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【陽だまり日記】ましゅまろにゃんこ便
帰宅後、すぐにシャワーを浴びた。
そうしないと、其の儘ぐったりと横になってしまいそうだったから。
湯上がりは妙に体が重くて、なかなかに苦労しましたよ。普通はすっきりするものじゃないんですかねぇ……。
まあ、なんにせよ、きっと規則正しい生活とやらが生活を上向きにするコツなのだ。
規則正しい、というワードは、些か圧があって辟易する時もあるけれど、やっぱりこればかりは何処まで行っても正論。
和食を中心に腹八分目。
無理のない範囲の運動と、良質な睡眠。
此れが乱れるのが良くないのよ。
そんなことをいう歳になったのだと一人頷く。
そういえば、今日は、遠方に住む友人から小包が届いていたのだ。
特に、事前になにも伝えられていなかったけれど、なんだろう。
かさかさと出来るだけ丁寧に開けてみるとにゃんこやうさぎを象った大きなマシュマロと目が合う。
か、……かわ、い、い……
膝から崩れ落ちてしまう。
ふわふわのかわいい甘さがこちらを見詰めていて、思わず笑ってしまった。
マシュマロと一緒に緑色の封筒がこそりと入っていて、手紙と一緒に数枚の写真が添えられていた。
彼女の飼っている2匹の猫が写っていた。
あの子がにゃんこを飼い始めたのは去年の春ごろだから、そういえば、もう少しで1年が来るんだっけ。
愛猫に触れる掌が映る写真、細くて華奢な指先に目を細める三角耳の子たちは幸せそうな顔をしている。
夏に私が会いに行ったときより、大きくなっている。
それに毛並みが、たっぷりとした冬仕様になっている。
手紙には、小さな字で、あの子らしい言葉がつづられていた。
年末に体調を崩した私へのお見舞いとして贈ってくれたらしい。
まわりに流されず、どこか少年のような眼差しと知性を宿した彼女の顔が浮かぶ。
私が人生で初めて会った、「眼鏡を外すと、目がきらきらしてる子」だった。 (ちなみに、ゼミに参加してる全員がこの意見に賛同してくれた。)
きゅ、と唇を結ぶのが癖で、負けず嫌いだけれど、優しい子なのだ。
夜も更けたので、LINEで感謝を告げる。
ありがとう、だいすき!なあんて送ると変なスタンプが連投された。
いくつかの言葉の往復の末、最後にちょっとはにかんだ、あの子の返信が届く。
ふ、と、体が軽くなった気がした。