具合ががとても早かった。急激という言葉が当てはまるくらいであった。
父親の経験から、母親の認知機能低下はすぐに見抜くことができたが、
これまた母親のパターンは薬はなく、対処療法しかないという…(..)
同じ生活をしている2人でさえ全く違うのだから、【他人ではより違うのは当たり前】ということも身をもって体験させていただけたこと、本当に良かったと思う。
振り返り、私は経験に助けられているということを痛感せずにはいられません。
経験もなく、知らない人はとても多い。
そんな方々のお力になれるような行動を早く実現させたいと心から思います。