小さくカフェをはじめる。間借りカフェで得た少しの自信と身についたこと
こんにちは、にゃらと申します。
人生の三分の一くらい「カフェをやりたい」と言いながら生きてきました。
でも、お店を持つにはものすごくお金がかかる、今やっている仕事を辞めないとはじめられない、ちょっと考えただけでも「無理やー!」というのが浮かびます。それに、めまぐるしいスピードでいろんなことを体験できるベンチャー企業の会社員としての仕事も好きです。
結果、仕事がお休みの週末に、間借りでカフェを営業するという方法にたどりつきました。
今回は、間借りカフェをしてみて、ほんの少し得られた自信と、身についたことを綴ります。そして、2016年くらいから間借りカフェをさせていただいていた西荻窪のIn the Roughについてもご紹介したいと思います。
間借りでカフェを営業するってどういうこと
そもそも間借りというのは、家の一室だったり場所だったりを代金を支払って借りることです。間借りカフェは、それのカフェ版。飲食店営業許可を持っているカフェを借りて、カフェを営業することです。お店側は、営業時間外や定休日など、使っていない時間を有効活用することができます。少し前から話題に上がっている「シェアリングエコノミー」の概念で、製菓をするためのレンタルキッチンや、コーヒーを焙煎するシェアロースターというのもあるんだとか。
間借りカフェの良さは、食器や調理器具、設備などを借りることができること。コストももちろん抑えられるし、材料を持ち込んで仕込みさえできれば、すぐに営業ができます。内装は大幅に変えたりはできないですし、借りるお店よってのルールもありますが、メニューも自分で作って営業するので、一日店長気分を味わうことができます。
(自分が営業していたときのメニュー)
間借りカフェをやっていると「儲かるの?」と聞かれたりするのですが、自分はやりたいことを少しでも実現するとか、夢に近づく感覚でやるものかな、と思っています。
西荻窪のin the Roughってどんなお店
間借りカフェをしたいけど、場所を知らないという話も聞くし、実際どういう場所で活動していたのかという点も含めて、自分がお世話になっていた西荻窪のin the Rough(インザラフ)について紹介したいと思います。
コワーキングスペース兼カフェで、20席ほどあるので結構広々です。普段は、「ごはん と、ひとしごと。」という名前でカフェ営業をしていて、食事もスイーツも食べられます。お子さん連れのファミリー、一人でPCを開いて仕事をしている人、地元の方でちょっとコーヒー1杯など、年齢層も客層も様々。
スペースレンタルもしていて、お料理教室をしたり、アートの展示をしたり、ポップアップカフェというプランで自分のような間借りカフェを営業したりすることができます。
オーナーの弘子さんは、本業が不動産屋さん。未来を切り開くチャレンジをする人をめっちゃ応援してくれます。そして、地域のためにできることを常に考えていらっしゃって、西荻愛を感じます。それからお話していると、いつも陽な方向に引っ張っていってくれるエネルギーがすごいです。
はじめてお会いしたときは、in the Roughのオープンちょっと前くらいで、お店のコンセプトや想いをお聞きしながら、自分もお店をいつかやりたいという気持ちを伝えたのでした。
間借りカフェして身についたこと
そんなこんなで、間借りカフェをin the Roughでやらせてもらうようになって、最初は毎週日曜日、そこから転職したりして月1回の日曜日に継続して営業をしてきました。続けることでいろいろ身についたことがあったなと振り返ります。
「お店をやる心構え」(間借りだけど店長だ!)
