アレルギーについて
私が子供の頃は、花粉症なんて聞いたことがありませんでした。メアリーポピンズにでてくるエレンという女中さんは、枯れ草熱でくしゃみばかりしていたから、今で言う花粉症だったのではないかしら。今だったら、花粉症、と訳されていたのかもしれません。今の様な、あちらもこちらも花粉症というようなものではなくて、本当に極まれにいるような感じだったと思います。
花粉症もアレルギーの一種。昔は、アレルギー持ちのある人は少なかったし、アレルギーについての知識もなかったのです。給食で食べられないものがあると、食べ終わるまで席を立てなかった、と言う思い出を持つ人はすくなくないようです。これが蕎麦や乳製品のアレルギーのある子だったら、無理に食べさせたら、命にかかわります。昔は、そういう被害者はいなかったのでしょうか。他の原因だと思われたのでしょうか。
先祖代々食べてきたものの歴史が、アレルギーに関係しているそうです。日本では、カンガルー肉やうさぎ肉を日常的に食べてきた家はないから、アレルギー対応の肉として、カンガルーやウサギが扱われています。食べられる肉があるのはいいけれど、お高くつきますね。いつも食材を買っている宅配の会社には、アレルギー対応としてこういう肉類を扱っています。ウサギ、鹿、カンガルーなんて料理心をくすぐりますが、これしか食べられない人の為に、注文は控えています。
大豆やコメがアレルギーで食べられないと、日本での生活は大変です。主食の米は食べることができないし、餅や和菓子もだめですね。豆腐、油揚げ、納豆、みそ、しょうゆ、と大豆製品は日本食とは切っても切れない関係です。ひえや、あわから作った醤油など販売しているところもあります。こちらも量産していないし、かなり割高になります。外食で和食を食べることはできないのではないかしら。醤油や味噌を使わない和食って、ほとんどないように思います。
友人の息子さんが卵のアレルギーで、「鶏の卵1個でも、いくら1個でも、卵に変わりはないから、ショック死する可能性がある」と言われたそうで、ずっと除去食を食べさせていました。店でパンを買う時も、卵が入っていないか問い合わせてから買うのです。別の友人のお子さんは、肉、米などのアレルギーで、白身の魚なら大丈夫だったそうです。ご主人の普通の食事を作るのに、まな板も、包丁も共用にはできなくて、ご主人には実家で食事を食べて貰っていました。お二人の努力と、周りの協力の成果で、どちらのお子さんも、今は普通の食事が食べられるようになりました。
これとは逆に、最初は大丈夫だったのに、途中からアレルギーになってしまう場合もあります。カニが大好物だったのに、アレルギーになってしまって、カニカマしか食べられなくなってしまった方を知っています。私の娘も以前はクルミを普通に食べていたのに、食べると口の中がかゆくなるようになり、間違って食べると息をするのも苦しくなってしまうようになりました。
クルミはアレルゲンとして、表示義務のある7品目には入っていないので、表示されていないお菓子を食べさせたりしてしまって、苦しめてしまったことがあります。最近表示推奨食品の中に入ったので、少し安心していました。
昨日買ったクッキーの詰め合わせには、それぞれのクッキーの名称と材料がまとめて表示されていて、どれが何と言う名前のクッキーなのかは書いていないのです。製造会社の人ならば、形をみて○○、▽△とわかるでしょうし、成分を調べるのも容易です。ですが、一般の人にはわかりにくい表示です。
子供に、シナモンクッキーかと思ってお勧めしたら、それがピンポイントでクルミクッキーだったのです。食べた後「なんか変だ」と言って、娘がネットで検索したら、それがクルミクッキーだとわかりました。30分以上苦しそうに荒い息をしている娘を見ると、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
製造メーカーにしてみれば、長年同じものを作っているのに、成分を表示するとか、カロリーを表示するとか、後からどんどん義務が増えてきて、煩雑なのだろうと思います。ですが、アレルギーのある人と、その家族にしてみれば、その表示が命綱になることだってあるのです。
後から後から、表示義務のあるものが増えてしまうと、多量のロットで作ってある過去に製造した包装用のビニールなど、そのままでは使えないものが増えてしまいます。見場が良くないけど、シールを張ったものでもいいのです。どうぞよろしくお願いいたします。
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