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スタートアップ起業に「現地体験」業界を選んだ3つの理由【バーティカルSaaS立ち上げの裏話】


現地体験向けのバーティカルSaaS「Nutmeg」を運営

初めまして、NutmegでCEOをしている中口と申します。2018年にスタートアップを起業してから2022年で早4年が経ち、苦しかったコロナ禍を乗り越えて順調に成長の軌道に乗ることができています。

<Nutmegの概要はこちら>

様々な方々に会う機会が増えたのですが、よく聞かれる事として「なぜ現地体験業界」を選んだの?という質問でした。

観光業界のマーケットだけ見てもホテルや航空の方がTAM大きいですし、日常的な分野でいけばフィットネスやウェルネスなどが比較対象に上げられます。現地体験業界は日本マーケットだけ見てもTAMは約1.4兆円と小さくないのですが、認知度が低いのも理由の1つと言えるでしょう。

もちろんこれだけが理由ではありませんので、どういった理由があるのか詳しくお伝えしたいと思いnoteの初記事を書かせていただきます。

この記事ではバーティカルSaaSとして立ち上げたNutmegは、なぜ現地体験業界を選んだのか当時の背景やマーケットの状況と合わせてお伝えします。

Nutmegに興味を持っていただいた方、バーティカルSaaSに興味がある方、観光業界に興味がある方に少しでも参考になれば嬉しいです!


スタートアップ起業に「現地体験」を選んだ理由

石垣島でダイビング

業界向けのバーティカルSaaSを起業

私自身は元々起業してスタートアップをしたいと思っていましたが、起業にあたっては特定業界の課題解決にフォーカスした「バーティカルSaaS」が良いと直感的に感じていました。

世の中には様々なSaaSが溢れていますが、バーティカルSaaSには様々な魅力が詰まっています。例えばバーティカルSaaSの性質としてよく言われるのが、SaaS導入企業の本質的な経営課題を解決することができるという部分です。※なぜ本質的な経営課題を解決できるのは、別の記事でご紹介予定。

私自身は前職の大手予約サイトで各事業者と触れ合い、彼らのビジネスを本質的に課題解決したいと思ったのがこの業界でバーティカルSaaSを選んだ決め手になりました。

現地体験業界って何?

現地体験と聞いてすぐに分かる方はいるでしょうか?実は定義が難しい業界でもあります。航空やホテルは比較的定義しやすいのですが、あえて言うなら飛行機や宿泊以外の観光に関する体験と言うことができます。

以下が現地体験に該当する業種の例です。これを見ると、そう言うことか!と感じられる方も多いと思います。

  • ツアー

  • アクティビティ

  • 観光施設

  • 交通手段

  • レストラン、スパなど

一般的にはツアー&アクティビティ(Tours&Activities)などと言われたりしますが、私はこれよりももっと広い概念として捉えています。

この業界を選んだ3つの理由

ではバーティカルSaaSの起業として、なぜ現地体験業界を選んだのか?その答えは3つの理由に集約されています。

  • 理由1:観光業界の中で最も面白い業界だった

  • 理由2:デジタル化が遅れており伸び代しかなかった

  • 理由3:バーティカルSaaSとしてNo1になれるポテンシャルが高かった

以下にそれぞれどのような背景があったのか、なぜ惹かれたのかを詳しくご紹介していきますので、気になる部分を中心に見てください。


理由1:観光業界の中で最も面白い!

WAWと言えるのが現地体験の面白さ

私自身が何より惹かれたのは、現地体験の面白さです。この「楽しい」の上に成り立っている業界であれば、どんなに辛いことがあっても乗り越えられると決心できました。詳しく見ていきましょう。

現地体験こそが本質的な旅の価値

私自身は旅行が大好きで様々な国や都市を巡っていたのですが、感動したり思い出に残るのは現地で見た風景や感じた新しい体験、童心に返ったように楽しんだアクティビティです。

乗った飛行機や泊まったホテルが思い出に残っていることはほどんどありません。つまり、旅の本質的な価値は現地体験に詰まっていると考えています。中にはホテルに泊まりたくて旅をする、特定の飛行機に乗りたくて旅をするという方もいるとは思いますが、多くの方々は現地で楽しい体験をするために旅をする方がメジャーなはずです。

