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超・自習法 その3 回想・フィードバック・記憶の保持・直感・実験


前回はウルトララーニングのメタ学習、集中力、直接的学習、基礎練習を実践しよう、という話をしました。4要素を取り組んだ日記帳や学習記録表みたいのを作ってみましたが、今のところ集中力直接的学習に取り組むモチベーションがネックになっている状態です(笑)。もっと頑張ろうと思います。

イラストのウルトラ学習
1日を振り返って学習の方向を意識する


今回は回想・フィードバック・記憶を保持・直感を磨く・実験する等々について書いていきたいと思います。前回までが基礎的な学習法のまとめで、今回は「より効率的に学習するには、どのようなことを意識すればいいのか?」という応用編です。

5、回想

同じ学習時間の場合、何度も教科書を読み直すよりも教科書を見ずに内容を思い出す学習をした方がテスト時の点数が高いことがわかっています。絵や数学・プログラミングの学習に応用できないか検討中です。

絵 → 先日・先週取り組んだ内容を模写せずに再現する
数学 → 学習した内容を記憶から掘り出す
プログラミング → ???

内容を参照せずに自己テストを課すのは困難なタスクですが、逆にこの難しさが長期記憶を作動させるための鍵になるらしいです。

1、基礎学習
まず回想して強化したい内容をインプットする。
一定以上の知識が必要。理解がないと難しい問題は回想が困難になる。

2、フラッシュカード
紙、もしくは間隔反復ソフトを使って暗記したい内容を記憶する。語学や資格勉強に必須。
→ 使えるソフトを探しておく

3、自由再生法
教科書・授業の内容を白紙から書き出す。
「ほとんど思い出せないじゃないか」という困難さこそが回想が機能する理由。
→これに加えて、ちゃんと答え合わせもするようにする
→自由再生法に必要な資料を用意し、次の日・土日の午前中などにテストするという方法で回想を機能させる。絵とプログラミングに取り込めないか検討中

4、質問帳
内容を質問形式で記しておき、自由再生法を実践するときに用いる
「マグナ・カルタは12151年に調印された」
→「マグナ・カルタが調印されたのはいつ??」

問題のあらゆる側面を質問帳にするのではなく、特に暗記しなければならない箇所と一章の全体的な流れ・概念を1文にして質問帳リストに加える

5、課題作成
新しいテクニックを身につけたとき、実際の例でテクニックがどう使用されるかを工夫するメモを残しておく。どのように次の課題に取り組むかを記憶しておくことができる。

6、参照禁止
回想中はヒント探しを禁止する。情報を頭の中に保存するための訓練。

6、フィードバック

有益なフィードバックを得るにはどうすれば良いのでしょうか?
単なる感情的な賞賛や、「君はすごいね!」「怠けるな!」的な人格評価は学習者には有益な情報ではありません。過度な期待や辛辣な悪口を避け、現在の学習段階に適したフィードバックを求めるのが最適です。

1、結果フィードバック
合格・不合格、A級・B級といった等級を使った評価を直接もらう。
全体的に学習がうまくいっているかを表す指標となる。
Twitterの被フォロー数や「いいね」数なども結果フィードバックの指標にできる。結果フィードバックの向上が早い場合は学習を継続し、停滞している場合は見直す。

2、情報フィードバック
等級の評価だけでなく、何が間違っているかを検討する。
絵を描いている最中などに、「ここが変だなあ~」と自力で気づくのも有益な情報フィードバックになる。

3、修正フィードバック
情報フィードバックで気づいた修正点をどうやったら修正できるか、方法を学習する。修正点をピンポイントで教えてくれるメンター・教材があると良い。
「ここが変だと思っているんですが、どうしたらもっと良くなりますか?」

7、記憶の保持

学んだことをすぐに忘れずに、長期間記憶を保持するための方法をウルトララーニングに活用します。記憶が飛んでしまうことの原因には、大きく分けて崩壊・干渉・手がかり消滅の3パターンがあります。

崩壊:記憶が時間と共に薄れる
干渉:古い記憶が新しい記憶で上書きされる
手がかり消失:記憶が脳の一部に保持されるが、それを引き出すための鍵がなくなる

崩壊・干渉・手がかり消失という忘却のメカニズムを防ぐには、記憶のメカニズムを利用して学習できる記憶量を増やすこと・学んだ知識とスキルを長期間保持することという2観点から記憶を増幅させるようにします。

1、間隔反復
受験勉強のような一日に単純作業を何時間も続ける「詰め込み学習」を避け学習時間を最小限の努力で最大限のスキル向上・記憶保持ができる間隔に分散する。これを間隔反復システム(SRS)という。歴史年表や雑学・単語を覚えたいときに有効。

2、手続き化
複雑な情報を自転車を無意識に操縦できるような、感覚と直感として記憶する。大量の知識を単に詰め込むのではなく、その中核にある情報を頻繁に学習すると手続き化がうまくいきやすい。

