カバ

シックスパック男 6

4年前の夏の頃、

彼は、
私のプロフィールのページを何度も訪れているものの。(足跡が残る機能)
メッセージをくれないタイプの人だった、シャイなのか、プライドが高いのか?
じれったいので、こちらからHi を言う事にした。

Hi :)

こちらからメッセージすると、早速返信が帰って来た。

彼は シカゴ出身のアメリカ人、赤みのあるブラウンのショートヘア。
サラ ジェシカ パーカーの旦那様のマシュー ブロデリックの若い頃に少し似ている、身長は178くらい。

アジア人と写っている写真がプロフィールに載っていたので、
アジアに住んだ事があるのか尋ねると。
韓国に3年住んだ後、日本に1年半暮らしていて、某広告代理店で働いていた、と答えた。

ソーホーで働いていて、ノリータに住んでいるらしいので、ノリータで会う約束をした。

私は、アパレル、ファッション系の会社だから、周りの女の子達は、トレンドバッキバキの服装なんだけど、会社に行く時は別として、デートの時は、男性に合わせた服をイメージして、ひかえめに、出かける様にしている。トレンド強すぎ女を男性が好きじゃ無い事は、百も承知だけど、ファッション好きとしては、永遠のテーマだ。

今日の彼は、ソーホーとかに住んでいるけど、派手な女子が好きそうじゃないから。シンプルなコットンのシャツドレスにブーティーぐらいの、さわやかさで出かける事にした。

約束のマルベリーstに着いたので、着いたよ!ってテキストすると、
I am coming(向かってるよー)って返事がきたので。
周りを振り返ると、一つ先の道から、レンガ造りの建物沿いに
それらしき男性がこちらに向かって歩いてくる。

夏の少し蒸した夕暮れ、オレンジ色の外灯が道をほんのり照らしてはいるけれど、湿気のもやと、暗さで、彼のシルエットしか見えない、
近づいて来るにつれて、全体像が、徐々にクリアに見えて来た。 
カジュアルな水色っぽいシャツに、ジーンズ、肩幅広い、

おっ!、写真より、素敵!、自然と私の顔がスマイルになってきた。
向こうもスマイルしてる。イエス!

人の脳は、0.5秒で恋愛対象を決めると言うけれど。
私の脳は彼を気に入ったらしい。
でも、素敵だと、違う意味で、緊張しちゃうんだよな〜。汗が。

彼が最初に考えていたお店が、思っていた以上に混んでいたので、角のこじんまりとした、かわいい白を基調とした、レストランに入った、

角の窓際の席に座ると、湿度と緊張とで汗と鼻水が一気に顔からテーブルに勢い良く流れ出そうになったので、
ちょっと化粧室へ行ってくると席をたった、
小走りでトイレに向かい、ドアを開けると即座にティッシュを手に取り、鼻水流出がギリギリで免れた。暗いお店で良かった、ほっ。
今夜はもう出ないぐらいってくらいの量のハナミズを鼻の奥から思いっ切り出して、
お化粧が崩れない程度に汗をふきとり、少し深呼吸して、
ラベンダーの香りのオーガニックハンドソープで手を洗って、
香りで、心を落ち着けて、
自分の中ではなるべくエレガントに 彼の前にフワッと座った。

白ワインと軽めの食事をオーダーした。

彼は、ゲームの会社を持っていて、オンラインデートサイトを友達がやっていているので手伝っている、そして、韓国や、日本にいた時の話をしてくれた。

突然、オリジナルのジーンズを作りたくなり、日本のデニムの工場に一人で行訪ねた話などをしてくれた。
あまり家族や生い立ちの話はしたくないようで、実家にはあまり帰りたくないと言った、
仕事の実績や、見た目の割に、自信がなく、少し陰がある印象。

私は、何を話したか忘れてしまったけれど、
楽しい時間を過ごせた。

レストランを後にして、
まだまだしっとりした空気の夜道を、彼はプリンスstにある地下鉄の駅まで送ってくれた。
別れ際に、ハグをして、彼が、又会いたいな、と言ってくれて。

私も、彼が気に入ってくれたのかな、良かった、と嬉しい気持ちで、蛍光灯色が眩しい地下鉄への入り口への階段をくだった。


私達は、デートの次の日から、毎日、テキスト(メール)で連絡を取り始めた。

ある日、私が、友人宅のホームパティーがあるから、一緒に行かないかって誘うと、沢山の人が集まる所は苦手だと断られた、

以前、彼は、アメリカ人女子アナと付き合っていて、彼女が、だんだん有名にり、派手になっていき、沢山の人との社交パーティーを好むようになり、
それが嫌になって別れたと語った。

なるほどね、オケー。

私は、女子アナではもちろん無いし、そんな素質のかけらも無いし、
社交界には羽ばたかないから、そこは安心していただけるだろけど、 

女子アナとか、モデルとか、タレントと付き合っていた事あるって言う男の心理の本当の所を知りたいわ、って良く思う。うーん、やっぱりさりげなーく会話に交えつつも自慢だよね?

