15年前の夢を思い出させてくれた2ヶ月間の「合宿」
「駅前の空きビルに、社会人学校を作りたい」
それは15年ほど前。
目を輝かせて話す私に決まって返ってきたのは、台本どおりの励ましと、冷めた瞳。
(そんなの無理。だってあなた、ただの勤め人でしょ、)
だからと言って起業する勇気もなく、勤め人をしながら宝くじを買い、当選発表の日に決まって肩を落とした。
当時は、自力でお金を得る以外に夢を叶える方法を知らなかったのだ。
「やめといたほうがいいよ」。
ある日、いつもの大風呂敷を広げた私に、ママ友からいつもと違う声。
「なぜ、」
「だって」
――どうせいつもの「あなたには無理」だろう。
身構えた私に彼女はこう言った「あのビル、地権者が13人いるんだって」。
地権者1人のほうが交渉がラクじゃん、とコーヒーを啜る彼女は、私の夢を否定しない初めての人となった。――
今年の6~7月、ビジネスのゼロイチを突破する勉強会に参加した。
講師たちは、私の「社会人学校を作りたい」という夢を、チーム戦で叶えていた。
羨ましかった。
なぜなら、私には一緒に夢を実現する仲間がいなかったから。
今年の1月まで働いていた長期安定型の職場で私は少し浮いていたし、15年前に私の夢を否定しなかった彼女とは、震災を機に疎遠になっていたから。
そんな私が、2ヶ月間の勉強会でチームに所属することになった。
ゼロイチ突破を目指し、週2回のオンラインミーティング。
お互い進捗報告をし、次のミーティングまでの目標を宣言。
そして、毎日のグループLINEでの報告・相談。
貢献したい!という欲求が執着になりかけたので、勉強会から距離を取った事もあった。
でも、勉強会の仲間は誰もが率直で、真正面から私や他の仲間と向き合ってくれた。
上辺だけのきれいごとを話す人はおらず、その姿に、私は15年前の彼女を思い浮かべた。
私は当初、ライターとしてのビジネスを考えていた。
おかげで今は文字単価高めのwebライターとして活動している。
でも、こうして勉強会の2ヶ月間を振り返り、15年前の出来事を思い出すうちに、あの時の夢を形にしてもいいんじゃないかと思い始めている。
「人を育み、慈しみ、共に育ちたい」
15年前の空きビル。
今はホテルになっている。
時代が変わりオンラインの可能性が拡がる今、私は、ビルを買うのではなくwebでの活動ができないか模索している。
そんな一歩を踏み出せたのも、夏休みの合宿のような2ヶ月間を共に過ごした講師や仲間のおかげなのだ。