間借りカフェという、その日だけの店長であっても、お店はお店。何をコンセプトにするのか、どんなメニューにするのかは考えなくてはなりません。そりゃ、営業するんだし当たり前だろって話なんですがが、普段は大半の時間をPCを前にカタカタやっている人です。よくコーヒーを淹れたり、料理をしていたりしていたとしても、ふるまう先は自分だったり、家族や友人だったりします。面識のない「お客さま」という方に出すのは、ど素人です。それに知り合いであったとしても、お店という空気の中では「自分が納得して提供できるもの」をださなくちゃと、いろいろ研究するわけです。それから、お店の空気をつくって管理するのは自分の仕事と考えるようになりました。(まだまだ修行中の身であるが)
「全方位の気配り」(目が顔の裏にもついている感じ)
お客さんから言われたときじゃ遅いとき。声に出されない「このお皿下げてくれないかな」「お冷ほしいな」「そろそろ食後のデザート来ないかな」というものに対して、自然と気づけるようになった気がします。キッチンでうしろを向いて料理をしていても、「あの角の席の人、食後のコーヒーそろそろ」だとか、見てないのに見えているという感じなのかなと思います。
「提供や接客のオペレーション」(自分のキャパを知る)
コーヒー1杯のオーダーは、豆をひいて器具とお湯を用意して、焦らず抽出する。その間どこかで、カップを温めておいて、お砂糖とミルクを用意する。例えば、コーヒーと同時に、トーストと目玉焼きの提供が加わったとしたらどうだろうか。コーヒーを落とす前に、目玉焼きを最初に焼いて蓋をして、食パンを焼いておかないと同時には出てこない。それから、フォークも準備を忘れずに。これが少しの時間差で、3人オーダーが来たらどうだろうというのを、ぱっと考えて動けるようになれている気がします。自分のキャパ的に難しいとわかれば、「少し提供にお時間をいただくので…」とひとこと添えることができます。
間借りカフェ大変じゃん、でもクセになる
身についたこととその内訳を書いていると、間借りカフェをやるなんて大変すぎると思うかもしれません。でも正直、自分はクセになりました。
珈琲を初めて飲んだときやビールを飲んだとき、「うわ、ちょっと苦いっ」て思うけど、慣れてくると美味しいって思う感覚があると思っています。それみたいに、味わい深さが増してくる。
最初はうまくできないのに続けるうちに、職人的に慣れていって、今まで回せなかったオーダーを回せるようになったり、仕込めるレシピの量も増えていきます。こういう瞬間を得られることも楽しいし、余裕が出たらお客さんと少し会話ができることも楽しい。結局のところ、楽しいからまたやりたいとなるんだと思います。
お店を持つことへの少しの自信と勇気
それからもう一つ。間借りカフェで、得られたほんの少しの自信と勇気について。それは、間借りであっても続けて営業することで出会える常連さんの存在です。
間借りカフェで月一しかオープンしていないのに、毎回来てくださる家族連れがいました。
「毎月、ここで料理を食べるのを楽しみにしています。でも、これからしばらく海外転勤で来れなくなってしまうので残念です。」
このとき伝えてくださったことが、今とても励みになっています。
こういう出来事がありながら、やっぱりカフェはやめられないな…と。今は、お店を持ってみようと決心ができて、手探りで一歩づつ前に進んでいます。
間借りカフェに挑戦できたことに感謝
4月に間借りカフェを卒業しますと伝えてからなんだかしみじみ。預けていた荷物も全部引き上げて、棚は空っぽに。
「カフェやりたいんです」の一言から、「ぜひ、やってください!」と、経験もそこまでない自分を受け入れてくださったこと、これが今に繋がっているんだなと、つくづく思います。
(キッチンから見る風景、慣れていたはずが懐かしい)
トーストを焦がしてさよならしたり、コーヒーの分量間違えたり、ランチプレートにご飯をのせ忘れたり、出来上がったパスタを流しに落としたり、てんやわんやで汗だくな日々がありました。この先、自分のお店を開いても、こんなことがあると思いますが、間借りカフェの学びがあるから前よりは良くなっているし、対処は迅速です!笑
今は、小さなカフェを開店するために奮闘中なので、もしよろしければ、自己紹介記事もお読みいただけましたら幸いです。
ところで、自分のお店の進捗は?
物件の契約を終えて、また一歩前進しています。お店の名前は「にゃらや」としましょう。今は、開店する前から楽しめるお店にするために、動き始めています。
改装前のスペースがどんなところなのか、ぜひ知っていただきたいので、「にゃらや オープンデイ」を開催します。いっそ改装するなら、壁にアートしてもらっちゃいましょう、ということでお願いをしました。それから来てくださった人には落書きしてもらっちゃいましょう、と思っています。
▼にゃらや オープンデイ 〜改装前スペースでアートとコーヒーを〜
日にち:6/19(土)、6/20(日)
時間:12:00頃〜20:00頃(出入り自由)
場所:神奈川県横浜市神奈川区白幡町1020
(地図 https://goo.gl/maps/CX11x24FhGScTUz69)
イベントURL:https://fb.me/e/1oKh7dyqO
内容:
・改装前の「にゃらや」どんなところ?見学できます
・壁面アートとコーヒーでほっと一息
・ライブペイントあるかも
・「にゃらや」の壁に落書き残していってください
改装前で飲食店としてなにか提供ができる許可がおりるのは、まだまだ先のこと。今は、イベントスペースとしての運営というのが近いかも。来てくださった皆さんのお気持ちの投げ銭でというスタイルで、コーヒーを飲みながらっていうのを、ちょっとやってみることにします。
それから、ひとりで空間の変化を見ながら気づいたのは、なにもない壁に、アートがあるだけでパッと明るくなること。その明るい空間を、ぜひ感じてみてください。
(この前は、夜な夜な数人で準備をしていました。絵を描いてもらって、みんなでプリン食べて楽しかった。)
引き続きSNSでも近況アップしていきますので、ご覧いただけましたら幸いです。
Twitter:@nyara_masu
instagram:@nyara_masu
いつもてんやわんやで人生運転中で、まとまらない言葉も多いのですが、お読みいただきありがとうございます。サポートいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ。とても励みになります。