プレイメイツ(プレイボーイのヌードモデル達)と付き合うのは自慢で、ストリッパーだと自慢でない境界線が、、、わーかーらーなーいー。
なんか、100%いらつく訳ではないけれど、心の7%くらいがいらっとする。


話を元に戻し、

今度のデートでは、お家でランチを作ってくれる事なったので、
2回目で家か〜、一応かわいめの下着?と思いながらも、
彼の家へお邪魔した、

ノリータのレンガ造りのアパートの3階、
広いガラスの窓から、道の木々のグリーン葉が目の前に見える。

シングル男性にちょうど良いさっぱりとしたセンスの良いお部屋、

彼は下ごしらえしてくれていた、白身魚とローズマリーのソテーと 
ピンクのキヌアが入ったサラダを作ってくれる事になった、ワオ素晴らしすぎる〜!
そもそも、自分がつくるマイご飯に飽きていて、私にご飯を作ってくれるなんて!しかも男性が!と 私は心から大感激した。

彼がキッチンにいる最中、カニエの曲の Street Lights 流れて、

彼は、「同じジムにカニエが来てるけど、カニエを実際に見ると、変な顔だった。」と言った。

彼は、外見にコンプレックスがあるタイプの人なのかな?と思ったので、私はなにも答えなかった。

料理の話題に変え。

ご飯の時、このレシピはお母さんから教えてもらったの?って聞くと、僕の母は、あまりご飯を作らない人だったと言って、シーンとした。

そして、あまり炭水化物を取らない様に気をつけていると言った。

食事を終えて、
彼が、近くにカップケーキ(little cupcake bakeshop)店と
チーズケーキ(Eileen's cheesecake)のお店が
あるから行こうというので、すぐ近くのカップケーキ屋にむかった。
カップケーキか、チーズケーキどちらがいいのか聞いて聞かれたので、チーズケーキにしようと言った。

お店に向かう途中、
彼が突然 「僕が炭水化物を控えている理由は、どうしてもシックスパックが欲しいからなんだ!、、、、でも、甘い物はどうしてもヤメられないんだ」と熱っぽく話し始めた。(いきなりどうした?)

「ジムに行ってどれだけワークアウトしても、
どれだけカーブ(炭水化物)控えてもシックスパックが手に入らない、
どうしたらいいんだ!」と 

私は、なんて答えていいのかわからず、
「私の妹が、腰を振るダンスを、毎日し続けたら女性にも関わらず、シックスパックになったよ、」と話すと、

「本当に?どうしてわかるの?いつ見たの?」と聞いてくるので、
「スカイプで話した時に見せてくれたの」と言うと、少し落ち着いていた。

シックスパック願望であんなに熱弁していたのに、

その数分後、彼はオレオチーズケーキ、私は苺のチーズケーキを、
ラファイエットstのベンチに座って食べた。

チーズケーキを食べている途中に、目の前を黒のシースルーから綺麗なかたちの脚が透けて見えるロングドレスに、上品なピンヒールを履いたモデルの様な女性が通りかかり、
僕はああいう細い女が苦手だと言った、(本当は見とれてたくせに)

今日の彼は、明るい太陽の下で見たせいか、この間より髪がもっとオレンジで、少しそばかすがある肌の色は一層白く、目はパライバトルマリンの色をしていた。上半身も白くて筋肉でむっちりしていて少しエロい、

彼は、いわいるジンジャーだ。もしかしてそれがコンプレックスなのかな?私は気にならないけど。

*ジンジャー(赤毛男性)はアメリカではモテない、赤毛女性は人気らしい。謎。


白ワインを買って部屋に戻り、コットンのカーキ色のカウチに沈むように座って、ドラマを見始めた。netflix and chill(ネットフリックス&チル=映画みながらいちゃつく)が始まるのかなと思いきや。

彼が、また、シックスパックの話を始めたので、

私は、「シックスパックにそんなにこだわっているのはアメリカ人だけだよ。
しかも、あまりやりすぎて日焼けもすると、中華料理店にぶら下がってる焼豚みたいになるし、女性はそれほど、シックスパックにこだわってないよ!
そんなに言うなら、私が油性ペンでシックスパックをお腹に描いてあげるよ!」
と言うと、

彼は冷静に 「じゃあ、描いて。」と言って、

油性ペンを手に、シャツを少しめくりお腹を出してきた。 

こ、これは、、なんの、なにかのプレイ? 

その時わたしは、、、彼からペンを受け取り、うまーく、シックスパックを彼のお腹に、、、

描いたのか、描かなかったのか、、本当になぜか、そこだけ、記憶喪失の様に覚えていない。

私がもっとシックスパックを上手に描けていたら、もっと続いていたのだろうか、、、、いや、そんな事はない

今思うとあのシーンだけ、夢の中みたくぼやけている。
その後、なだめる様に、キスはしたけれど、気まずくなって、

その後、私達は、お互い自然に連絡を絶った。 


*物語中に掲載されたお店

little cupcake bakeshop  30 Prince St, New York, NY 10012

Eileen's cheesecake  17 Cleveland Pl, New York, NY 10012

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