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ヴィレヴァンの思い出

最近文化の継承について思いを馳せていたらふとヴィレヴァンのことを思い出し、私が女子高生だった頃のことを考えていた。

ヴィレヴァンは昨今店舗数が減り業績不振らしい。その要因となったのが地方のショッピングモールへの出店が一つ理由としてあがるらしいが、まさにその地方ショッピングモールのヴィレヴァンに目を輝かせていたのが私だ。

高校生になってアルバイトができるようになり、めちゃくちゃ働き、給料日に2/3ほど給料をおろしてショッピングモールに駆けつけるのが毎月の楽しみだった。
お約束のコースはTSUTAYA、タワレコ、ヴィレヴァンを梯子して、スタバでフラペチーノを飲んでから帰るという、非常に贅沢な過ごし方をしていた。

ヴィレヴァンで最初に目に入るのは雑貨類で、アメリカのキャラにハマったのもこの時期だ。スマーフやロードランナーが特に好きでキーホルダーを買って学生鞄や家の鍵につけていた。
変な雑貨、所謂ウケ狙いっぽい雑貨が話題になっていて若い人はそれをキャッキャと楽しんでいるのを横目に私はあまり人が寄らない雑貨や本棚を舐めるように見ていた。

また少し時代を遡るが、私が小学生の頃にポップンミュージックというアーケードゲームに筋肉少女帯の日本印度化計画が収録されていた。この出会いが衝撃的で、友だちが流行りの曲を聴いたり歌ったりする中、筋少が好きな少女をやっていたのである。
リスペクトしてやまない大槻ケンヂの著作がヴィレヴァンには大量に並んでいた。震えながら「グミ・チョコレート・パイン パイン編」を購入して読んだら、世界が変わって見えた気がしたのを今でも思い出せる。

また、五月女ケイ子に出会えたのもヴィレヴァンである。「新しい単位」、「世界のしくみ」などを読んでこんな世界があるのかとワクワクしたし、五月女ケイ子のイラストが好きすぎて見ているだけで幸せになった。

今ではサウナで有名なタナカカツキ氏を読み始めたのもこの頃。「オッス!トン子ちゃん」が大好きだったし、「バカドリル」も読んでゲラゲラ笑っていた。

とにかくヴィレヴァンっぽい空気がとても好きだった。ヴィレヴァンっぽい音楽、本、雑貨を買って帰り、自分の部屋にヴィレヴァンの空気が流れ込むのがとても心地よかった。


と、ここまでが高校生の頃の話である。その後もヴィレヴァンにはいっているし、下北沢のヴィレヴァンで聖地のような感覚に感動したこともある。
最近ではキャラクターグッズを購入するために行くことが多くなった。本のコーナーも眺めるが昔ほどワクワクする感じは減った気がする。( これは私の年齢のせいもあるかもしれないとも思う。 )

ヴィレヴァンらしさを継承する難しさ、ヴィレヴァンらしさを守るだけでなく時代に合わせて更新しないといけない難しさというのも理解できるので、これからもささやかながらヴィレヴァンを応援していきたい気持ちである。


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