見出し画像

瞑想の研究② - 仏教用語の基礎知識

「ブッダの瞑想法」に出てくる仏教の話について簡潔に理解するため、仏教の用語とその意味について簡単に調べることにしました。参考にした本は「まんがで読破・ブッダのことば」と「世界宗教事典」。目標はヴィパッサナー瞑想をしやすくすることです。

ゴータマ・シッタールダに関する基礎知識


仏教が生まれたのは紀元前5世紀の古代インド、ネパール南部のルンビニに存在した都市国家とされている。この頃古代インドはブラフマン教に基づいてカースト制が敷かれていたが、一部のクシャトリア階級は自由思想家となり唯物論、観念論、仏教、ジャイナ教などの様々な分派を産んだ。

仏教の開祖であるゴータマ・シッダールダは「優れた牛・目的を成就」という意味で、シャカ族の首長の子であるとされている。ゴータマは16歳でヤショーダラと結婚し男子ラーフラを授かるが、29歳で出家し苦行僧となる。ゴータマはアラーダ・カラーマ、ウドラカ・ラーマプトラという苦行僧に瞑想法を教わり無所有所・悲想非々想所(物に囚われない境地・考えや考えの有無に囚われない境地)という瞑想法を会得する。しかし彼はこの瞑想法に満足せず、苦行林に籠って7年間絶食を繰り返す苦行をしたとされている。

ゴータマが今の仏教として伝えられる「悟り」を得たのは、スジャータという女性から乳粥の施しを受けブッタガヤで瞑想をしている最中とされている。この時ゴータマは35歳で、言葉では説明しきれない「悟り」を得たことから自ら「知恵を得た人」という意味の「ブッダ」(Buddha)と名乗るようになった。

ゴータマが得た「悟り」とは、人間が人生で直面する様々な苦しみを軽減することで「解脱」の境地へと至る方法であるとされている。ゴータマの僧団はやがて大きな教団となり、教義の広まったマガタ国から祇園精舎を寄進されている。

原始仏教の特徴

ゴータマが直接教義を広めた時代の仏教は、後世の上座部仏教・大乗仏教・密教とは区別して原始仏教と呼称されている。原始仏教の特徴の一つが、ブラフマン教のカースト制度や自我(ブラフマン教用語では「アートマン」)の存在を否定したことである。
仏教における「苦しみ」とは単に身体に直接かかる傷や病気・精神的なストレスだけでなく、人間の力では克服できない有限・相対的な事象全般を指している。

原始仏教の教義

人生の苦しみを克服するためには、苦しみとは何かという理解に加え苦・集・滅・道の4つの真理「四諦」を知る必要がある、とゴータマは説いている。

苦諦=人生で起こることはすべて苦である
集諦=苦しみの原因は心の迷いや欲望・煩悩である
滅諦=心の迷いや欲望・煩悩は取り除くことができる
道諦=心の迷いや欲望・煩悩を取り除くには、正しい実践法を知る必要がある

「四諦」の中でも道諦は8つの正しい行為や物事の見方であるとされている。これは「八正道」とされている。

正見=正しく物事を見る
正思=正しく物事を考える
正語=正しい言葉で物事を表す
正業=正しい行動をする
正命=正しい生活をする
正精進=正しい努力をする
正念=正しく思いを巡らせる
正定=正しく心を整える

八正道を実践するには、世界と事象・その本質について正しく認識することが必要であると考えている。それが仏教における諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の3つの真理(三法印)となっている。

ゴータマのもとに集まった弟子・信者は真理を悟ったゴータマ(仏)、真理であるダルマ(法)、出家者の集団であるサンガ(僧)の3つに帰依することを求められた。帰依はパーリ語でnamu(南無)と発音される。

出家信者は金品・食料を捧げてサンガを経済的に支えるほか、5つの戒律=五戒を遵守することを是としていた。

不殺生=生き物を殺さない
不偸盗=盗みをしない
不邪婬=セックスをしない
不妄言=虚言をしない
不飲酒=酒を飲まない

サンガは厳しい戒律を守りつつ、寺院に住んで教えを広める活動をしていた。ゴータマの死後、寺院を中心とする仏教教団が成立し仏教は多面的な発展をしていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?