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初心者|漫画完成しない問題|もう一度漫画と向き合うまで

あまり漫画を描いたことがない初心者が、長編ストーリー漫画を描こうとして挫折する

創作界隈ではあるあるネタですが、つい先日まで私はまさにその状況でした。あんなに描きたいと思っていたのに、どうしても筆が進まない。描く気になれない…

ついには投げ出してしまい、1か月ほど漫画をまったく描かない期間ができてしまいました。
なぜそうなってしまったのか。そこからどの様にして、もう一度漫画を描き始めれたのか。

2024年5~11月までの約半年間について、できるだけ詳細に書いていきたいと思います。



■最初に(このnoteはこんな人向け)

・初心者、趣味で二次創作をしている人
・漫画が完成しなくて苦しんでいる人
・挫折せずに最後まで漫画を描き切りたい人

今回、私が初めて100ページ以上の二次創作漫画に挑戦した話をします。ここで「100ページなんて余裕!」と思われた方にはおそらく物足りない内容になると思います。
ほんとうにガチの初心者が挫折した話です。それでは、よろしくお願いします。






自己紹介

お絵かきが趣味の社会人です。オタクです。二次創作などゆるく創作活動をしています。

※最近描いたオリジナルイラストです。


らくがき・イラストはよく描くけど、漫画はあまり得意ではありません。描いてはみるけれども、途中でやめてしまう…を何度も繰り返しています。

以前描いた直近の二次創作漫画も2017年と7年前。しかも同じように途中で投げ出していて未完の状態でした。



■急に長編漫画が描きたくなった(2024年5月~)

にもかかわらず、オタクを続けていると流行りジャンルに運命的にどハマりし、妄想が止まらくなることがあります。突然、描きたい話が降りてきてしまいました。頭の中にある景色をどうにか形にしたい、見てみたい!とプロットを書き始めました。

プロットの時点で、最後まで描くと100ページは超えそうだと言うことがわかりました。100ページなんて描いたことがありません。途中でまた投げ出すのでは…と頭をよぎります。








それでも描こうと私を奇行に走らせたジャンルは
『勇気爆発 バーンブレイバーン』でした。

※すみません。すこしだけ布教活動させてください。

全人類観て!!!!!



■できるだけハードルを下げて描き始めた(2024年6月~)

とはいえ100ページを最後まで本気モードの画力で描ききる自信はなかったため、描く前にいくつかマイルールを立てることにしました。


描き続けるために立てた3つのマイルール

・ほぼ白背景でいい
・こった構図・コマわりは意識しない
・1つのコマに執着しない


・ほぼ白背景でいい

私は背景が苦手です。描くと時間がかかってしまいます。でも、背景までしっかり描けるようになりたいと憧れはありました。

しかし、自分がこの漫画で描きたいのは、推しカプ同士がお互いのことを想いあっている尊さです。それさえ表現できれば背景は不要だと思いました。

そのため、場面ごとに今どこにいるのかがわかる背景入りのコマを最低1つだけにし、残りのコマはすべて背景無しで進めることにしました。



・こった構図・コマわりは意識しない

今まであまり漫画を描いてきませんでしたが、いっちょ前に漫画のテクニックはネットで何となくかじっていました。フカン・アオリ構図とか、視線誘導をするとか、たまに全体が分かるようなコマを入れるとか…

せっかく漫画を描くんだし、知っているテクニックをとり入れたいと思いましたが、そう思えば思うほどネームの時点で手が止まりそうになりました。

なんども書きますが、自分は漫画初心者で、表現したいのは押しカプのお互いを想いあう尊さです。

テクニックを駆使することは漫画を完成させたことがない人間が意識することではありません。とにかく漫画を完成させることが目標です。
ほぼ顔だけ漫画にし、コマわりは自分の好きな漫画を参考にするようにしました。



