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妻仕記(さいじき)

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『すてきなあなたへ』みたいな季節の衣食住についてかかれたエッセイが大変好きで、「自分でも季節の家の話を書き留めよう」と思い、書き出したはいいものの、当たり前だが全然違うものと化し…
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#季節

消えた節句を尊んで……

消えた節句を尊んで……

今日、9月9日のことを「重陽の節句」という。

ご存じの方はいるだろうか。
3月3日「桃の節句」、5月5日「端午の節句」、7月7日「七夕」に続く、ぞろ目の節句。

「9」という数字は陰陽の「陽」に属する最大の数字(要するに一桁の奇数)で、これが二つ重なることから文字通り「重陽」。
「めでたすぎると逆にめでたくない!」「でもやっぱりめでたい!」
という乙女心のごとく複雑な考え方から、この日は厄除けを

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豆まきと漆黒のバイト

世の恵方巻き信仰を、若干苦々しい気持ちで見つめている。

「恵方」なんて言葉も知らなかったであろう関東圏在住の人々の間で恵方巻がヒットしたのは、
「豆をまくのはめんどくさい、でも何かやらなきゃ鬼が来そう 」
という後ろめたさを埋めるのにちょうどいいアイテムだったからではないだろうか。

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実家の節分は、現代にしては本格的だったと思う。

各部屋を回って窓を開け、「鬼は外、鬼は外、福は内」の

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