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若来(nyorai)中学生の小説家
2024年1月21日 18:07
本山太一は驚いた。同僚は皆群馬帝国のことを「無法地帯」と呼ぶ。それを冗談だと切り捨てた太一の眼前には、まさにその無法地帯が広がっていた。本山太一は廃藩置県によって政府から派遣された群馬県知事である。太一は薩摩生まれの薩摩育ち。群馬とはなんらご縁のない人生を送ってきた。そんな太一がなぜ群馬県知事になったのだろうか。ー1871年廃藩置県発令3日前ー 「なんで、なんで私が群馬なんですか!」