・1つのコマに執着しない

イラストを描く際、時間をかけて何度も修正する癖が私にはあります。1枚絵のクオリティを上げるには良い方法だと思うのですが、漫画だと完成に時間がかかり過ぎてしまいます。
1コマ描いたら細部にこだわらず、とにかく次のコマを描くようにしました。

漫画家の慎本真さんのYouTube動画が好きでよく見るのですが、「諦める気持ちも大事」だと仰られていて、とても参考になりました。
※動画を張り付けておくので、よかったら見てみて下さい。



■それでも描けなくなった

マイルールのおかげで描き始めて1か月ぐらいは、『休日に1日1ページ描く』というペースでコツコツ進められていました。時間はかかるだろうけど、最後まで描けると思ってました。それなのに、なぜ描けなくなったのか。

■今思うと、いくつか要因がありました。
・途中から無理なスケジュールに変更した
・自分の画力の低さに落ち込む
・私生活の変化

それまでの経緯を書きたいと思います。



突然訪れたフィーバータイム(2024年7月~)


漫画を描き続けて1か月程度たった時のことです。

もともと今回描いている漫画は3部構成にして、まずは31ページまで描いたら、1部としてpixivにアップする予定でした。

15ページまで描き進め、1部のちょうど折り返し地点。pixivアップという目標が手に届きそうになってから、描いて積み上げることに快感を覚え始めていました。

漫画を描くのが楽しくて仕方がない。むしろずっと描いていたいという感覚でした。

プライベートの時間をほとんど作画作業に費やしても、なぜかまったく苦じゃなく、1日で3ページ描けるようになっていました。この調子で描き進めたら、100ページなんてすぐ終わるのでは…?
もしかしたら11月には描き上がるかもしれない…!

早く最後まで描き終わりたいという欲が出て、いつの間にか『休日に1日2~3ページ描く』という今思うと無理なスケージュールに変更していました。




フィーバータイムが終わり、1ページがはてしなく感じる(2024年8月18日~)


1部のpixivアップも終わり、2部を描き進めていた時でした。これまでのような積み上げていく楽しさが薄れていき、徐々に描くペースも落ちているように感じました。

そんなこともあるか、とあまり気にしないように努めていたのですが、無理でした。以前はもっと早くかけていたのに、なぜこんなに時間がかかるのだろう?推しへの愛が消えたのか?と描いている時にたびたび頭を過ってしまい、悩んでいました。



そして9月に入ったころには、『1日1ページ』も描けなくなっていました。




マイルールのデメリット。成長の楽しさが消えていた(2024年9月~)


描くスピードが落ちたことにより、自分の画力に自信が持てなくなっていました。描いてきたページを見返すと絵が雑に見えます。6~9月までの3か月間、ずっと描き続けているはずなのになぜ画力が成長していないのだろう、と。

突然の推し語りになりますが、私の最推しはブレイバーンというおもしろロボットです。しかし、ロボットを描くのは今回の漫画が初めてでした。本当はもっと推しを格好よく描きたいのに、ぜんぜん画力が追いついてない。むしろこんな画力で押しを描くのがつらいとさえ感じていました。

後から振り返ってみてわかったことですが、設定していたマイルールだと、漫画を描くハードルを下げてタイパに全ぶりしてしまっています。

つまり『描けないものは描かず、描けるものだけ描いて、クオリティも気にしない』という方法でした。

その結果、描くことがただの作業になり、成長も感じられず、描くことの楽しさが無くなってしまっていました。




職場の試験勉強がはじまり、漫画を描かなくなる(2024年10月~)

先に言っておくと、試験勉強は漫画を描きたくないがための言い訳です。描くための時間的な余裕はめちゃくちゃありました。

それでも、いつ終わるかわからない漫画を、成長しない自分の画力と向き合いながら描き続けることに限界を感じていました。

しかも自信が無くなっていたせいか、描き切った所でどうせ誰も面白いと思わないだろうとかなり悲観的な考えしか思い浮かばなくなってました。

――そして、54ページ目まで描いたところを境に漫画を投げ出し、1か月間あつ森に熱中することになりました。

試験勉強は…?





