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【つれづれ】ゆるキャラおじさんと戦後の復興、そしてこれから

先日行われた、とよぴーさんの勉強会でのお話を思い返していて、新卒で入社した会社の上司のことを思い出しました。

そんな、つれづれ話。

ゆるキャラおじさんの記憶

ネタバレ防止と、ネオチしそうだったのがバレないようにスーパーざっくり書くと、勉強会でとよぴーさんが話題にしてくれたのは、「何をするか」よりも「なぜするか」が大事なんだよ、というお話。

それを聞いていた私は、ある人物を脳裏に想い描いていました。・・・

・・・

・・・

画像をお借りしております。
商用利用の意図はありませんが、不都合でしたらお申し付けください。

そう、それは「熱海温泉ホテル旅館協同組合」のキャラクター妖精の「あつお」・・・

じゃなかった、

かつての私の上司(あつおにソックリ)。


おでこの面積が非常に広範囲の(しかもつやっつや)、
つぶらな瞳の、
妖精のようにチャーミングな方でした。

「ちょちょちょ、」が口癖でした。

確かご出身は神奈川県(あつおの隣県!惜しい!)。

あつおのように可愛らしい方だったにもかかわらず、優秀な営業成績を収めたことから30代で支店の営業部長に。

そこに新入社員としてやってきた、一般常識ゼロの私・・・


大学院志望でもともと就職するつもりが無かったので、就職活動に必要となる基礎知識や常識などといったものを全く身に着けていなかったんです。

英語が出来なさ過ぎて大学院を落ちた私が、たまたま欠員補充のために追加で社員募集していたのを見つけ、運よく就職が決まったのが卒業1か月前の2月・・・

就活は1社しかしていません(汗)

就職の面接と入社式は、ギャル服ブランドのスーツでした(全盛期のセシルマクビー、知ってる?)


そんな常識のない私に、あつお・・・じゃなかった上司は、入社初日にこんな話をしてくれたんです。

レンガを積む棒人間

「街の入口で、レンガを積む3人の人間がいる」

会議室に私を呼び出し、机に向かい合うように座りながら。
あつおがコピー用紙に描いたのは3人の棒人間と四角形(多分、レンガ)。

この絵の10倍ヘタ・・・じゃなかった、味のある絵でした。

ボールペンで描かれた棒人間は、レンガを積もうとしゃがみ込んでいるようにも、「契約の箱」の前で礼拝するモーセのようにも見えます。

そしてあつおは、私へ次の言葉を発しました。

「そこへ、『何をしてるんですか?』と旅人がやってきた。
 一人目は『レンガを積んでいる』と言った」

あつおは、一番右側の棒人間を黄緑の蛍光ペンで塗り始めました。

(緑の人間・・・!)

上司がこれから何を話すのかよりも、棒人間がガチャピンのようになってしまったことが気になって仕方がありません。

「二人目の人間は『教会を作っているんです』と言った」

(次はピンク・・・!)

あつおは何故か、棒人間に蛍光ペンで色をつけたがりました。

「三人目は、何て言ったと思う?」

少し考えたのちに「分かりません」と答えつつも、私は、あつおが筆箱の中のオレンジの蛍光ペンに手を伸ばしているのを見逃しませんでした。

「三人目は・・・」

かっすかすで、どうにも色が出ないオレンジの蛍光ペン。

三人目の棒人間はオレンジ色の霞の向こうでフリーズしているかのようです。

「・・・三人目は、『人々が集まって活気のある街になるように、教会を建てているんです』と言ったんだ」

オレンジを諦めたあつおは、黄色の蛍光ペンで棒人間を丸く囲みました。

あなたがこれから社会人として仕事をしていくなかで、ただ単に作業をするのではなく、『なぜ』『なんのために』という目的意識を忘れてはいけないよ?

「はい、分かりました」

元気よく返事をしながらも、「なぜ、なんのために部長は棒人間を蛍光ペンで塗ったのだろう?」という疑問が私の脳裏をぐるぐると渦巻いていたのでした。・・・


戦後の目的意識、そして現代。

その日に描いてもらった棒人間のイラストは、結局、東日本大震災が起こるまで私の職場の机にありました。

「目的意識」という考え方を忘れないようにするためです。

透明なマットと机の間に挟み込み、会社の席替えがあっても、その後退職して次の職場に移っても、ずっと目につくところに置いておいたのです。


今回、とよぴーさんのお話を思い返していて、あつおにそっくりな上司と、あの時の棒人間の話を思い出しました。

そして。

東日本大震災で机の上が散乱し、PCがマットごとズレて倒れて。

ぐしゃぐしゃの書類たちのなかに、緑の蛍光ペンで塗られたガチャピンのような棒人間の切れ端を見つけ、その緑色だけがやけにキッカリと網膜に焼き付いたのを思い出しました。


また、私はこんなことも考えました。

東日本大震災の復興も、戦後の復興も、
「なぜするか」が人々の心のナカに明確だったから形になった(なりつつある)のではないか、と。

アメリカをはじめとする連合軍に敗れた日本。

「戦争は負けたけど技術では負けない」
「未来の子ども達に美しい日本を遺す」
「成功して家族に美味しいモノを食べさせる」
人それぞれの内容は異なっても、目的意識をもって歯を食いしばって努力してきた私たちのご先祖さまが、今の日本の礎を築いてくれました。

ただ単に「元に戻す」だけだったら、こんなに豊かな国にはならなかったと思います。

東日本大震災でも、「風評被害に負けない」「美しいふるさとを取り戻そう」などといった目的意識のもとに行動してきた結果が徐々に現れてきているのではないかなと思います。
(まだまだ障害はあると思いますが・・・)

そういった大きな目的意識を持って行動している方の姿を拝見すると「自分ってちいせえなあ」と思ってしまいます。

ライティング能力もデザインの技術もまだまだ未熟です。

ですが、自分なりの「なぜするか」を胸に、目の前のご縁ひとつひとつを大切にしてお仕事とも向き合っていきたいなと感じた次第です。

これからの私たちのチャレンジ

今の私たちの仕事って、効率化・省力化が進んで、ヒトが歯車の一部みたいになっているように感じることがあります。

ただ機械的に、決められた時間だけ作業をすればお給料がもらえる仕組みになっている仕事もあります。

そんななかで、いかに「なぜするか」の余地を割り込ませるか。

恵まれすぎる環境だからこそ、歯車の一部として生きる道の他にも、チャレンジして生きる道もあるのかもしれないなと思いました。


以上、つれづれにお付き合いくださりありがとうございました。

追伸

今回、懐かしいエピソードを思い出させてくれた、とよぴーさん、そして大ちゃん先生の勉強会はコチラ▼

そして、あつおはX(旧twitter)を素敵に発信しているようです。
ほんとうに上司にソックリです。(S部長、お元気でしょうか?)
拝見して、熱海の花火大会に久々に行きたくなりました。


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