3、過剰学習
練習で使う以上に、学んだ知識を応用する。例えば三角関数の公式について学んだら、実際に三角関数を使って解を求める問題を何度も解くようにする。

4、記憶術
キーワード法のような記憶術を活用する。
エクスナレッジの「ごく平凡な記憶力の私が…」を参照。(早速借りた)

8、直感

知能指数125のファインマン博士が数学・物理学で驚異的な直感を発揮する理由。ファインマン博士は1立方フィートが約1728立方インチであることを利用し1729の立方根の近似値を求めるなど、素晴らしい記憶力と直感を発揮する学者です。彼はそのために数学・物理学に関する膨大なパターンと暗算力に日々磨きをかけています。

数学・物理学に限らず、鋭い直感を発揮するにはどのようなことを学べば良いのでしょうか?

1、難しい問題に挑戦し、簡単にあきらめない
0からラジオを修理するなど、何の知識もない状態であえて難問に挑戦する。数学や物理学においては計算機や電卓に頼らず、手計算で問題を解く。

2、格闘タイマー
「格闘タイマー」という、10分間で解決法を発想する為の制限を設ける。
短時間で全力を出したい時に有効。

2、証明して理解する
「とても複雑で理解できそうにない」と思った文章(論文など)を注意深く読んで自力で検証する。理解したいこと掘り下げるために、深いところを振り下げる。
(説明深度の錯覚 → 自力で直感的に理解できないことを一度学習しただけで理解していると錯覚してしまう現象。私はこれが原因で資格勉強を何度も挫折してしている)

3、具体的な例に取り掛かる
自分自身で具体例を作り、提示された材料を深いレベルで処理できるようにする
(処理水準効果)
記憶が長期記憶になるためには、学習時間ではなく「ある情報に注意を払い、それについてどう能動的に考えたか」が重要になる。
例えば単に英語の単語を暗記するよりも、「単語にeが含まれているか」という条件付けを行うとほぼ2倍の単語を記憶できるようになる。
処理水準効果による条件付けは、記憶の保持力だけでなく直感的な理解も向上する。

4、「自分を騙すな」
ダニング=クルーガー効果
十分な知識を持っていない人が、実際よりも多くの知識を持っていると錯覚してしまう現象。ダニング=クルーガー効果による錯覚を防ぐには、「電池の陰極はプラスか、マイナスか?」のような単純な疑問を自分自身にたくさん投げかけることが重要。

5、ファインマン・テクニック
説明深度の錯覚、ダニング=クルーガー効果を防ぐ学習法。
①理解したい概念・問題を紙の一番上に書いておく
②その下の余白に、その概念・問題を他の人に教えるように説明できる文を書き込んでいく。聞いたことのない人向けにどう簡潔・単純化するか、それをどうやって解くか、どうしてその解法が正しいと考えたかを書くのがポイント

9、実験

ゴッホはどのようにしてあの独特なスタイルを身に着けたのか、という話です。粗雑で子供っぽい、精神的に問題のあった画家・ゴッホはなぜ今になって売れているのでしょうか?

ゴッホ「星月夜」

→仮説、実験、結果、サイクルの繰り返し
独学で「木炭の練習」「デッサン教本」、「デッサンのABC」といった本を学習した。2週間で60枚の習作を描く、という執拗さとモチベーションを発揮できる人間だった。

ラッパルト、モーヴ、ゴーギャンといった良いメンターに巡り会えた。

画材や技法だけでなく、根幹となる芸術の哲学を持っていた。
初期の作品「馬鈴薯を食べる人たち」のような灰色がかった作品は「自然の中では、人々はそうした明暗や陰影しか見ないから」という独自の色彩論に基づいている。

後期になると「ひまわり」のような補色対比を用いる前衛的な画風に変化する。ゴッホはさまざまなスタイルを実験し、長所を伸ばして短所を隠すためか画風のバリエーションが豊かだった。ゴッホはダヴィンチの様な画家とは対照的に、技法がすぐれている画家ではなかったが独創性と創造性が優れていた。

3タイプの実験

1、学習リソースに関する実験
学習法・使用する教材を通して実験作を作る。
実験作を作る意欲と、成果を生む出す意欲を一致させる。
実験作を作る時間配分と、完成後のフィードバックを有効活用。

2、方向性に関する実験
基礎が身についたら「次は何を学べば良いのか?」を考える。
言語の初級が身についたら、文学を読むか・ビジネスをするか・漫画やアニメを見るか等などのサブトピックを決める。サブトピックに関する学習を時間をかけて行う。

3、スタイルに関する実験
サブトピックを使った学習ができたら、どのようなスタイルを確立するかを方向づける。日本画から印象派の絵まで、ファインアートには様々なスタイルが存在する。既に存在するスタイルから、自分の長所・短所にあったものを発見することが重要。





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