関西学院大学の学生がインフォバーンにやってきた!
※ 2018年9月にCHANNEL IBに掲載されたイベント実施レポート(新卒採用担当田汲さんのポスト)を再編集して、再録します。関西学院大学・鈴木ゼミの学生24名のみなさんが来てくださった企業訪問のレポートです。
関学といえば、学生時代に心理学部の友人の実験を手伝って、三田キャンパスの三田屋でごちそうになった記憶…さておき
デザインとは、デザインシンキングとは
「イノベーションとはそもそも何なのか?」、「イノベーションを起こすためにはどう考えたらよいのか?」など漠としたテーマからセッションはスタートしました。
イノベーションとは「今までにないあたらしい技術をつかったナニか」とは限らない(むしろそうじゃない)、ということをお伝えしたいと思い、ひとつ問いかけをしてみました。
「キッチンのイノベーションってなんやろう?どんなことやろう?」
たとえばこういうこと?
もちろんコレもきっと”イノベーション”を形作る大事なピース(シーン)でしょう。未来感もある。では、未来では誰も料理をしてないのでしょうか?
スマートフォンの登場によって、家にある電話を「固定電話」、スマートフォンじゃない携帯電話を「ガラケー」と名前が変わってしまった(ちなみにこういうことを”レトロニウム”という)ように、未来において人が使うキッチンは「人が調理する台所」とあえて呼ぶような、“ほぼ人間がいない場所”になっているのでしょうか?
未来のキッチンってなんだろう?
もしかするとそうなっているのかもしれない。
でも、デリバリーが発達し、クラウドキッチンが普及すると、いっそ各家庭には「キッチン」が不要になっているかもしれない。マンションの共用施設のひとつになってしまっているのかもしれない。
そこで、「未来のキッチン」に関するアイデアを、学生のみんなと膨らませました。
「お母さんの味を再現できるようなキッチン」
「ジュースが出てくる蛇口がある」
「レトルトやコンビニ飯に特化したキッチン」
など、個性あふれるアイデアが次々と出てきます。
デザイン思考の実例としてKITchen.を紹介
そこで、IDLのエンジニアによるKITchen.の紹介をしました。
KITchen.は「食」というテーマを軸に、「生産/流通/料理/食事」それぞれのプロセスにおける課題の発見と解決を図るためのIDLの共創プロジェクトです。
「未来の料理体験」をテーマに、情報インタフェースと新しい体験デザインについて研究開発を進めていて、今回は学生さんたちにその一部を体験してもらいました。(KITchen.の詳細はこちら)
パンケーキを作ってみよう!
百聞は一見にしかず。KITchen.のプロトタイプを使って体感的に検証をしました。
ここでは各種センサーと独自に開発した料理用ビジュアル言語を用いたインターフェイスにより、初めての料理でも、誰もがスムーズに楽しく作ることができます。実際にパンケーキを作ってみると、学生の皆さんから大きな歓声があがりました。
(ほかにさらには木継フェローによるデザインセッションも開催!)
「デザイン」とは
学生の皆さんに実施したアンケートでは
「モノをデザインするだけでなく、社会や人の行動をデザインするという話がすごく面白かったです」
「デザインとはどういうものかについて絵を描くだけではなくて暮らしもデザインできるということを教えて頂けて、視野が広がりました」
など、学生のみなさんのなかにある「デザイン」の概念が少し広がったようです。
実践者として修行の身であり、日々格闘している分際ではありますが、学生のみなさんに「イノベーション」や「デザイン」についてお話しをするのは、自分自身の思考の整理にもなって、私自身もすごく勉強になりました。
ファーストペンギン
セッションの最後に「ファーストペンギン」の話をさせていただきました。最初に飛び込むヤツだけがクールなんじゃない。(そもそも後ろから押されて飛び込まされているという噂もある)適材適所それぞれに役割と仕事があるのだと思います。
採用活動の面接でやたらと「あなた誰?」って訊かれるので”自分探し”をするのは悪くないと思いますが、いろんな自分があるわけで、どれも本当の自分なんだろうと思います。
自分をひとつに無理に集約することなく、あらゆるパーソナリティを適時出していくような(デジタルでもフィジカルでも)そんな世界になっていっていると感じます。
そんな世界では、デザインの及ぶ範囲と責任はますます大きく広く、そして重くなっているのだと自戒し、修行を重ねる毎日です。