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おくりびとから学ぶエンゼルケア

こんにちは
看護師Kiyomiです。

\\あなたらしく生きるために”心と身体の健康”はとても価値があるんだ!📣//
と心と身体の健康をセルフケアできるサポートをお役目としている人です。

訪問看護師
健康教育をするエデュケーター看護師
心のガイドランナー

この3本柱で活動する看護師です。


2008年の映画「おくりびと」という納棺師が死を知って生を強く思う映画をご存知でしょうか。
納棺師とはお亡くなりになられた故人の身なりを整えてお棺に納めるお役目をされる方です。
湯灌(ゆかん)と言ってお湯に入れて差し上げお体を綺麗にし
ご希望される服、お着物や生前に愛用されていたお洋服などに着替え
死化粧をし生前の表情により近いメイクを行ってくださいます。

先日、”おくりびと”と言われるプロの納棺師の方からエンゼルケアを学ぶ機会がありました。

エンゼルケアとは、病院、施設、ご自宅でお亡くなりになられた故人のお体を綺麗に整え、生前の表情により近いメイクをし、ご遺族のもとへお送りするケアの事です。
このように看護師も故人のケアに携わる機会があり、今回の納棺師によるエンゼルケアの学びはとても勉強になる事ばかりでした。

納棺師の方が特に大切にされている事
「保湿」とおっしゃっていました。
様々なケースがありますが、多くの方は闘病を経て人生を全うされる方を多く見てきました。
最期の時が近づいてくるのがわかります。その頃にはお食事も受け付けず、お体はかなりドライな状態になられます。それは自然なお姿でもあります。その頃から全身の保湿ケアをしっかりとして差し上げる事で、天命を全うされた後、皆様とのお別れの時に、個人の生前のお姿、表情へと整える事がより可能だと納棺師はおしゃっていました。

私が初めて、このエンゼルケアに携わったのが18才の時、看護助手として勤務していた病院で経験をしました。
長い期間入院をされていた70歳代の男性でした。
夜に息を引き取られ、人の死を目の前で見たのも初めてでした。ベテランの看護師と共にエンゼルケアをさせていただきました。
「長い事がんばりましたね」
「好きだった焼酎もお家で飲めますね」
「娘さんが持ってきてくれた背広に着替えましょうね」
終始故人様にお声をかけながらケアをされている看護師の姿に、人が亡くなることは怖い景色ではなく、労いや尊厳、その方の生きてこられた奇跡を肯定する、とても美しい景色に見えました。

「私たちが今しているエンゼルケアは、故人様にお別れをしにこられる方々が、お会いする最後のお姿になるのよね。だから綺麗にして差し上げましょうね」と看護師は教えてくれました。
人の最期に携わることは、安らかなお姿でご遺族のもとへお返しすることで、ご遺族が安心して故人をお送りする事ができるとても大切ケアだと、とても感動したことを覚えています。このケアがその後、私がお看取りへ大きく関心をもつきっかけとなり、今に至っている事を改めて振り返る気持ちとなりました。

介護保険が導入された2000年以降、在宅サービスが充実し、住み慣れたご自宅で最期を迎えたい、迎えさせたいと想う方々が年々増えています。
ご自宅で最期を迎えられたご遺族の方々は、どれだけの事を尽くされても
「もっとやれる事があったんじゃないかな」
「本人はこれでよかったのかな」
と言葉にされる方を多く見てきました。
ご遺族こそ労われるべき存在であり、そして残りの人生があります。
グリーフケアといい、grief(深い悲しみ)のcare(お世話)という意味があり、ご遺族の悲しみをありのまま受け入れ、寄り添い、今後の人生を前進するお手伝いをするケアをいいます。
穏やかなお姿でお見送りできたという経験はご遺族にとって、その後のグリーフケアにも大きく影響します。

このように、人の最期に携わることで
死を知り
生を深く味わう
そんな大切な事を学ばせてもらう看護のお仕事に私は誇りを持っています。

ちなみに”おくりびと”という風習は日本だけではなく
アメリカにも同じようなお役目を果たすプロがいます。
”エンバーマー(Embalmer)”と呼ばれます。アメリカでは土葬を基本とされています。大きな大陸の国であり、葬儀に親族が集まるにも時間がかかるため、お体を綺麗な状態を維持するためのケアをするのがエンバーマーのお役目でもあります。

このように国によって風習が違ど、安らかなお姿をご遺族にお送りする
納棺師、エンバーマーの存在をぜひ知ってもらえたらと思います。

そして今を生きている私もあなたも
いつかくる死を知り
限りある命をめいいっぱい生き抜き

その姿こそ、大切な人たちに「生き抜いたね!」と見送ってもらえるような
命のリレーをしていきたいものです。


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