花言葉
手を繋ぎたい訳でもない
キスがしたい訳でもない
愛し合いたい訳でもない
ただ、ただね……。
じめっとする中、鮮やかに彩る紫陽花が綺麗。
でもそれと裏腹にとても醜い。
君は私で私は君。
お似合いなんだよ私達。
似てるんだよ私達。
忘れた頃にやってくる思い出は必ずいつか枯れる。
気づいた頃にはもう姿形も無くなって忘れていく。
「同じだね」
いつだったかそれを見て私に言った言葉をこの季節が来る度に思いだす。
消えたのは私の身勝手な心のせい。
いつかは消える、そしてまた現れる。
好きだけど嫌い。
嫌いなんだけど見惚れてしまう。
またこの季節がやってきたね。
今日は何色になろうかな?
鏡の前で唱えるの。
君の隣にいる時くらいは雨でありますように。
そう、紫陽花の様に濡れてからが本当の私。
君に見てもらえるだけで嬉しいけど触れられるのは怖い。
愛し合いたいわけじゃない。
ただ、ただね
また枯れる前に私だけを見てほしい。