この最高に面白い業界で価値を発揮をすることこそ、スタートアップで起業して世界をよくするという想いに繋がると感じています。

様々な業種がひしめき合っていて面白い

現地体験には数多くの業種や産業が詰まっているのが特徴の1つです。悪く言えばロングテールなのですが、まるで動物園のように多種多様なビジネスがあることが楽しさの根源だと考えています。

例えばダイビングを行なっている事業者さんと、観光施設を運営している事業者さんは一見全く違うビジネスに見えます。現場で起きるオペレーションは違いますし、ビジネスを成り立たせるロジックが違うのは当たり前です。

しかし、旅行者から見た本質的な価値はどちらも同じで、旅をより楽しくするための面白さを求めに来ています。この面白さをサポートできるSaaSを、多種多様な業種・産業に同時に提供することはとてもやりがいがあることだと感じています。丸で個性豊かな動物園を1つのテーマパークとして成り立たせるような面白さと言えるでしょう。

エンターテイナー達がいる世界

もう1つ現地体験事業者の方々の特徴でお伝えしたいのが、ツアーやアクティビティなどの現地体験を提供しているオーナーさん、ガイドさん、スタッフさんは例外なくエンターテイナーということです!

人をもてなす」という素晴らしい仕事をしているのはとても尊敬できることで、私自身にはなかなかできないことでした。日々辛いことがありながらも笑顔で接客して楽しませると言うことは、本当にすごいことだと思います。

この素晴らしいエンターテイナー達のビジネスを支えるSaaSができれば、間接的にはエンターテイメントの一翼を担っていると感じられる点が大きな魅力です。

現地体験業界は複雑ではありますが、その分面白さが詰まっているのがこの業界を良くしたいという想いに繋がっています。同感していただける方は、是非一緒に業界を良くしましょう!


理由2:デジタル化が遅れており伸び代しかない!

ロケットのように加速できる業界

現地体験の面白さは伝わったと思いますが、実際にマーケットの特性がどのようになっているのかも簡単にお伝えします。観光業界の中では遅れているのですが、その分やれることが盛り沢山なのが楽しさの秘訣と言えます。詳しく見ていきましょう!

現地体験はわずか24%のオンライン予約

旅行業界の平均的なオンライン予約率は41%(2018年の実績)ですが、内訳を見ると航空券が57%と牽引しているのが事実です。

現地体験はというと、なんとたった24%しかオンラインで予約されていないという事態。この24%は、大手の予約サイトやOTAを含めた数値なので、いかに低いかが分かるかと思います。

ホテルの約44%と比べても約2倍ほどの差が開いており、デジタル化の余地がかなり大きい分野と言えるのではないでしょうか。

予約のリードタイムが関連しているのが理由

なぜこんなにオンライン予約比率が低いのかというと、予約リードタイムが大きく関係しています。(リードタイム = 予約日から参加日までの差分)

航空券やホテルは旅の計画時に必ずと言って良いほど事前予約されますが、現地体験は前日・当日などのギリギリで予約されることも珍しくありません

そのため以下のような状況では、なかなかオンライン予約・購入が普及しずらい状況と言えます。

  • 現地の窓口で直接買う

  • 当日の天気を見てお店に行く

  • 予約サイトには掲載されておらず、お店に電話するしかない

今後は伸び代しかない業界が魅力的

一方で前日や当日に予約しようとすると、旅行者から見ると非常に大きなペイン(苦痛)が存在しているのです。

  • 大手の予約サイトでは当日予約できない(手仕舞いを過ぎている)

  • 事業者のサイトではオンライン予約できない(フォームしかない)

  • しょうがないから電話するけど繋がらない(電話番号も発見しづらい)

  • お店に行ってもスタッフが出てこない、実は満席だった!などなど

逆に考えれば、このペインを上手く解決することで短い予約のリードタイム(前日・当日)だとしても、十分にオンライン化できる余地があります。この辺りの課題解決については別の記事で触れたいと思いますので、今後の記事を楽しみにしていてください。

デジタル化が遅れている業界だからこそ、まだまだ伸びる余地が存在するのが大きな魅力だと私は感じています。もちろん解決すべき課題はありますが、やりがいに繋がる部分だと思いませんか?だって、オンライン比率が倍になるだけで狙えるマーケットが倍になるなんて、他にありませんよね。少しでも興味を感じるのであれば、是非一緒に課題を解決しましょう!


