十数年振りのお年玉。

昨日、ひっさびさに家族でご飯を食べた。

何故久々かと言うと、兄がワーカホリックすぎて中々実家に帰って来ないからだ。

京都と言う比較的近い場所に生息しているにも関わらず、中々帰って来ない。

まあそれに関わらず、私は兄がとてもすきだ。


仕事が終わって、ゴルフで使う鞄を探しているという兄と梅田で合流した。

相変わらずいかつい。

私は半分金髪だし、側から見ればマジでただのヤンキーカップルだ。つらい。

まあそれに関わらず、私は兄がとてもすきだが。


で、何気なく、そして唐突に、私は「財布買ってー」とお願いした。

一緒にコンビニ行って、「アイス買ってー」くらいのノリで。

兄の答えは「ええよ」だった。


いや、そんなことある???そんなことある?????

我、もう34ぞ???

選ぶ財布も数万円、下手したら十数万円ぞ?????

そんなアイスのノリで、0が2個も多い金額出すの?出せるの?????


ほぇーやっぱ経営者は違いますなぁーーと思いつつ、

遠慮のない私は兄とともに、いわゆるハイブランドと呼ばれるお店をいくつか回った。

が。いくら人の金(言い方)と言えど、しっくり来ないものを買うのは気が引ける。

特に、そんなに安価なものでないからこそ納得するものを選びたい。

そしてご存じの通り、デザイナーというイキモノはこだわりが強い(偏見?)。


うわー、どうしよ、これ可愛いけどうわーー、でもこの金具がちょっとなーー、

これも可愛いけど色が、グレーっぽいな、ホワイトがええな・・・

そんな事を考えている内に、母との待ち合わせの時間が迫ってくる。


「どうすんの?買う?」けろっと聞く兄に、

「やめとく・・・でも次いつ帰って来てくれるか分からんもんなぁ・・・(´・_・`)」(あくまで買わせる気の私)

「まぁそんなんいつでも帰って来たるよw」

みたいなやりとりの末、私たちは百貨店を出て駅に向かった。


そしてその途中で、兄が「銀行寄ってええか?」と言い出した。

現金派だったかな?と思いながら、銀行の外で待つ私。

出て来た兄は、私にぽんっと封筒を渡してこう言った。


「はい、お年玉。」


その時の私の顔→😕


お年玉? おとしだま? O・TO・SHI・DA・MA?????

お年玉って何だっけ?なんてうっそ!!!

瞬時に襲ってくる嬉しみパニック!!!!!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

「え、何で!?良いの!?何で!?え!?昨日友達に『お年玉欲しいわ〜』って言ってたの聞いてたの!?」

ほんとに、この歳になってからのお年玉がこんなに嬉しいとは思わなかった。

額がどうとかそういう話じゃなくて、何だろ、純粋に。

子供の頃のワクワクが、一気に蘇ってきた、みたいな。


「まぁさっきは帰って来るって言ったけど言うて時間もないやろし、好きなもん買い。」

世界で一番優しい兄は私にこう言ってくれた。

せっかくだし母と分けようかなと言うと、これはお前の分やから気にすんな、と言ってくれた。

嬉しい。とても嬉しい。


でもその時、きっと財布は買わないな、と思った。

兄はデザイナーとしての私を、とても誇りに思ってくれている。

「このお店のこれとこれデザインしたよー!」とLINEで報告すると、必ずお店に行ってくれる。

私が作るものや撮った写真を褒めてくれる。

多分、世界で一番の私の味方だ。

そんな兄に貰ったお年玉を、私の物欲の餌食にするわけにはいかない。

これは私が、デザイナーとして能力を伸ばすために使うんだ。


急にそんな風に思った、新年すぐの夜。

封筒は、大事に大事にお部屋の宝箱に仕舞い込んだ。


ま、明日には財布買ってるかもしらんけど。😈

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