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The Beatles 全曲解説 Vol.55 〜I Feel Fine

「プレーヤーが壊れた⁈」後追い世代も焦った “I Feel Fine”

シングル『I Feel Fine』A面。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

アルバム『A Hard Day’s Night』を完成させたビートルズは、すぐさま再び多忙なツアーの日々に乗り出すことになります。
そんな鬼の日々の合間に作り出されたのがこのシングルでした。

ところが、忙しいからといって凡庸な曲で仕事を済ませたくないのが、我らがビートルズ!
新曲も遊び心たっぷり、ファンの耳をまたも驚かせることになります!

出だしの強烈な「ギョーーーーン」という音。
当時のファンは「プレーヤーが壊れたんか⁈」と大いに焦ったことでしょう。
CD世代の筆者も、この曲に出会った幼少期、めちゃくちゃ焦りました(笑)。

有名な話ですが、この音は「フィードバック奏法」という方法で出された音で、のちにジミ・ヘンドリクスなどの著名なギタリストによって多用されることになる奏法です。

フィードバックとは簡単に言うと、「ハウリングによって音のループを作る」方法で、ジョンはレコーディング中の偶然から、この音を取り入れることにしたのだとか。
詳しくは、瀧澤克成さんのこちらの動画をご覧になってみてください。

フィードバック音をイントロに取り入れることに成功したジョンは大層喜び、「オレらが初めてフィードバックをレコードに収めたんだぜ!」と、自慢げに触れ回っています。

公式で発表されているライブ音源にも、フィードバックに挑戦しているバージョンが複数見受けられます。
よほど気に入っていたんでしょうね!

フィードバック後の印象的なギターリフもジョンの考案によるもので、ジョン色が非常に強い作品となっています。
一方で、ライドシンバルが印象的なドラムのフレーズは、レイ・チャールズの説明不要の名曲 “What I’d Say” から引用しているもので、曲のイメージをバッチリ決めるリンゴの力量も堪能できます。

そして、楽しげなPVもとても良いですね!
リンゴはなぜチャリなのでしょうか…笑

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