あきらめた夢はありますか?
あきらめた夢のひとつもあるほうが誰かに優しくなれる気がする/柳澤真実
私のX(旧Twitter)のトップは、この短歌と決めています。
初めてこの歌を目にしたとき、自分のために詠まれたのかと思いました。
それほど、心にすっと入ってきたことを覚えています。
そして、きっと、生涯連れ添っていく歌だと思っています。
自分のあきらめた夢な何なのか、考えてみるとひとつではまるで足りない気がします。
主な理由は、体力の問題です。
健康と言っても良いかもしれません。
充実した高校生活、羽根を伸ばしたキャンパスライフではありましたが、身体が思うにまかせず、自重したものはたくさんあります。
そもそも、人並みの体調さえあれば、もっと成績がついてきたでしょうから、その後の道のり自体変わっていたかもしれません。
与えられた条件のなかではベストに近い結果を残せたはずなので、自分を責めようとは思いませんし、社会を呪うつもりもありません。
ただ、そんなときに、柳澤さんのあの歌を見ると、ふっと心が軽くなるのです。
私がこの歌と出会ってから、おそらく10年近くが経ったと思います。
その間にも、たくさんの場面で私を支えてくれました。
文字どおり心が折れたときにも、包帯の代わりになってくれました。
夢をあきらめるって、口にしないだけで誰しもあるのでしょうね。
だからこそ、私のように惹かれる人がいるのでしょうし、思いだしたように「いいね」がつくのでしょう。
この歌をたくさんの人に広めたい、なんてことは思いません。
見つけたときの驚き、心の動きを大切にしてほしいから。
決まり文句のようになってしまっては、大切なときに助けてもらえないから。
それでも、何かのときに目に触れたら、その思いでいつもトップに置いています。
この歌のおかげで生きていける、そんな人もいると思うのです。
もちろん、私自身のためにも。
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