ブレットトレイン 感想
序文
ちょっと自分語りをしようと思うのでここは読み飛ばしていただいても問題ないです。
ここいらへんのスタンスは結構人によって変わると思うんですけど、自分って原作ありの作品で原作通りの展開やキャラクターを守ったりする必要って言うのは全くないと思っているんですよね。
というのも、表現媒体によって得意な表現って言うのは当然違うわけで、映画には映画の、漫画には漫画の、小説には小説の良さって言うのが存在するわけじゃないですか。
基本的に優れた作品って言うのはそれぞれの表現の仕方に合わせて作られている以上、例えば漫画の映画化とかは原作そのままにやっている場合、絶対に漫画の面白さを超えないと思っているんです。
もちろん原作が面白ければそれに引っ張られてある程度の質のものにはなったりしますが、やっぱりその表現の仕方での最高の作品を求めるなら何かしら変えざるを得ないと思っていますし、そうするべきだとすら思っているんですよね。
そんな自分にとってブレットトレインは最高の映画化作品でした。
感想
自分は伊坂幸太郎のマリアビートルを読んだことがあり、そして今回の映画を見る前に一回読み返して見に行ったのですが、正直なところ全く別物の作品になってます。
ただ、本当に全く別物ではあるんですけど、ちゃんとマリアビートルを読み込んだうえで拾って欲しい要素を拾い、使われていたギミックを取り込んで全く別の作品でありながらすごいリスペクトに溢れた映画になっているんですよね。
小説では登場人物は全員日本人だった以上キャストもめちゃくちゃに変わっていると言えば変わっているんですけど、不思議とすごい様になってて納得出来るんですよね。
特に檸檬と蜜柑に関しては個人的には最高に合っていると感じました。
もっとも、設定が根幹の部分から変わっているようなキャラクターも存在するのですが、それらのキャラクターも何かしら接点があり原作の読者を喜ばせるような仕掛けも用意されていて、原作を読んでいるからこそのミスリードなどもあり、個人的に登場人物に関しては全く文句が無かったです。
シナリオの展開もある程度踏襲しつつも変えてきて、特に最終盤は大きく変えてきていますが、そこに至るまでに丁寧に伏線を張っていて、ちゃんと一つの作品として魅せてきてくれているので、展開の違いどうこうを気にしないでちゃんと一つの作品として楽しめるようになっているので、それで冷めたりすることなくとても楽しんで最後まで見ることが出来ました。
原作を踏襲していないと嫌だ!という方は楽しめないかもしれないですが、面白さ第一で原作への愛が感じられれば改変はOKという方なら大満足の作品だったと思います。
ここまで原作ありきで語りましたが、原作を知らなくても楽しめると思います。
ニンスレとかに出てきそうなトンチキな日本、私たちの知っている新幹線と全く違う作中の新幹線とツッコミどころは無数にありますが、だからこそ非日常感があり作品の異常な世界観に入り込みやすくなっています。
まあここいらへんは正直自分が外国人の想像するトンチキな日本が大好きというのもありますが、良いですよね、ニンジャ、スシ、ゲイシャ、ハラキリみたいなやつ。
アクションシーンもバチバチに決まっていてかっこいいですし、ド派手でめちゃくちゃ楽しいです。
格闘戦に銃撃戦、刀での一騎打ちに大爆発と贅沢に色々なアクションが詰め込まれていて一回の映画でたくさんのアクションが楽しめます。
本当に最高のエンターテイメント作品になっている映画でした。
後書き
日本作家の小説を原作にアメリカで映画化して、ここまで完璧に面白い作品が出来るのを見れる日が来るとは今まで思ってもいませんでした。
この流れで冲方丁のアクティベイターとかも映画化したらいいなーなんて、まあさすがに無さそうですが夢だけは見ておこうと思います。
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