The Beatles 全曲解説 Vol.60 〜Rock And Roll Music
ロック愛炸裂!1発録りで決めた “Rock And Roll Music”
『Beatles For Sale』4曲目。
ジョンがリードボーカルを務めるカバー曲です。
オリジナルは、ジョンの憧れチャック・ベリーが1957年に発表したナンバーです。
うねるようなベースと叩きつけるピアノが印象的です。
いかにもジョンが好みそうな王道のロックンロール。
実際にロックのスタンダートとして、多くのアーティストにカバーされ愛されることになります。
公式でチャック・ベリーを取り上げるのは、ジョージがボーカルをとった “Roll Over Beethoven” に続いて2曲目ですが、ここではジョンが曲を引っ張ります。
メンバーの中で誰よりもチャック・ベリーに憧れていたジョンは、「ロックンロールに名前を与えるとすれば、それはチャック・ベリーだ」との名言を残すほど、彼に入れ込んでいました。
“Rock And Roll Music” も、ハンブルグ修行時代からのレパートリーとしており、デビュー後のツアーでもよく取り上げられています。
そんな、下手すればオリジナル曲よりも演奏し慣れているこの曲ですが、レコーディングではビートルズの基本4編成にジョージ・マーティンのピアノを加え、たった1テイクで録音を終了させています。
ファーストアルバムの最後を飾った “Twist And Shout” も、ジョンの喉の調子などを考慮し、実質一発録りでの録音でしたが、ここ一番にかけるジョンの集中力と、それに後押しされたボーカルのパワーは半端ないですね!
この曲がレコーディングされた日は、一気に7曲の録音が行われたと言われています。
ツアーの合間を縫ってとはいえ、あまりにも過酷なスケジュール。
当時のビートルズの緊張感もバシバシと伝わってくる一曲です。