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2022年の #買ってよかったもの (高齢妊活者は何を買ったのか?)
note運営局から「2022年、皆さんの #買ってよかったものを教えてください。」と言う通知が届いた。
そう、アタシにとって、今年買ってよかったものは、もう断然にアレしかない。
しかし、それを大声で自慢していいのか? 倫理の問題に反すると批判されること間違いなしだろう。
そもそも、去年までは、そんなもの絶対に買わん!と自分ですら思っていたのに・・・
でもアタシは、その購入を絶対に後悔しないであろうし、少なからず現時点では後悔はしていない。その購入したものが、これから自分の一部となり、これからの自分の折り返しの人生で、唯一無二の自分の命より大切になものになるからだ。
一体、何を買ったというのだ?
今年の5月、アタシは、ドナーエッグを購入した。
正確には、卵子提供エージェントと契約を結んだのだ。
6月に譲渡されるはずであったドナーエッグは、問題に問題を重ね、やっと10月に私に譲渡された。
日本では、まだ公にされていない卵子提供ではあるが、
アメリカに住んでいる私が、高齢妊活を始め、不妊治療クリニックに行くと、真っ先に提案されるオプションだった。
人の卵を使ってまで子供なんて欲しくない!
そう頑なに否定し続けていたが、
3年間、自己卵で体外受精を続けてきたが、ミラクルは起きなかった。
48歳の決断。
渡米してから20年、あっという間ではあったが、20年と言う長い時間を自分のためだけに使って来た。
そして、やっとこの土地に、自分の遺伝子を継いだ家族を作りたいと思えた時には、当たり前ではあるが、自分も20年 歳をとり、自分の卵子も20年 歳をとってしまっていたのだ。
妊活が遅れた原因については、パートナーとの出会いが遅かったことや、自分が本当に子供を持つ決意が出来ているのかなどと言う、今思えば、そんな迷っている時間はないと喝を飛ばしたい思いだがw
40過ぎても妊娠できるセレブリティーたちのご懐妊ニュースに、自分も大丈夫だとどこかで思ってしまっていたのであろう。
しかし周りのアメリカ人の友達は、若いうちに自分の卵子を凍結しておいたと言う人が多く、それをして来なかった自分に愕然とした。
日本では全くと言っていいほど不妊の教育などなかったし、卵子凍結や卵子提供の推奨などあり得なかった。
卵子提供に至っては、倫理の問題で法の整備すらされていない日本。
もし、今でも日本にいたら、ドナーエッグを買うなんて決断は出来ていなかったかもしれない。
しかし、初めからドナーエッグを買う!と言う決断したわけではない。
では、なぜ私は、ドナーエッグを買ったのか?
ドナーエッグを買うと言うと、どうにも誤解を与えてしまうので、卵子提供を受けたと口を濁したいが、
今年 #買ってよかったものが「ドナーエッグ」だなんて、驚かれないはずないし、自分でもスゴイ決断だったとは思うが、全ては自然に納得した上で、今年、買ってよかったものとして、声高らかに言わせてもらおう。
しかし、これは、買ってよかったと誰かに勧められるものでもないし、ましてや、それを買って後悔しただなんて絶対にあってはならない代物である。
誰だって、初めから好き好んでドナーエッグを買いたいわけではなく、出来ることなら自分の遺伝子を継いだ子供をさずかりたいと思うものだ!
そう言う私も、自分の年齢は棚に上げ、自分の遺伝子にずっとこだわり続けた!
自己卵で子供が授からなかったら、子供のいない人生でもいいと思っていた。
幸いにも出会ったパートナーは、生涯連れ添ってもいいと思える人に40にして出会えた。
彼となら、子供がいなくても楽しく暮らしていけるだろうが、子供がいたら、苦労が増える分、もっと楽しいんだろうなと・・・
結婚などは気にもせず、ただ楽しく生涯、苦楽を共に出来る相手がいるだけで十分だった。
その彼と出会って4年かかって、彼との子供を持とうと決めた。
(40過ぎて、4年も待つのは、卵子の老化を煽る自殺行為であるw)
ウチらは妊活が先で、結局3年も自己卵での体外受精を続けたが、ミラクルは起きず、本当は子供が出来たら結婚する予定だったが、結局、子供もいないまま、コロナになったので、2020年に質素にコロナ禍結婚した。
高齢妊活者あるあるで、パートナーと出会ったタイミングが遅かったとよく聞く話しだが、
実は、私は生涯のパートナーと、この年齢で出会えて、一緒に子供を持つと決めるのにも4年もかかったことに関しては、パーフェクトタイミングだったと思っている。
20代そこそこで出会った人と、生涯共にする覚悟なんて、サラサラ出来るわけなく、そんな相手と子供を持とうだなんて、あの当時の自分には出来なかった。
まして、20代30代と言う勢いも体力もあり、しかし精神的にはまだ未熟だった自分が、自分を犠牲にして、子育てに全てを捧げるなんて到底無理だった。
まだまだ見たい世界があり過ぎて、子供を育てるビジョンなど1ミリもなかった。
自分の人生を十分に謳歌して、40代を迎えて、
生涯を共にするパートナーと、子供を持つタイミングとしては、自分にとっては今がベストなのだ!
体力やフットワークはずいぶん落ちたが、育児に全身全霊捧げられる!
