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The Beatles 全曲解説 Vol.68 〜I Don’t Want To Spoil The Party

「このパートは誰だ?」と議論紛糾 “I Don’t Want To Spoil The Party”

『Beatles For Sale』12曲目(B面5曲目)。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

このアルバムではお馴染みの、「フォークロック調×ジョンの内面」構成で制作された楽曲です。
歌詞は、パーティのパートナーの彼女がおらず、雰囲気を気まずくしたくない男がそっと会場を去る、というもの。

ジョンはビートルズ中でも、特段のやんちゃ坊主というパブリックイメージがありましたが、実際には自分を引き算してしまうような繊細さも持ち合わせていました。

ブレイクしてから稼いだお金もあまり自分の贅沢には使わず、叔母のミミ・スミスや、妻のシンシアの両親にまで豪邸を買ってあげたりと、必要以上に周囲を立てるような一面もあったそうです。

そんな、ジョンの意外と気遣い屋な一面がよく現れている詩であると言えます。

ところでこの曲は、評論家やファンの間で度々議論の起こる曲でもあります。
その論点は、「バースをハモっているのは誰か?」というところです。

曲の途中「♪Ooo〜」というバックコーラスはジョージ&ポール、サビ「♪Tough tonight she’s made me sad」からの部分はポールがハモっているのが分かります。
問題はそれ以外の部分です

よーく聴いてみると、ジョージがハモっているようにも聴こえますし、ジョンがダブルトラックで歌っているようにも聴こえます
一部では、ポールがジョンに寄せて歌っているのではと聴く評論家もいるそうです。

ちなみに筆者的には、ジョンのダブルトラックなんじゃないかな〜と見ております。

前回 “Every Little Thing” でも似たような内容を書きましたが、ビートルズを聴く上で度々厄介なのが、ボーカルの判別がしにくい曲がちょいちょいあるということです。

初めてビートルズを聴いた頃は、解説をいちいち読まないと誰が歌ってるのか分からなかったという方、結構多いんじゃないでしょうか?
キャッチーに見えて要所要所でリスナーをケムに巻くビートルズ、敵いませんね〜。

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