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短歌ブームに振り返る 名刺代わりの短歌
短歌ブームだそうです。
クローズアップ現代がそう言ってただけで、客観的な証拠はないのですが、歌壇と縁のない自分がnoteを書こうと思うくらいにはブームなのだと思います。
SNS時代と相性いいですよね。
初めて短歌らしい短歌を作ったのは、6,7年前のことでした。
詠む、といえるほど立派なものではありません。
たくさんの葛藤やフラストレーションを消化する方法が、なぜか短歌でした。
ひとしきり作って落ち着いたあと、とある賞に応募したら、佳作か何かをいただきました。
君がいた隣にそっと触れてみるもう風なんて起きないけれど
今でもなかなか気に入っています。
それから何かのきっかけで、この短歌を知りました。
問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい
(川北天華)
川北天華さん、「ゆき」さんとお読みするらしい。
素敵なお名前です。
この歌の衝撃は、私の言葉では表しきれません。
定型的な一行問題に、夜空の青、街の明りというフレーズが入ることでブルーアワーが浮かび上がります。
以降、たくさんの短歌を求めましたが、これを上書きするものには出会っていません。
そんななか、手に取ったのが、枡野浩一さんの「かんたん短歌の作り方」。
短歌づくりのノウハウよりも、柳澤真実さん、天野慶さん、加藤千恵さん、佐藤真由美さんといった方々を知れたことが一番の収穫です。
あきらめた夢のひとつもある方が誰かに優しくなれる気がする
(柳澤真実)
パレットにあるだけ絵の具を出してみてなにも描かないような休日
(天野慶)
雨に似た言葉を持った人だった 字を丁寧に書く人だった
(加藤千恵)
もうひとつ地球があってその星であなたが笑っていればいいのに
(佐藤真由美)
いずれも心に刺さる大好きな歌です。
こんな世界を開いてくれた枡野浩一さんには感謝しかありません。
その枡野さんからは、次の歌を紹介します。
振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ相手はパーだ
他にも素晴らしいものはたくさんあるのですが、気持ちが乱れたときにこの歌は効果てきめんなので、皆さまも是非。