Chana Company のまろやかハンガー【着る】

　ハンガーだって【着る】ものだ！

　ごく個人的な話をすると、私はなで肩で、昔は丸首のTシャツを着ることに抵抗があった。首周りをカバーする布がないので、体型が際立ってしまう気がしたから。そんなわけもあって、昔からシャツを着ることが多く（襟があるとなで肩があまり気にならない感じがする）、その流れなのかは分からないけれど服のジャンルの中ではシャツが一番好きでもあった。ファッションに目覚める前からそうだったので、現在に至るまでその考えは維持されていて、今でも「好きな服は？」と言われたらやはり「シャツです。」ということになるのかもしれない。

　でも年がら年中シャツばかり着ているわけではなくて、もちろんTシャツやスウェットも着ることはもちろんある。
　そして今となってはなで肩を気にすることはなくなったし（むしろ自然と”抜け感”が出るような気がして勝手にお得感を感じてもいる。）、今ではカットソーの類を着ることに抵抗は全くない。それに一枚でなくても冬にはシャツの上にニットを被ったりもする。なくてはならない種類の服としての地位を獲得している。

　そんなカットソーたちの取り扱いで気になってしまうのが「洗濯後の干し方」。Tシャツはまだしもニットともなると、洗濯した後にどう干すか？　ということが問題になってくる。そう、あのハンガー跡問題が。ハンガーの肩幅とトップスの肩幅（つまり、肩ぐりの位置）が同じくらいならいいのだが、両者に差があると変な位置にハンガーの跡がぽこっと出てしまう。それだといなたい。どんなに意味が込められた服であっても、服は最終的には「物」なのだから、丁寧な保管がモノを言う。ファッションは洗濯から始まっているのだ。「平干しすればいいのでは？」いや、吊るして水分の重みでシワを伸ばしたいんだ。同時に跡もつけたくない。この二律背反。

　その肩ポコを解消するためによく話題に出るのはアーチ型のハンガー。よくある三角形のものではなく、大きくカーブしている。特徴的な形。それは半円に近い。その曲線にトップスが沿うので緩やかに袖が落ち、跡がつきづらいという。なるほど、これなら問題を解決できそうだ。
　だが、一点気になったのは、それらのハンガーが軒並み「細い」ということ。細いということは圧力がかかるということで、結局はハンガーの跡がついてしまうのでは？　と思っていた。どうなんだろう？　試してみたいけど、無駄にもしたくない。そうだ、そこに厚みがあればいいのではないか？　アーチ型ハンガーで、なおかつ厚みがあれば。そんなもの、ないかなあ。

　あった。名を「まろやかハンガー」という。

丸くて、厚い。これがまろやか。

　販売している Chana Company という会社はハンガーの商社らしい。服屋にハンガーを卸しているのだろう。業界では周知なのかもしれない。B to B だけでなく、一般向けにも販売している。で、購入。5本セットで7,000円くらいだった気がする。カラバリもあるが、このオレンジだけ少し安かった気がする。というか、他の色は売り切れていたような。というわけでオレンジ。オレンジとは言えども、くすみカラーで落ち着いている。質感はマットでサラサラしている。あと、フックの部分もマット感じがあるので、全体として一体感がある。

肩をいためない まろやかハンガー - 株式会社チャナカンパニー（CHANA COMPANY）

我が家のカットソーたち（一部）。

　使用感。アーチ型でなおかつ厚みがあるためか、跡は気にならない。私個人の感覚では「全く」と言ってもいいかもしれない。これまでは「カットソーだろうが専用のハンガーなんて使わずに、シャツと同じハンガーでバサっと干すのが粋ってもんよ！」とか思わないでもなかったが（ちょっとね、ちょっとだけ）、でもやっぱり服をいざ着てみると肩ポコは気になるもので、解消できるものなら解消したいもののうちの一つであった。このハンガーは今やそれを解決してくれているように思える。洗濯し、乾いたカットソーを羽織る。今まで肩に見えていた突起部分は見当たらない。これには大変満足した。月並みな表現で、「良い買い物」である。
　そして色合いもいい感じ。落ち着いたマットなオレンジカラーは洗濯という”労働”（しかし好きな労働でもある）を楽しくしてくれる。「これは、跡つかないわ」とワクワクしながら干せる。

オーバーサイズだって。

ラグランだって。

タイトなやつ（手前）だって、がっしりしたやつ（真ん中）だって、アルパカのニット（奥）だって。

　他の多くのアーチ型ハンガーのような滑り止め機能はないので、干し続けていると襟ぐりが伸びるのでは？　という懸念もあるが、乾いたら畳んでしまうので問題はない。

そしてハンガーは次の服を待つ…

　服好きにとって洗濯やハンギングは重要な要素の一つで、こだわりのある人も多いのでは。平置き派も多いものと思うが、私としては服をピシッと整えてから干したい派なので、ハンガーが欠かせない。スラックスにはスラックス用の、シャツにはシャツ用のハンガー、と使い分けている。保管面で言えば、ジャケットはジャケット用ハンガーに掛けている。
　ただ、カットソー類だけは最適解が見つけられずにいた（肩ポコを諦めたり、平干しを試したりしていた）のだが、この度良いハンガーに巡り会えたように思う。長く付き合っていきたいハンガー。こんなんなんぼあってもいいですからね。色違いも欲しい。