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細かい話は面白いーー本が伝えられる世界観とは何か?『漫才過剰考察』感想

前回の記事について令和ロマンのくるまさんの『漫才過剰考察』から考えたことについて書きたい。いやはや面白かったんだよなあ、この本。

本書を読みながら感じたことは、動画ぽいなあ、ということだった。語り口が動画だ、と思った。それは前の記事に書いた通り「実況」であるということなのだが、もうひとつ思ったのが、本であっても世界観がうまく出てるなあ、ということだった。

世界観とはどういうことか。それは作者の思想であり、生き方であり、向かいたい世界の方向性みたいなものだと思っている。

本というのはすごく難しくて、著者本人がすごく面白くても、その発言や言葉を本にしてしまうと、のぺーっとしてしまうことが多い。本にはある種の型が存在しているからだと思う。ビジネス書でも実用書でもエッセイでもそうだ。物語でも、脚本家や漫画家がたまに小説を出すとなんか上手く世界観が出ないことはよくある。本として面白くするのには、本に特化した技術が必要なのだ。たぶん同じことはテレビでも動画でもあるだろう。そして本にするなかで編集者が上手だと、著者の世界観がきちんと本に反映され、なんだか面白い本になることが多い。と私は思う。

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