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小さい頃の私は、なんでなんで博士だった。一事が万事、全てのことに「なんで?」と言っていた。 「夕陽が赤くてきれいだね。」 「なんで?」 「今日は空が澄んだ青、気持ちいいね。」 「なんで?」 「早くご飯を食べなさい!」 「なんで?」 「早く寝なさい!」 「なんで?」 こんな具合に。 今より遥かに語彙も説明力も表現力も乏しかった私は、全てが「なんで?」の一言に集約されていた。別に反抗しているわけでもなかったし、気に食わないわけでもなかった。ただた