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「いつも子どもをまんなかに」と題されたブックレットを読ませて頂きました

東京で小学校の先生をなさっていた、河合尚規氏の実践集です。

「子どものしあわせ」に1年間掲載されたクラスの取り組みの様子や、河合先生が目ざす発達保障の視点や、学校・職員のあり方を記した実践集です。惜しくも、昨年の秋にお亡くなりになられたのを仲間の方々が、悼んでブックレットにしたものです。

ここには、子どもを真ん中に据えた実践の奥深さ、明るさ、確かさ、計画の緻密さが有って、感服しながら読みました。「そうそう子どもってこんなこと言うよね」、「子どもってこんな目のつけ方をするよね」等と、自分のクラスの子どもたちの顔を思い出しながら読みました。

「子どものしあわせ」という雑誌は、ずっと読んで来ましたが、河合先生の実践には出会えていませんでした。わたしが産休、育休で休んでいた期間のようでした。

改めて、学校って良いなあ、クラスを持つって良いなあと思い出させる実践の数々がそこには有りました。特に、夏休みの宿題の出し方にも河合先生独自の捉え方が有って、規則正しくだけでなく、のんびりゆったりしようと呼びかけているのです。単純に「お手伝いをしよう」「体を鍛えよう」と
決まったものをやらせるのでなく、家庭の事情や子どもの興味関心に合わせた宿題を計画する事が出来るようにしているのです。

それぞれの実情に合わせてと言いつつ、腹筋何秒・何回と書かれたマッスルカードが宿題だった孫の夏休みと全く異なる時間が有りました。

今よりも、もっともっと窮屈だったはずの1998年にこのような実践を行えたなんて尊敬に値します。このブックレットの「はじめに」の中に、
「超多忙と言われる今の学校現場で、ともすると教師の仕事の本当の価値を見失いかねないときに、この本がみなさんへのエールとして元気をあたえてくれることを心から願っています。」
との編集委員の言葉に、河合先生の後輩として、同時代を生きて来た元教師の一人として、この言葉に深く納得しました。

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