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【舞台感想】tick,tick…Boom!

tick,tick…Boom!
日比谷シアタークリエ(東京都)

2024/10/19(土) 13:00-14:50
16列上手側

2024/10/26(土) 18:00-19:50
6列下手側

10月は、こちらの薮くんの舞台×2公演と、戸塚くんのソロライブに行ってきた。
メンタルの調子が本当に悪く、睡眠リズムの乱れ&過眠の影響で、頭がぼーっとした状態で足を運んだ。
正直、あまり記憶がない。

そんな状態でもなお自分の中に残ったもの、感じ取れたものを記していこうと思います。


・1公演目、開演10分前に劇場に入ったのだが、いつもよりも明らかに座席が埋まっていて、珍しいな…と。
10分前の時点だと、もう少しまばらに空席がある印象。
今日はそんな日なのか、と思いつつ自分の席に着き、荷物を整えオペラグラス用意してステージ上を見ると、人がいる。
リビングのセットに囲まれて、こちらにやや背を向けて状態でしゃがんでいる。
スタッフさんが小道具のチェックでもしてんのかと思ったけど、既に客席に人が入ってる中、あまりに堂々としていておかしいな、と。
そのスタッフさんらしき人を凝視していると、立ち上がってこちらを向いた。

薮くんだった

え!!!!!!!!!!!!
そういう感じ!?!?!?!?
不意打ちすぎて本当にビックリした。
だからみんな早く来て着席してたのか、どのくらい前からステージにいたんだろう。
周りを見ると、既にオペラグラスを構えている人がちらほら。
薮くんが窓際に移動してタバコ吸い始めた瞬間に、オペラ率急上昇。
みんなわかりやすいwwwwww

終演後、ロビーに出たら案内があった。
2公演目は、ステージに出てくる瞬間から見届けようと誓う。

15分前からやってんの!?本編、休憩なしで2時間歌い続けるのに!?と、おったまげた

2公演目は、開演20分前に着席した。
どこから出てくるのかとキョロキョロしていると、セット裏から下手側に登場。
自席が下手側前方だったので、目の前の位置に来てくれた。
床に座り込んだり、水を飲んだりしつつ、窓辺に移動してタバコを吸い始める。
煙の匂いが、客席まで漂ってきた。
演出用のニコチン不使用のものらしいので、いわゆるタバコの匂いではないのだが、なんとも表現し難い独特な香りだった。
上手側に移動してベッドに寝そべると、脚がとんでもなく長い。
自席からだと脚側が手前になる位置だったので、遠近感でより長く見えた。

・まず全体的な感想を
薮くん体力オバケすぎん…?
2時間ほぼずっとステージにいて、演出で飲み物を飲む時以外は水分補給なし、歌はもちろん長尺のセリフも多い、ピアノ弾きながら5曲くらい歌う、ラストの曲はフル尺で全部弾き語り。
終わった後は頭も身体も干からびそうな演目だった。
すごいなぁ…

薮くんの歌をたくさん聴けて大満足ではありつつも、作品のスタイル的に少し苦手な要素もあった。
場面の状況をわーっと説明する長尺のセリフが多い、演者が少ない構成で、薮くん以外の2人は複数人の役を掛け持ちして演じている、など。
SLEUTHの感想でも書いているが、私は耳から入ってくる大量の情報をリアルタイムで処理していくことが苦手なので、長尺で一息に喋るようなセリフが続くと内容が頭に入ってこなくなってしまう。
登場人物とその関係性のイメージが頭にインプットされる速度も遅いので、1人が何役も演じていると混乱しがち。

今回は、リチャードと梅田さんの演じ分けが見事で、まだ物語のスピードについていけた方だとは思う。
衣装チェンジの時間が短く、さっきの衣装にジャケットを羽織って即座に別役を演じる、みたいなことを、おふたりとも難なくこなしていて衝撃だった。

あと、パーマの薮くんは見慣れなさすぎて最後まで困惑してしまった…(笑)

劇中の楽曲がまとまっている再生リストをYouTubeで見つけたので、それを見ながら覚えているものを記録していこうと思います。

・30/90
この曲、ピアノ弾きながら歌えるのすごくない…!?と、しょっぱなからビックリした。
どんだけ練習したんだろう。
薮くん確か幼い頃にピアノ習ってたと思うんだけど、弾いてる手つきを見ていると、ピアノやったことある人の弾き方だなってわかる。
鍵盤の上を滑らかに動いていく手が美しかった。