しかし人間の生殖機能は、自分の都合に合わせてはくれない、
どんなに医療やテクノロジーが発達しようとも、人間のポテンシャルは、それと同じに発達はしない。
女性の生殖のベストタイミングは、27歳前後と言われている。
それぞれ人によってライフプランは違うし、子供を持つタイミングだって違うが、
生殖のタイムリミットだけは、ほぼ同じであろう。
だからこそ、あの若かった時に、卵子凍結をしておけばよかったと、この点においては、人生の後悔である。
しかし過ぎたことを悔やんでも、未来は変わらないので、45歳と言う年齢で体外受精を始めた。
やれることはやって、もう後悔したくなかったのだ!
45歳の妊娠率は5%にも満たないと言われていたのに、
妊娠する確率が45歳でも5%もあるのか!と、かなりポジティブだった。
何度も言うが、ここで体外受精をしなかったら、あの5%で妊娠していたかもしれないのにと言う後悔が残り、もうこれ以上、後悔だけはしたくないと、迷わず体外受精に踏み切った。
自分だけが特別で、その5%で妊娠する自信が95%くらいあったw
その自信はどこから来ていたのか、45歳で5%未満の妊娠確率だと知りながら、必ず妊娠出来るであろうと48歳になる手前まで体外受精を繰り返したが、その5%のミラクルは起きなかった。
しかし後悔は全く残らなかった。
やってみたけど、ダメだったわけだから。
3年間の自己卵での不妊治療は、ご想像通り、大層な金額のお金を費やした。
下手したら、新車が2台ほど変えてしまう金額だ!
気がつけば、もう老後の資金を心配する年齢になっていていると言うのに、
今度は、また新車が二台ほど買えてしまうような金額を卵子提供に費やしている。
自己卵で、納得行くまで体外受精を続けて、なんの後悔もなく、パートナーと2人で楽しい老後を過ごせると、そっちにシフトすると思っていた。
本当に、卵子提供まで受けるなんで、考えてもいなかった!
だって自分の遺伝子を継いだ子供が欲しかったから。
じゃあ、なぜ買った、ドナーエッグ?
信じられないが、自分の卵子で体外受精を繰り返している間に、卵子提供についてもリサーチはしていた。
しかし、全く気乗りはしておらず、なのになぜドナーリストを見ているのか?
正直、はじめは自分の取っている行動が理解出来なかった。
もしかしてこれは、子供が欲しいと言う執着心から来ているのか?とも思った。
45歳からはじめた体外受精、48歳になろうとする頃に、物理的に理解しなくてはいけない現実もあったのだろう。
卵子の老化に加えて、卵胞の激減
45歳でダメだったものが、48歳で大丈夫なんてことあるのか?
ちなみに、40代の遺伝子異常のある受精卵の確率は80%以上と言われている中で、
つまり、10個受精卵ができたとして、妊娠できる正常な胚はたったの2個以下と言うことになる。
当時45歳だった私は、その時点で採卵出来る卵子が2〜3個と言うことなので、正常胚は0.3個、そんな限りなくゼロに近い格率ならば、
20代の卵を使えば、その確率は正常胚率が70%ほどに跳ね上がる。
統計学的に言って、だったら無駄に老いた卵を使わずに、
初めから、成功率の高い卵子提供に臨んでいればよかったと思われるかもしれないが、
あれだけの金額を費やして自己卵ではダメだったと言う現実を味合わないと、次に進めないもので、あの時、自己卵でやっていたら妊娠していたかもと言う厄介な、ありもしない後悔に苦しめられるのである。
だから、この3年体外受精に費やしたお金は、自分の中では、一切無駄にはなっていなかった。
自分の卵子では無理だと、時間とお金をかけて気づきはじめたころ、ちょうど48歳になる誕生日を迎える前に、最後の自己卵での移植を終えて、陰性が出た時、何か全てやり切った感があった。
そして自分の妊活は終わりと思っていたのだが、なんと、すんなりと卵子提供に移行できたのだ。
なぜ、その決断に至ったのかは、しばらく自分でも分からなかったのだが、とにかく、そのまま自分の気持ちにフォローした。
あれだけ自分の遺伝子にこだわっていたのに・・・
実は、実家の親や兄妹、パートナーですら、初めは、そこまでしなくてもいいんじゃないかと言っていた。
確かに物凄い大金もかかるし、
しかし、自分の気持ちはこうだった。
卵子提供受けますっ!
こう言う状況下でも、この決断を下せるのには、ただの意地にしては大したもんである。
妊娠したい強い執念や執着なのかなって思ったんだけど、
あぁ、そうか、アタシは「妊娠」したいんだ!
そして子供に出会いたいんだ!
今までは、「自分の遺伝子を残したい!」そう言う気持ちが強かったが、遺伝子を残したいんじゃない、この胎内に子供が宿ってくれて、その子と出会えることを夢見ていたんだ!
夢見ていたなんて、少女漫画かおとぎ話のように聞こえてしまうが、
絶対に会えると信じている。
今回、#今年買ってよかったもの、と言うお題を出していただけ、自分の気持ちを振り返り客観的に見てとり、思いを文字に残せたことに感謝。
今年買ってよかったものが、ドナーエッグだなんてと思われるかもしれないが、
これ以外、今年買ってよかったものなどない!
いや、我が人生で一番よかったものになるに違いない!
自分の気持ちを1つの文章として残せたことで、これから生まれて来るであろう我が子が、それなりに理解出来る年齢になったら読んでもらえるように、永遠に残して置きたい。
そして、これを読んでくれている未来のMy Babyに伝えたい。
君に会えることを心から楽しみにしている。