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突然の運動会とドバイの子育て事情

子育て真っ最中のみなさまは、お子様の通っていらっしゃる学校から行事の連絡っていつくらいから告知がありますか?



ウソみたいな話ですが、
ドバイでは、だいたい
1~2週間前くらいに突然連絡がきます。
ひどいときには数日前に突然連絡がきます。



娘は現在、イギリス系のナーサリー(保育園)に通っているのですが、こちらの国にはいくつかの種類のナーサリーがあり、その中でも多くは、イギリス系、アメリカ系、アラブ系、インド系、フランス系、などがあります。しかしおそらくそれらのジャンルに関係なく、


「ナショナルデーだから、あなたの国の名物料理つくってきてね♪」

とか、

「明後日学校でパーティするのでドレスアップしてきてね!」

とか。

まぁだいたい直前に連絡がメールでサラっときます。あるいはクラスのドアにペラっと貼ってあります。日本のようにプリントして子供に渡してきてお母さんに見せるとか、電話で念押しとか、そんなのないです。

なので、だいたいそういうとき、お母さんたちは顔をくもらせながら、
「マジかよ…」
と、お互いに静かに哀しげな目線を交わしあいます。


そんな先日、例に漏れず急にナーサリーから



「来週運動会するから料理作るor持参してきてね!」



と、お達しがきました。
しかも料理には指定があり、ナッツ不使用だったり、ピザだったりサンドイッチだったりとリストアップがされており、それらはクラスのドアに貼られていて" 担当メニューは早い者勝ち "な空気感がムンムン…。

その日、たまたますごく早くナーサリーに着いたわたしはクラッカー担当のところに光の速さでサインすることができましたが、たぶん一番辛い担当は、人数分のショートパスタだったかと思われます。
た、助かった…。涙


さて当日。
同じナーサリーに通う、ハリファにお住まいの奥様から「わたしの車に乗って行っていいわよ!」とお声をかけていただき、同じ国に住む異国の方の家庭の車に初めて乗りました。

奥様はパキスタン出身の美人で、瞳がとってもおおきくて睫毛がものすごく長くていっぱいで、まるでお人形さんのような可憐なお顔立ちなのですが、



車の運転があまりにもイケメンすぎてびっくりしました。
(上り坂でアクセル全開の急加速、速度をあまり緩めずにダイナミックに曲がり角を曲がる)



とはいえ、その華麗なるドライビングテクニックのおかげで、約束の時間となっている9時前には無事に会場に到着することができました。

ちなみに会場は、家からほど近い場所にある小さな公園なのですが、有料になっているので常に人の手が入っており、すごく設備がキレイ。芝生もキレイ。バーベキュー施設もあってめっちゃよい。思わぬ穴場の公園でした。


しばらくすると会場には続々と家族連れとナーサリーの先生たちが到着して、会場の準備をしてからの(いま?)、いよいよ運動会の開催!!

最初は全従業員と教師による軽快なズンバダンスからはじまり(なぜ?)、子供たちによるオリンピックの開会式を模した小芝居があったのち、赤ちゃんから3~4歳の子供までがそれぞれに小さな体を使って一生懸命走ったり転がったり飛んだり泣いたり笑ったりする競技があり、閉幕、といった流れの、それはそれは終始自由な感じの微笑ましい時間でございました。


そうそう、運動会には親の綱引きもありまして、お母さんバージョンとお父さんバージョンがそれぞれの回で綱引きをがんばる!といった感じだったのですが、みなさん非常に体格がしっかりしていらっしゃって、お父様がたに至っては海軍ですか?何らかのアスリートですか?といったくらいのムキムキマッチョな方ばかりで…日本人の、ちいさくて貧弱な体格ではまったく力が及びませんでした。。。


とはいっても、これらの種目は全てひっくるめても正味一時間ほどのもので、その後はみんなでピクニックを楽しんで11時には解散のちナーサリーに戻るという、ぶっちゃけ運動会とは名ばかりの超スピードで仕上げる懇親会といった雰囲気で、親がただただ楽しげにしている光景がむしろ非常に印象的でした。


ちなみに、みなさんおそらく気になっているであろう、ドバイでの子育て事情ですが、正直わたしはめっちゃ最高です。もともと子沢山な国でもあり、子供大好きなお国柄でもあるので、どんなに怖い顔したおっちゃんでも赤ちゃんを見たら思いっきり目尻を下げるような文化?があり。子供も自己肯定感をしっかり持ち、自分の意見をきちんと持ち、自由にのびのびと育ってくれています。


そしてそして、親の子育てに関する姿勢ですが、わたしはぶっちゃけ、多くの日本人男性はあまりにも子育てに関して女親に投げっぱなしなんじゃないか?と思うほど、こちらの国では両親揃って全力で子供の教育をしています。朝や帰りのお迎えをお父さんだけで行く場合もあるし、両親揃ってお迎えに来ることはすごく多いなと感じていて、おそらく共働きであろうご両親が揃ってスーツでお迎えに来ている光景もよく目にします。


これを書くと「いやいや、言うてもそれって白人とか、UAEの人だけじゃないの?」とか「いやいやいや、日本人だけじゃないだろー」という方もいらっしゃるかと思いますが、わたしの娘が通っているナーサリーに関して言えば、台湾人のご家族や中国人のご家族も、めっちゃ熱心に両親揃って行事や送り迎えに参加していらっしゃるのと、わたしはある程度の、日本人以外のご家族との交流がありますが、


「わたしの夫は、自分の子供にまったく関心がないのよ」

なんていう言葉は、正直なところ日本人以外のご家族からはそういった発言を一切聞いたことがなく、むしろ出稼ぎでお仕事をしている方々に至っては「子供を良い学校に入れたい」という一心で仕事をがんばっておられたりしているので、たぶんそういった理論はここの国では通じないのではないかなぁと思います…。

(ちなみに語弊がないように加筆しておきますが、わたしの主人は多忙な人ですが、めっちゃわたしよりも育児に関して関心があって熱心です。これは孤独な異国の暮らしにとって非常にありがたいことです。感謝感謝感謝…)


「忙しいから」
「育児は女にしかわからない」
「子育ては女の仕事」
「俺はこんなに頑張っている」
「専業主婦なんだから」
「共働きなんだから」


それ、海外で言っちゃうと、育児放棄とみなされる恥ずかしいやつです。


そして、奥さん側も「わたしは子育てしかできないから」とか言っちゃうと、「は?」って言われるやつでもあります。それはつまりは、

「あなたは子育てという素晴らしく重要なことをなぜ軽く考えているの?」

というニュアンスです。


たしかに子育ては忙しい。
仕事もしないとゴハン食べられない。
どっちも大事。


でも、自分以外の誰かの未来を自分たちの手で育てることは、とても目に見えにくいし、感覚としてつかみづらいけれど、すごくすごく最高にクリエイティブなことなんではないかとわたしは思うし、そのような空気感をこの国ではひしひしと感じます。

わたしはそのような日々に翻弄されながらも、自由でありながらも責任感を改めて実感しつつ、まもなく訪れるであろう灼熱の夏を感じるのであります。

がんばろう。な。

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