・Green Green Dress
こういうシーンがあるって全然予測しないまま行ったから、ビックリしたww
曲が始まる前、スーザンが階段下の暗がりでドレスに着替えてるのシュールで可愛かった。
屋上のシーン、高い位置のセットに脚を投げ出して座ってたりしたから、落ちないでね…と心配になってしまう。

・どの曲か分かんないんだけど、でかいスイーツのバルーンが客席に投げ込まれる演出面白かった。

・マイケルの会社での企画会議のシーン、バンドメンバーが演者として入ってくる演出、すごい良かった!
なんというか、そういう役割がガッツリ固定されてない感じ好き。
最後までバンドに徹するのももちろんいいんだけど、演者、バンド、スタッフの垣根なく、地続きに作品の中を行き来する感じ。
同じ理由で、場面転換でステージ上のセットを演者が移動させたり捌けさせたりすることがあるけど、それもめっちゃ好き。

・Therapy
すごくスキルが必要な曲だなと思いながら聴いていた。
綺麗に歌い上げるのではなくセリフっぽくたたみかけるように歌う感じだし、だんだんテンポアップするし、糸電話に絡まりなが歌ってるからアクションも複雑でw
曲が終わった瞬間、すごい拍手してしまった。

・試演会の後、スティーヴンからの電話を受けたシーンは印象的だった。
物語の起承転結的に、まぁ結末はそうなるよねってのはわかってたけど。
葛藤して葛藤して、やっと報われる瞬間というのはやはり言葉にならない感情に包まれる。
その後、原作者であるジョナサン・ラーソンの生涯が映像と字幕で紹介されたけど、個人的にはそれが衝撃的すぎた。
作品の成り立ちとか事前に調べずに観劇したから、30代半ばで生涯を閉じていたことを、その時初めて知って。
結構ショッキングだった。

・Louder Than Words
ラストの曲、バンドが入らず1曲丸々弾き語り。
薮くんの集中力すごすぎる…
最後の最後でジョンが、スーザンとマイケルに見守られながらHappy Birthday to Youを弾いた姿に、もう色々と堪えられず、ボロボロ泣いてしまった。
頭の中に響き渡っていた音を、恐怖を、受け入れた瞬間。
それを象徴するのにこんなにピッタリな演出他にないだろ、と。
自分で自分を祝うことができた彼の強さに、強い羨ましさを感じた。
曲終わりに、「tick,tick…Boom!」という文字が、バンドの音に合わせて映像に映し出されたのもめちゃくちゃ良かった。
ラストがめちゃくちゃ自分好みなテイストだったな。


※ここから先は、自分自身の抱えているメンタル不調と絡めての内容になるので、重たいです

今の自分と重ねてしまう。
こちらのえびコンの感想でも最後に書いたが、社会人になってから約10年間、自分の底にずっと横たわっているメンタル不調に苦しんできた。

そしてその集大成が、今。
必死に自分自身と向き合ってきたが、それももう疲れてしまった。
自分だけで対処するにはもう限界だ、然るべきところに相談して助けてもらおうと決め、無事に専門機関を訪れるメドが立ったタイミングでの、観劇だった。
メドは立ったが、変わらず日々を過ごさなくてはいけない現状は何も変わっていない。
早く相談したい、医師の見解を聞きたい、楽になりたい。
再び自分自身と向き合える状態になりたい、先に進みたい。

そんな状態で観劇した本編のラストは、真っ直ぐ私に突き刺さった。
ありのままの自分自身を受け入れたジョンのことが、心底羨ましかった。


舞台の感想とは関係ないが、こんなにずっと辛いのに、希死念慮はないの不思議だな、と思う。
社会の中で生きるのをやめたい、と思ったことは何度もある。
というか、社会人歴が長くなるごとにその思いは増している。
それでも、自分自身の身体そのものをこの世から消してしまいたい、と思ったことはない。

それは、まだまだやりたいことがたくさんあるからだ。
自分が見たことない世界、表現したいもの、たくさんある。
そしてその原動力になってくれるのは、今回のような舞台作品だったりコンサートだ。
良い作品に出会い、感情が突き動かされ、それと向き合い、湧き出てくるものを表現する、それがやりたい。
でも、全然満足にできていないまま、30代に突入している。

再び立ち上がるために、淡々と行動していく。
今はあまりエネルギーがないけれど、それでも行動し続ける。


冒頭にも書いたが、コンディションがあまり良くない中観劇したこともあり、いつもより全然記憶がない。
そんな中で感想を書くのは、切ない。
読みづらいうえに中身が全然ない文章だけど、これも自分の軌跡だなと思ったので、そのまま書いてみた。
これを読み返す頃には、今より少しでも前進できていることを願う。


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