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自分を奮い立たせるものは、己のみ。

九州から大阪に出て、飲食店でのバイトが楽しくてそのまま飲食の世界に。いろんなお店の経験を経て、ワインを扱うメーカーが運営するお店に関わり、キッチン志望だったけど上司からホールへ出ろと言われホールへ、そのまま店長〜統括へ。今は現場を離れワインの小売店を任されているが、今後はまだやりたいことがあるという。

後半はこれからの春高さんがやりたいことについてお話しいただきました。

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今のワイン小売店に入る前に、飲食店の現場を辞めたいと告げた春高さん。その時、次はキッチンカーをやるつもりだったという……

人に触れてきたからこそ感じる、人と関わり方の在り方。

──キッチンカーはどうしてやりたいと思ったんですか?

もうお店で待っている時代は終わりやなって俺はずっと思っていて。これからは店舗はなくなっていく一方やし、お客さんがきてくれるのを待つ時代やないと思っている。年取ってきたらお店までいくのとか大変やし、かと言ってネットで買うほど本数も必要ない。だったらその辺の公園とか、誰かの軒先を借りて小さくお店出して1本でもいいから買ってもらえたらええんやって思う。

不自由をとってあげたいっていう感じかな。そういう時代かなっていうのもあるし、商売の基本的なところかな、お店構えて待っているのも大事だけど、遠くまで外出できない人とか、ネットが使えない人、ネットの情報だけではわからない人にもワインを届けたいっていうのがあるのかも。こっちから歩み寄ることも大事やろって思っている。

──直接お客さんの声が聞けるっていうのもいいですよね。

俺がおすすめしても美味しくなったら買わんかったらええだけやし、それもまた喋れるきっかけになる。最初からピッタリ合うのをおすすめできたらいいけど、一人一人に合うものを会話して見つけていくのも楽しい。

65歳からが自分の自由時間。
それまでは拘束された時間の中を楽しむ。

──キッチンカーをやれたら、あとはやり残すことないですか?

俺、自分の時間を楽しむのが幸せとするのであれば、幸せは65歳からでいいって考えているのよね。今まで、飲食店とか小売店に入っていると休みが定休日とかしかなくて、営業中はお店にいなあかんやん。休みの日は家族サービスしているから、自分の時間ってほぼないのよ。

── えっ、65歳からでいいんですか!? そこまで我慢するんですか?

もう我慢じゃない。(笑) 慣れてるし。
その中でも幸せは見つけられるわけだから。ただ、拘束を解かれるのは65歳からでもええかなって思っている、そっからあと10年は生きたいけどね75歳までは拘束時間がない生活がしたい。

あと、娘の結婚式で泣くのが夢やねん。だから子供が結婚するまで絶対死なへんと思うから、健康には気をつけてるね。だから、タバコもやめたし最近お酒も控えるようになった。でも、禁止することばかり増やしても、楽しくなくないね。じわじわと感じるつまらなさがある。

お店の壁に貼られてる春高さんの手書きの目標


──春高さんが思う最近楽しいことってなんですか?

食べたり、飲んだりすることかな……、でも最近食に興味がなくなってきて、あんまり飲みに行きたくないねん。これが病んでるんだろうなって思う。めんどくさいのかな……、めんどくさいって一番思ったらあかんって思ってて自分では否定してる。後輩が頑張っているのに、めんどくさいから行かへんのって、俺なんなんって思う。

──厳しいですね。

自分に厳しくせんと、俺めっちゃ甘えるもん。(笑) 一人だとだれるねん。だから、人からダメ出しされたいね。最近売上も上げてるせいか歳のせいか怒られることがなくなってきたから、誰かに怒ってもらいたい。

誰かこう俺を罵ってくれって思う。(笑)

──叩かれて伸びるタイプですね。(笑)

人に負けたくないっていうのもあるんかも。 昔から友達には負けたくないっていうのがあったからライバルがいると燃えるね。

──負けず嫌いってやつですか?

そう、それそれ!

──ライバル見つけてください。(笑)




出会った当時、感じていた年齢の差や立場の違いからの距離感は、10年経った今、あまり感じなくなっていた。当時は一面を見て一喜一憂していたけど、今では少しだけ見える面積が増えたような気がする。

また、月日が経ってもこうして会ってもらえたことが、何より嬉しかったインタビューでした。(涙)




春高 勇次
1970年生まれ 大分県出身。
小さい頃はプロ野球選手に憧れるも、大学浪人生活時代から飲食の楽しさを知り、大学卒業後飲食業界へ。現在は東大阪でワイン小売店に携わりつつ商店街の活性にも奮闘する。 最近は愛犬ニーナとの戯れが楽しみ。

Twitter @motonashiya



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