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今さらながら「プラダを着た悪魔」を見た感想
季節の変わり目のせいか風邪をひいて一週間くらい寝込んでいました。
今回はとにかく咳が酷くてしんどかった。
今は咳はだいぶ治まってきましたが、あばらが痛くてあまり動けない。
くしゃみや咳で肋骨にヒビが入る事もあるそうで、
もしかしたらやっちまったのかもしれません・・。
肋骨にヒビが入っていても、
湿布と痛み止め飲むくらいしか治療法がないそうなので、
このまま安静にしておこうと思ってますが。
寝込んでいる時に、岡田斗司夫氏の動画をだらだら見ていたのですが、
その中で「プラダを着た悪魔」の話をしていて、
その解説からして面白そうだったので見てみました。
「面白い」という感想をあちこちで耳にしていたので、
いつか見てみようと思いつつ、今に至ってしまいましたが、
みんなが言うように面白かったです!
2006年の映画だったんですね。
もうそんな前になるんだ。
もっと早く見れば良かった。
オープニングからしてもうおしゃれ!
映像と曲がマッチしていて、いきなり世界観に引き込まれます。
この曲は知ってたけど「プラダを着た悪魔」の
オープニング曲だったのも初めて知りました。
この映画、女の子のサクセスストーリーだとは思っていたのですが、
ただのサクセスストーリーではないんですよね。
(以下、ネタバレ含みます。)
いろんな見方があると思うのですが、
私にとって一番の見どころはアン・ハサウェイの成長ですかね。
最初はトップオブファッション誌の編集部に就職するにもかかわらず、
ファッションの事は一切無頓着、
ノーブランドのセーターを着て面接にやってくる。
ファッション関係の会社じゃなければ別に問題ないレベルなのですが、
最初はまだまだ世間知らずと言うか、業界を舐めてるんですよね。
それでも「私は私!」と最初の頃はその服装で通すのですが、
周囲の当たりが強くて心が折れてしまう時が来ます。
社内でファッションディレクターのナイジェルに泣きつきますが、
「甘えるな」と一蹴され、服のコーディネートをしてもらいます。
(何気に優しいよね)
ここから変身したアン・ハサウェイの
艶やかな姿がいっぱい見れる楽しさもあり、
鬼編集長ミランダの無茶苦茶な要求にも必死で応えていく姿が痛快です。
そうこうしているうちに、周りの目が変わっていくんですよね。
そして自分の評価も確実に上がっていきます。
ただ、その中では葛藤も生まれるんですね〜。
自分の先輩でもあるエミリーは、
パリに行く事をずっと夢見て努力していましたが、
そのパリ行きにはアンディ(アン・ハサウェイ)が抜擢されてしまいます。
また、仕事を優先するあまり、
今まで付き合った来た仲間とも距離ができてしまいます。
ステージが変わると周りの人間も変わるというやつですね。
上を目指す事は悪い事ではない。
でも自分のステージが上がる事で傷つけてしまう人も出てくる。
悩んでいるアンディが目にしたのは、それを地でいくミランダでした。
ミランダは高みを目指した分、失うものも多かった。
それを目の当たりにした時に、アンディは考えます。
ミランダのお付きでパリに行ったアンディでしたが、
移動中の車の中でミランダに「あなたは私に似ている」と言われ、
アンディは何かが吹っ切れたような顔をします。
車から降りた後、
これまで所構わずミランダからかかってきていた
携帯電話を噴水に投げ捨ててその場から去ります。
その後アンディは編集部を辞め、普通の会社の面接を受けます。
最初の頃よりは少し垢抜けてるけれど、
編集部にいた頃の様なハイファッションではありません。
少し距離が出来てしまっていた元カレとも再会しています。
アンディにとっての居場所はこのくらいがちょうど良いという事に、
気が付いたのでしょう。
アンディはミランダに「似ている」と言われ否定しますが、
やはり似ているのでしょう。
自分の居場所を確保するために、
最後にあの恐ろしい編集長を切ってみせた。
その強さが似ているのでしょうね。
映画の最後は先輩のエミリーはまだ編集部で頑張って働いている所や
ミランダは相変わらず忙しそうにしている所も描かれています。
それぞれがそれぞれの望む場所を目指して生きている。
「それで良いのだ」というメッセージを受けました。
何を持って成功とするかですが、
私的には誰もが望む地位やお金を手にする事より、
自分が無理なく納得して生きられる場を確保する事が
成功だと思っています。
そして自分が望む場所を見つけるまでは無痛ではいられないのだと。
わけわからないまま走らされたり、努力も必要だし、
時に悪魔のように人を切り捨てなければならない時もある。
幸せになるには痛みも経験しないとその先が見えないと言う事を
説いているようにも思いました。
それをポップでおしゃれに描いている「プラダを着た悪魔」。
確かに確かに名作です。
まだ見てない方、おすすめします!