理想の本屋空間を考えてみた|独立日記 本屋への道 023
2025.1.4(土)
どんな本屋の空間がいいのか、具体的に考えるのは楽しい。
まず現時点で、思いつくままに希望条件をあげていく。引越しの時の経験から、希望はたくさん出て来てしまうが、譲歩できる部分も考えておくと検討しやすくなったので、希望と譲歩を。まず指針を立ててから、実際に物件を見たときに擦り合わせていくことになると思う。
【希望する条件】
1.住める
2.家賃10万円以内
3.面積25~50m²
4.都内のそこそこアクセスしやすい駅
【譲れる条件】
1.路面じゃなくていい
2.築年古くていい
3.場合によっては定期借地でもいい
4.住環境として良くなくていい
まず、本屋に住めること、もしくは自宅の一部を本屋に改装できること。条件を考えたときに、一番大きく変わるのは住居を兼ねるかどうかだと思った。
シンプルに家賃が2か所はきついと思っただけなのだが、家と店舗の家賃が計10万円以内ならすぐにでも引っ越したくなる。それがたとえば15万円以上になると、他の稼ぎ口を育ててからになるので2~3年はかかってしまうだろう。
もし単独で店を構えるなら、同時に家も安いところに引っ越さなければならない。家賃はそれぞれ5万。本棚と事務所機能を店舗が兼ねるなら、家は寝るだけの激狭でもいいからそれなら探せそう。近くに同時に2物件探すのが難しいかもしれないけど。
継続して本屋を成り立たせるため家賃を基準にして考えると、現実的には12~13万円ぐらい、2年後ぐらいが目安になるかと思う。
『夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books』に住居兼店舗の開業ヒストリーが載っていたので参考になった。ただ賃貸ではなく一軒家を購入して自宅を改装するパターンだったので、私の場合そのままは当てはまらなかったが、家族で家を購入して自宅で本屋さんをやりたい方にはぴったりだと思う。開業費用も公開されているので、試算する時の目安にたいへん役立ちました。
住居兼店舗だと、周りも住居が多い場合は近隣トラブルなどがあった場合、職も家も同時に失うことになるのがリスクかなぁ。店舗としていい立地と、住み心地のいい立地は違うしなぁ。迷い。まぁでも物件ありきだろう。探してみないとわからない。
広さはどうだろう。店舗部分の広さに関しては、イベントや読書会など人が集まる会をやりたいので、狭すぎると難しい。今住んでいる家が全体で27.47m²あり、17m²の1R部分に本棚や机を置いている。今の本棚の感じだと
25m²ぐらいあるといい感じ。
約50m²のお店で20~30人規模のトークイベントができると聞いたことがある。半分の面積だと10~15人ぐらいか。いいじゃん!理想は毎週土曜にイベントをやりたい。箱が大きすぎても集客できずに持て余すと思うので、そのぐらいがいいな。
売り場面積が広すぎるとしんどそう。蔵書数も多くライブハウスの側面もある大箱〈B&B〉は、コロナ禍もあって大変だったと内沼さんがインタビューで語っていた。事業規模を大きくすると「本屋という商売」にせざる負えないので「本屋として生きる」ことができなくなりそう。それは嫌だ。
では実際の店舗でいい感じの広さはどのぐらいかと考えてみると〈本の店&company〉さんが21m²。即売会のブースに来たような雰囲気だった。このぐらいの規模だと店主との距離感もあって買うモードにもなるかな。お客さんと話しやすいかも。本好きの友達の家にお邪魔している感じのアットホームさがよかった。イベント考えるともう少しプラスして25~30m²が理想かなぁ。そこにプラスして10m²あれば住めるのでは。
インテリアと空間が良かったのは〈本屋 Plateau Books〉さん。古いビルの2階に、アンティークっぽい什器が馴染んでいた。調べてみたら、建築会社が母体だった。だからかっこいい内装に目が留まったのだ。納得。
心地のよさを体で感じた。居心地よく過ごせるための設計がすごいんだろうなぁきっと。1970年代から使われていた精肉店をリノベーションしているそうだ。什器も古道具っぽくて和んだ。
什器の手作り派といえばフリーランス書店員の久禮亮太さんが、初めて自分のお店としてオープンした〈フラヌール書店〉を思い出す。手作りの棚も見たいし、今度遊びに行こう。
墨田区にある〈YATO〉も店内かっこいいと思ったら、手作り派だそうだ。
上野にある〈ROUTE BOOKS〉で修業していたそうで、そこで家具リペアなどされている〈YUKUIDO〉のワークショップ経験を経て自分で手作りしたみたい。これ行ってみたいなぁ。すんごい不器用でもできるかなぁ……。
考えていたら楽しくなってしまった。什器とか照明とか、内装も観察してみよう。
いかに身の丈でやるか。商売の軸足をどこに置くか。その2つがポイントになりそう。あとは生命力、体力で乗り切る作戦。