夢科学 #03:フロイトの「夢判断」、#01
夢科学の研究の一環としてフロイト・ユングの心理学、哲学や現象学の中でも夢の研究に役立つ書籍を研究してみようと思います。今回はフロイトの「夢判断」を少し読み進めてみました。「夢判断」の中から重要な学説・夢での体験や深層心理の働きを裏付けるようなフロイトの体験の研究を目指しています。
1、感覚と夢の内容
夢の内容は睡眠中の体の感覚に大きな影響を受ける。睡眠学者マイアーの事例によると、暴漢に足の指の間に杭を打ち込まれる夢を見て起床すると、ホントに足に指の間に藁が挟まっていたという。足になんらかの刺激が加わった時点で「足に苦痛が加わるような内容」という根源夢が定まり、次に「暴漢が指の間に杭を打つ」という派生夢が決まったと考えられる。現実では物理的なエピソードを経て身体に刺激が加わるが、夢では逆に身体の刺激に対する辻褄のあうエピソードがでっち上げられると考えられる。
フロイトはこのように書いていないが、このような夢の作用を「でっちあげ」とわかりやすく呼称しておく。
「でっちあげ」に近い夢として、サイクリングマシンの乗ろうとしたら紆余曲折を経て脚に釘が刺さった…という夢を見たことがある。その日は倉庫業務で脚が筋肉痛になっていた。
2、入眠時幻像
入眠時幻像を見る、という人の事例をフロイトが集めている。睡眠学者モーリによると、睡眠時に「心を受動的にし、注意力を弛緩させる」(リラックスすれば良いのだろうか?)と、入眠時幻像が見えるという。モーリによると、入眠時幻像がグロテスクな人物の顔・言葉や人名などの幻聴となって聞こえることもあり、その状態から夢に入るとその際の内容がホントに夢に現れるという。私はそこまで鮮明な入眠時幻像は見たことがないので、よくわからない。
トランバル・ラットによると、眠り込んで2−3分にアラーム等で強引に起床すればほぼ確実に入眠時幻像を観察して記憶できるという。これは安定して11時睡眠できるようになったら試す予定。
3、判断力・倫理観の後退
夢を見ている最中は、倫理観や自己抑制能力がかなり後退する。例えば、私は夢の中で「独裁者だという男に強酸をバラ撒き、そのうえでグレネードランチャーをぶっ放して粉々にする」というサイコなこと(笑)をやったことがある。睡眠学者のラーデシュトックによると、反省力や分別・美的感覚・倫理的判断が夢見中に逓減する能力だという。
個人的には、全ての判断力が夢見中に逓減しているわけではない。例えば好きなキャラクターを殺される夢では「こんなことをする奴は許さない」と激しい公憤を感じたし、他人と裸になって入浴する夢では恥や不安を切実に感じたことがある。
4、奇妙な言語の連想
夢見中には、奇妙な言語の連想が起こる。例えば睡眠学者のモーリはこんな夢を見た。