産休・育休明けのママナースが陥りやすいお金のトラブルとは?
看護師の仕事はとてもハードな仕事です。仕事との両立が難しく退職を選ぶケースも多いですが、最近では育児休業を取得して復帰されているママナースも増えてきています。
そんなママナースの一番の悩みといっていいほど、仕事と家庭の両立は心身ともに負担が大きく感じる人が多いでしょう。
また、この時期に起こりやすいのが家計のトラブルです。
私も2児の母で、2人とも1歳になる前から復職しています。独身時代は貯金がなかなかできないタイプでしたが、子どもが生まれたら自由に遊びに行けないので貯金ができるようになると思っていました。
しかし、現実はそうではなく、夫婦共働きだったのに働いても働いても貯金ができない家計だったのです。
結局子どものためのお金が増え、お金の使い方は変わっていなかったんですよね。かつ、忙しさからお金の管理も雑にしてしまいます。
このように、出産後・復職後に家計がぐちゃぐちゃになってしまったり、将来のことを考えると家計の危うさに気がつく、という看護師は多くいらっしゃいます。
なんでそうなってしまうのか、原因を知れば対策を考えていけるので、今回はその具体的な原因をご紹介していきます。
【お金の自由が少なくなる】
今まで安定した収入があり、自分で好きなようにお金を使うことができましたが、子どもが生まれると、出費が予想以上にかさみます。また、外出先も変わってくるため支出の項目は変わってきます。
・出産準備費用や日用品などの出費
・保育料負担が大きい
・各種手当ての減少などから収入減
【出産準備費用や日用品などの出費】
出産準備費としてベビーベッド、肌着、ベビーバス、抱っこひもなどの購入費用がかかり、普段の生活費ではオムツやミルク、離乳食やおやつ、衣服などで出費が増えます。
何となく必要そうなものをその都度買い続けていると、いつの間にか貯金が減っている・・・なんてことが起きやすいのです。
【保育料負担が大きい】
子どもを保育園に預けて働く場合、認可保育園だと保育料は世帯の所得と年齢に応じた金額になってしまうので、年齢が低いほど保育料も高く、収入が安定している看護師では毎月8万円や10万円・・・と、かかっているなんて話しもよく聞きます。
幼児保育料無償化も決まりましたが、年齢の低い0~2歳児に関しては対象外であるため、小さい子どもを育てている家庭こそ、家計への負担は大きいと言えます。
【各種手当ての減少などから収入減】
子どもが小さいうちは特に、独身時代のように残業や夜勤はできず、各種手当てがなくなってしまいます。その分、手取り収入も少なくなってしまので、結果的に自由に使えるお金は少なくなってしまいます。
周りの人からは看護師ってお給料高いからいいよね・・・とよく言われますが、残業や夜勤がなくなると、ビックリするほどお給料少ないですよね。
子どもの体調不良での欠勤が続いたときは8万円というお給料の時もありました・・・。それくらい子育てしながら働くということはシビアなんですよね。
【忙しいことによる家計の影響】
復職後はなんと言っても、家庭と仕事の両立に悩んでしまう方も多いです。そのため、出産や育児を期に退職や転職を選択する方も多くいます。
筆者もその一人で、育児介護休業法で利用できる制度を知らなかったために、長男が1歳になったとき、月80時間を超える残業をこなすことがありました。
結局、母子ともにストレスも増え、夜泣きによる睡眠不足と過労で抑うつになってしまい、1カ月休職してしまいました。しかし、復職後は育児介護休業法を勉強し、所定外労働の制限(残業免除制度)を利用して上手く仕事と家庭を両立していくことができました。
残業なしという働き方を選んだことで収入は減りましたが、その分支出も減ったので家計はさほど変わりませんでした。これは私だけではなく、他の人でも同じような状況になることが多いです。というのも、忙しかったりストレスが高い状況ですと支出も自然と増えてしまうんです。
忙しいときに起こる3つの弊害
・支出を把握できない
・ラクになるための出費
・ストレスによる金銭感覚のマヒ
【支出を把握できない】
家事・育児・仕事に・・・と時間に追われていると家計簿をつける余裕もなく、何にどれくらいのお金がかかっているのか把握することが難しくなります。そのため家計を見直したいと思っても何を見直せばいいのかわからないという状況に陥ります。
また、細々とした出費が多くなってくると、最終的にお金をどれくらい使っているのかわからず、看護師は特にクレジットカードを使っている人が多いので、引落のタイミングなどによってはなおさら、支出の把握が難しくなってきます。
【ラクになるための支出が増える】
忙しく時間的な余裕がなくなることで、冷凍食品やお総菜ですませてしまったり、外食に行く機会が増えたり、ネットでの買い物など、時間短縮のための支出が増えてしまいます。
また、家事をラクにしよう!と食洗機やお掃除ロボットを買ったり、どんどん便利なモノがほしくなってきます。
【ストレスによる支出が増える】
看護の仕事だけでもハードなのに、さらに家事・育児となればストレスも大きいですよね。ストレスの高さと支出の多さは関連性があります。
過度のストレスは判断力を鈍らせてしまうので、経験ある方も多いと思いますが、夜勤明けの買い物などは買い物しすぎてしまうため要注意ですよね。一つ一つは大きな金額じゃなくても、それらの支出が積もり積もれば大きな金額となってしまいます。
周りの話を聞いていても、忙しい部署で働いている人ほど支出は多くなってしまう傾向があります。
貯金をしたいからといって安易に夜勤や残業を増やしたりするとストレスがかかるばかりが、反対に支出を増やす状況を自らつくっていることになるんです。
子どもが生まれると支出が増えてしまうのは仕方ありません。しかし、その支出のために無理をして働くと失ってしまうモノもたくさんあります。
時間的に余裕がなくなれば、心にも余裕がなくなり、旦那さんへの不満や、子どもに対して感情的になることも増えたりすることも多くなります。
「あなたは何のために働いていますか?」
育児で大変なときは、自分が無理のない範囲で働いてみてはどうでしょうか。お金の整理がしっかりできれば払わなくてもいい支出って意外と多くあることに気がつきます。
仕事のために家庭がギスギスしてしまったり、自分の心身を傷つけてしまっては本末転倒です。
一度、今の現状や家計と向き合ってみる時間をつくってみてほしいと思います。
~このコラムを書いたのは~
看護師FP HaMaLifeの高梨子あやの
北海道で2人の男児を育てるシンママ
看護師歴11年(小児科、内科整形、ICU、内科クリニック、予防接種外来)
長男が1歳の時、長時間残業による過労で抑うつになり休職。そこからママの働き方について考える。
次男出産直後よりお金の勉強を始め、2級FP技能士取得。
実際に100万円以上の支出見直し成功。
【家計が変われば働き方も変えられる】【ママが笑えば家族は幸せ】をモットーに看護師やママの働き方改善のため、家計の見直し相談を日本全国から受けている。マネー教室や執筆も行い、家にいながら働くを実現。
ホームページhttps://www.fulfillingdays.com