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The Beatles 全曲解説 Vol.69 〜What You’re Doing

ドラムソロと12弦の楽しいハーモニー “What You’re Doing”

『Beatles For Sale』13曲目(B面6曲目)。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

本アルバム中でも、筆者お気に入りの曲の一つです。
ビートルズ全カタログの中でも、非常に珍しいリンゴのドラムソロから始まります。

後に発表されていく曲を聴いても、リンゴのドラムが前に出過ぎるような曲は見当たりません。
ここは彼にもこだわりがあったようで、「ドラムは曲のサポートをするもの」という主義が徹底されていました。

それでも、求められればしっかり魅せるというのはさすがです。
ドラムのリフだけで、この曲だ!という親しみが湧いてきます。

その明るい調子のドラムに重なって響くのは、ジョージの12弦ギター。
この双璧が、この曲の個性を唯一無二のものにしていますね。

歌詞は、気持ちの読めない女性を前に狼狽する男の姿を歌ったもの。
本アルバムでは、作者を問わず女性に打ちのめされる男の心情を歌った曲が非常に多いですが、予想以上の成功に戸惑うジョンとポールの心のざわめきも見え隠れしています。

とはいえ、ボブ・ディランからの影響がもろに出始めたジョンに比べ、ポールの方はもう少し独自のスタイルを追求しているように見えますね。
その一つの形が、次回作『Help!』で結実することにはなるのですが…

ところで、この曲では可愛らしいハプニングが起こっているのがわかります。
それは、3番の「You’ve got me crying, girl」の「You’ve」のコーラス部分。
誰かわかりませんが、「You’ve」の上に「And」と思いっきし歌詞を間違えている者がいます(笑)。

完璧主義のポールがこれを見逃すはずがないのですが、何故か修正されないまま収録されています。

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