理由3:業界No1になれるポテンシャルが高い!

No1を狙えるマーケット

面白くて伸び代しかないマーケットだということが伝わったと思いますが、マーケットにおける競合状況はどうなのかと疑問に思う方も多いはずです。

結論から言うとNo1になれるポテンシャルが非常に高い魅力的な業界になっていますので、その理由をお伝えしたいと思います。

現地体験のSaaS市場とは?

ホテル業界では多くのSaaSが先行して出ていますが、現地体験業界のSaaSという意味では初めて予約サービスが出たのが2012年や2013年からでした。

最初はアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアの各地で同時多発的に似たようなSaaSが起業され、事業者のサイトでオンライン予約ができるサービスが普及していきます。それから約10年経った今は、当時に起業したSaaSがシェアを広げています。とは行っても、オンライン比率が24%なので普及もまだまだ。将来的な拡大の可能性は倍以上眠っているのです。

また、先行したSaaS企業がBooking.comやTrip advisorなどの大手企業に買収されているのも、この市場のポテンシャルに期待がかかっている証拠と言えます。

業務効率化を行う予約システムSaaSがメジャー

現在世界で普及をしているSaaSは、事業者の業務効率化を行ういわゆる「予約システム」がメジャーです。ここで言う予約システムの特徴は以下の通り。

  • プランごとに在庫管理ができる

  • 自社のHPに予約ボタンを設置し、オンライン予約ができる

  • オンライン決済ができる

  • 入ってきた予約管理ができる

  • 必要な帳票を出力できる

これだけ見るとEC業界のShopifyや、レストラン業界のToastなどと比較するとProductの機能として物足りないと感じる方もいるでしょう。私もその一人です。世界では各業界のバーティカルSaaSが進化しているのに、現地体験業界は10年前のソリューションが流行っているという状況。

紙やエクセルから脱却という意味では十分なように聞こえますが、これだけでは事業者の本質的な経営課題が解決できているとは言えません。他業界からのタイムマシン経営と考えるのであれば、同等の機能を持ったSaaSだけでは次の10年は戦えないのは明確だと感じています。

地域ごとの広がりはあるが、グローバルレベルの普及はない

上記を表す状況の1つとして、ProductとしてのSaaSで見ると各社が差別化ができていないのが実情です。上記のような予約システムを持っている会社はグローバルで見ても数十社あるのですが、「機能単位という意味ではほぼ変わらない」と言っても過言ではありません。※どのような例があるか知りたい方は、気軽にお問い合わせください。

そのためかSaaS各社とも特定の地域(アメリカ・オーストラリア・ヨーロッパなど)では一定の広がりを見せているものの、shopifyやtoastのようなバーティカルSaaSとしてグローバルを制覇するところは全く出てきていないのです。

つまり、今からでもグローバルレベルのSaaSになれるポテンシャルがあるということです!!まさにこの部分が私やNutmegが可能性を感じている部分で、グローバルで通用するようなProductを作れば本気で世界で戦えると信じています。

続きは長くなるので、別記事の「Day1からグローバル思考」にてご紹介予定です。続きを楽しみにしていてください。

世界のトレンドを見れば、バーティカルSaaSのProductのリッチ化が流行っています。現地体験業界は今からでも十分にNo1(グローバル・国内ともに)を狙えるポテンシャルがあるのは、SaaSを提供するスタートアップとしては本当に大きな魅力だと言えます。大きなことにチャレンジしたい方は、是非一緒にNo1を狙いましょう!


まとめ

現地体験業界は楽しさしかない

現地体験とは一体何なのか!?なぜ選んだのか?と思われた疑問は無事に解消できたでしょうか。

面白い・伸び代しかない・No1になれるポテンシャルが高いという点だけみても、とても魅力的な業界に感じていただければ嬉しいです。

旅を楽しくするエンターテイナー達を支援してサポートできるSaaSだからこそ、非常にやりがいのあるサービスを創っていると感じています。

もし興味が出た方がいたら、より詳しい情報含めて一度カジュアルにお話しさせてください。Nutmegでは絶賛採用中ですので、下記から当社の概要などをご覧ください。

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