読書レビュー「風神雷神」上・下 柳広司
初版 2021年3月 講談社文庫
上巻あらすじ
扇屋「俵屋」の養子となった伊年は、醍醐の花見や、出雲阿国の舞台、南蛮貿易の輸入品から意匠を貪り、絵付けした扇は評判を増す。すると平家納経の修理を依頼される栄誉に。さらに本阿弥光悦が版下文字を書く嵯峨本、鶴下絵三十六歌仙和歌巻の下絵での共同作業を経ると、伊年の筆はますます冴えわたる。
下巻あらすじ
俵屋を継ぎ妻を娶った宗達は、名門公卿の烏丸光広に依頼され、養源院に唐獅子図・白象図を、相国寺に蔦の細道図屏風を完成させる。法橋の位