生地の森・レーヨン綿サテンのイージーハーフパンツ【縫う】
「フツーに使える服」というのは案外少ない。朝起きてパジャマから着替える服。近所のスーパーやジムに行く時に着て行く服。いわゆるワンマイルウェア。気楽に着られる服。かと言って妥協して、なんとなくテキトーな服を買いたくはない。適当な服を着たい。それはファッショナブルでなくてもいい。生活に寄り添った服。何より、それでいて、好きになれる服。
そんな服は探してもなかなか見つからないものだ。
ならば、作ってしまえばいい。というわけで、久々に作った。型紙は予め用紙しておいた。トワルも縫っておいた。
そして、注文していた生地が今日届いたので、早速縫った。ちなみに、ジムはやめた。今は家でプランクをしている。
これから暑くなるし、ハーフパンツ。これまでは短パンというのはあまり着てこなかった。子供ぽくなる感じがしたから。まあこれはワンマイルウェアだし。東京の夏は暑いし。トップスには長袖のリネンシャツなんかを合わせたい。ハーフパンツには長袖がいい感じがする。袖は捲って。
生地は「生地の森」で購入。リネンのラインナップが豊富な生地屋のようだが、今回はレーヨン綿。光沢感があり、カジュアルなアイテムとのバランスが取れると思った。色はシルバーグレー。少し緑がかった感じもする。明るくて軽やかだ。
ちなみにリネンも買った。それはまた今度。
パターンは文化出版局の「シルエットのきれいなメンズパンツ」(杉本善英 著)、その中の「イージーテーパードショーツ」を元に型紙を調整した。元々ウエストベルトと見頃は別々だったが、見頃の上辺を上にウエスト分延長することで、三つ折りでウエストを作れるようにした。テーパードは緩やかにしたかったので、見頃の脇線は直線的にした。…こう書くと原型を留めていない気もするが。まあ、自分でパターンを引くことができないので、またぐり部分のような計算が必要なカーブの部分はそのまま拝借した。
今回の裏テーマは縫い代の処理。テープなどを一切使わず、縫い代を全部隠すこと。考えられる方法としては、折伏せ縫いか、袋縫い。ただ、またぐり部分の折伏せ縫いの手順と、型紙の縫い代部分の調整がいまいちイメージが湧かなかった。袋縫にしても、ステッチを入れて補強もしたい。…ということで、今回選択したのは、「袋縫いをしつつ、袋部分を片側に倒してダブルステッチ」。とても骨の折れる作業だった。一部分を縫い切るのに、4回縫う必要がある。
私は折伏せ縫い処理をされた服が大好きだ。ギャルソンオムのスラックスなんてたまらない。でもいざ自分で作るとなると大変だ。出来上がり線を縫う時に縫い代の差の分ずらさないといけないし、テクニックが必要だ。その点、今回採用した方法は、手間は増えるが、縫いやすさを得ることができるし、全ての縫い代を隠した服は、裏返しても美しい。まあ、かなり大変だったが。
私は家庭用ミシンしか持っていない。それでもある程度の強度を保ちたい。
かくして、一切の縫い代を隠されたパンツが完成した。
しっかりした厚みがありながら、見た目は軽やかで触りごごちも良い。シルエットもいい感じだと思う。夏にかけてたくさん履いていこうと思う。これはフツーに使える服と言えるだろう。
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