見えなくても日常生活
目が見えなくても自立して生活できている人とそうでない人がいるけどその差は、と
いう質問にある全盲の人が「親の教育」と答えたそうです。
これはいつ見えなくなったかとは関係ありません。
先天盲でも本当にこの人見えてないのかと思うほど一人でどこでも行ってしまうし、
料理はできるし音楽もできるしパソコンで何でもやってしまう人もいます。
方や、お皿がたくさんあるとさばけないから外食では丼ものかハンバーガーしか食べ
られない、同性のガイドがいなければ外出先でトイレに行かれないなんて人もいます
。
コンビニ弁当はお母さんが蓋を開けてくれて嫌いなものはあらかじめどけてくれて、
お箸も割ってくれて、肉や魚は切ってくれて・・みたいな生活をしているのです。
真偽のほどはわからないけど、水はいつもコップに入れて出されるから水道の存在を
知らない人がいるとか。
ボランティアさんとの調理体験の時、泡だて器が何だかわからなかった人もいるみた
いです。
中途障害でも見える人がやってくれるのが当然とばかり、家族を奴隷のようにこき使
っている人とか、鍵のかかっていないトイレから出られなくなってしまう人もいるら
しいです。
このような差は本人と家族の意識、生活環境、本人の資質によるものだと思われます
。
そう言えば、先天盲の人で世の中に出回っている本は全部点訳音訳になっていると思
っていた人がいました。
彼女は大人になっても親に過干渉され、長い間情報から隔絶されていたそうです。
私は日常生活動作が全部できるようになってから目が見えなくなったので、現在見え
なくてもそれなりに自立生活できています。
掃除、洗濯、料理、、どれを取っても見えない子供にひとつひとつ手取り足取り教え
るのは忍耐がいる事だと思います。
紐の結び方や火の扱い方とかどうやって教えているのだろうかと、それらを教えてい
る視覚障害児の親御さんや先生方には感嘆と尊敬しかありません。
私は視覚障碍者の解除の仕方について聞かれることがよくあります。
もちろんガイドヘルプの講習会で習うような基本はあります。
でも、同じ視覚障碍者と言っても、上記のように個人の能力差がかなりあります。
この差は障害が重ければ重いほど大きくなります。
同じ全盲でも上はブラインドサッカー選手から下は階段の上り下りが一切できない人
までいるのです。
好みの問題でも鉄なべは熱いけど、熱いのをフーフーして食べたい人と、火傷したく
ないから普通のお皿に移してほしい人、ステーキは切ってほしい人と自分で切りたい
人。
花が咲いていても触りたい人、虫が嫌いだから触りたくない人、触ってもわからない
から触りたくない人。
見えないという共通項はあるけれど、結局十人十色。
、でも明らかに違うのは健常者に比べて個人の能力差が半端ないという事です。
そんな訳で、ガイドヘルパーさん、道で困っていそうな視覚障碍者を見かけた方、そ
の人がどんなヘルプを必要としているか、いちいち聞いていただけるとありがたき幸
せです。
そしてできない事、不適切なお願いはきっぱり断ってください。
声がきれいな人なんかはナンパされたりするかもよ(笑)