高校生の「菜々子とヴァイオリン」前編
前回までの記事はこちら:中学生「菜々子とヴァイオリン」後編
「おかあさーん、おかあさーん。私、中間の順位、140番台だった・・(チーン)」
〜高校1年生〜
進学校に入学した菜々子は勉強漬けの生活を送っていました。その頃は東北大学を目指していたため、100番台ということにショックを受けました。(高校は全員で360名、東北大に入れるような優秀な学生は50番以内には入っていけないというイメージがなんとなくありました)
360名の高校のため、真ん中だと180番。
140番台って、真ん中よりちょい上、校内の平均くらいってこと。
中学時代、学年のテストでは1桁の順位(自慢ww)しか取ってこなかった菜々子にとって、本当にショック。
入試も上の方で入ったはずなのに・・(点数開示したんでなんとなく自分の位置がわかるのです。英語満点だったしww)
かなり落ち込んだのと同時に、初めて真剣に将来について考えました。
「このままのペースの勉強量じゃ東北大は無理。絶対無理。今でもキャパオーバーの勉強量・・しかもぶっちゃけ数学Aすでによくわからない・・笑」
「ていうか私、そもそも東北大でなにをしたいんだっけ?」
「私、将来何がしたいんだろう。どういう風に生きていきたいんだろう」
補足:「勉強編」については、「菜々子とヴァイオリン」シリーズとは別で執筆していく予定です。
そこで、改めて考えたのが”音楽への道”。地元の市民オーケストラでに入団してオケも続けていたし、吹奏楽部でパーカッションもやっていたし、モーツァルト、ブラームス、チャイコフスキーは大好きでいつもMDに入れて登下校で聴いていたし。もちろん、ピアノ・ソルフェージュのレッスンも続けていました。
(MD知ってますか〜?若いみなさん、MDって知ってますか〜???笑)
ちなみにピアノはなんだかんだショパンのワルツアルバムあたりまで進んでいて、人前では弾けないけど趣味って言えるかな?レベル。
決断はすぐではありませんでしたが、約半年間悩んで悩んだ結果、高校1年生の冬頃に自分が習っている先生に相談しました。
「私のレベルで、音楽大学って進むことはできるのでしょうか・・?」
色々な気持ちが複雑に入り混じって、泣きながら伝えました。
先生はすぐに知り合い(読売日本交響楽団)のヴァイオリン奏者に連絡をしてくださり、ご紹介いただき、その方に菜々子から直接お電話をしたところ
「私ではなくコンサートマスターの先生を紹介するので、まずは訪ねてみてください」
ということになり、まずは母親と一緒に先生のご自宅(東京)に伺いました。先生の前で、当時練習していたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。
「僕のところに、習いに来る?」
先生は優しくそう言ってくださり、それからレッスンのために月に1回のペースで東京に通うことになりました。
高校1年の終わりの頃、菜々子は吹奏楽部を退部、勉強にピリオドを打ちました。
◆
〜2年生〜
「ななちゃん、リサイタルやってみない?」
東京のレッスンにも慣れてきた頃、3歳からずっとお世話になっている先生からそうお声がけをいただきました。
両親のサポートもあり、夏に三春まほらホールで初のリサイタルを開催。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲をメインに、モーツァルトのヴァイオリンソナタ25番やベートーヴェンのロマンス2番などを演奏しました。
応援してくださる皆さん、マスコミの力もお借りして当日は約400席が満席となり、当日券も完売。
多くの拍手とエールをいただきました。
このリサイタルを通して菜々子が学んだこと・得たことは、
(1)とにかく気持ちを伝える。メッセージ、音の物語を伝えたい。そういう思いで演奏ができたこと。
(2)聴衆に対して、音以外でどう伝えるかを学ぶことができた。(身体のパフォーマンス)
(3)コンサートにおける、正しい歩き方と佇まい。かなり練習しました。
(4)ソロコンサートって気持ちいい・・・最高!!(これ一番かもw)
自分自身が多くの人に支えられて、一つのことを成し遂げることができたという感動、喜びの気持ちでいっぱいになりました。
本当に、素晴らしい経験をさせていただけたと思います。
お声がけしてくださった先生、最大限サポートしてくださった両親に感謝、感謝です。
◆
それから、着々と音大受験に向けて準備をし、2年生が終わりました。
勉強ですか?
進学校です。ご想像通りです。
国語:担任の先生だった。理解してくださったのであまりうるさくは言われませんでしたが、古文漢文が40点(100点満点中)だった時はさすがにこう言われました。現代文はなぜか普通に良い成績でした(?)。
「菜々子ちゃん。教養のあるヴァイオリニストに、なりなさい・・・」
数学:毎回赤点、追試、補講だらけ。数学のフレディーマーキュリー似の先生に追いかけ回される(補講サボったのバレた時)。
日本史:嫌いではなかったけど、覚えなかったから中学レベルのことしかテストで回答できず。毎回赤点ギリギリ。
世界史:「サラーフアッディーン」を「サラーフアッディー」と書いて、×をつけられた(笑)。毎回赤点ギリギリ。
※でも世界史の先生、リサイタル聴きにきてくださいました。
英語:中学までの貯金が尽きてしまい、もうなんだかよくわからない言語と化した。(入試満点って嘘だったんじゃ・・って自分でも思いましたw)
化学:結構好きだったから、完全に趣味な感じで、平均くらい。
生物:結構好きだったのと、先生(りかちゃん)が好きで頑張ってた。平均くらい。
ついに200番台後半に突入。
全国模試をたまに白紙で出していたから、学年でちょっと問題になる(?)。
体育の先生「お前、なんで安積(あさか)にきたんだ?」
菜々子「家から近いからです。」
高校生「菜々子とヴァイオリン」後編へつづく。