■もう一度漫画を描けるようになるまで(2024年11月~)

ついに職場の試験が終わり、『試験勉強があるから漫画は描けない』という言い訳が使えなくなりました。




ネームを読み返したら、漫画を描きはじめた初期衝動を思い出した

漫画は描いていなかった間も、自室の机の上にはネームがずっと置いたままになっていました。たまに視界の隅にネームがちらっと見えて、後ろめたいような、引け目のようなものを感じていました。

さすがにずっと置いておけないので、ネームを片付けるかどうか迷っていました。

さてどうしたものか…とそれとなくネームを手にし、読み返してみたところ、驚いたことにものすごく面白く感じれました。

『そうそう!私の読みたかった漫画はこれ!』
『やっぱりブレイバーンは最高!』
と。

そしてネームのままにしているのがもったいない、最後まで描いてこの物語の景色を見てみたいと思い、私はまたゆっくりと漫画を描き始めました。




■描き続けるために心がけていること

11月に入ってから1か月間、少しづつですが漫画を描き進めており、以前の『休日に1日1ページ』のペースを取り戻しつつあります。

そして、漫画をまた投げ出してしまわないために、気を付けていることがあります。


適度に息抜きをする

以前のように『休日をほぼ1日ぜんぶ使って、できるだけ描き進めよう』とはせず『1日1ページ』のペースを心がけてます。

描くことに少し飽きてきたら、料理をしたり、あつ森したり、本を読んだり…と息抜きをするようにしています。

ずっとパソコンにかじりついて描いていた時よりも、適度に気分転換を挟んだ方が集中して描くことができるとわかりました。




ただ描き進めるのではなく、たまには新しいことを取り入れてみる

自分で立てたマイルールですが、描くハードルが下がりタイパ面では良い方法でした。しかし、それだと描くことがただの作業になってしまう。

そのため、何かしらの変化が感じれるように作画作業に新しい事を取り入れてみたりと、工夫をするように意識しました。

■例えば
・Xでバズっていたおすすめブラシを使ってみる
・線の太さ・文字の大きさを調整してみる
・たまには参考資料を用意して、しっかり時間をかけて描いてみる




『描くことがつらい』のは『推しへの愛』が消えたわけじゃない


最近読んだ本にこんなことが書いてありました。

創作にはほぼ必ず「苦痛」が伴います。
多くの創作者にとって、創作というのは、どの楽しさを選んで、どの苦しみに耐えるのか、という取捨選択なのです。

Amazon.co.jp: オタクのたのしい創作論 : カレー沢薫: 本



そもそも、私は『創作は楽しいことだけじゃない』というのを忘れていました。

そして『描くことが楽しくない』から『推しへの愛』が消えた、今のジャンルから気持ちが離れてしまったんだと勘違いして漫画から離れていました。

でも、『描くことのつらさ』というのは、その時に描いているコマの難易度にもよるし、その時の気分や体調によっても感じ方が変わります。
ちょっとつらいと感じても、漫画が完成した時の景色を楽しみに、今描いているんだと思えるようになりました。

***


さいごに

当初想定していたスケジュールから、かなり遅れてしまいましたが、どうにか60ページまで描き続けることができました。
現在は2部のpixivアップに向けて残りのページを作画作業をしたり、3部のネームを描いたりしています。

今回、自分の体験をnoteにまとめた理由は2つありました。

自分と同じように漫画を完成できない人の少しでも役に立てればと思ったことと、

今の自分の状態をいろんな人に知ってもらうことで、最後まで描けるように自分を追い込みたいと思ったからです。

今回、途中経過という形で報告しましたが、漫画が完成したことをこのnoteでまた報告できるよう頑張りたいと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。



よーし!描くぞー!!推しカプ最高ー!!!




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