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エジプト・ドバイ6日間 旅行記

2024年、年の瀬のエジプトとドバイを旅行してきました。
エジプトはカイロ近郊だけの3日間、ドバイは1日だけのツアーとは思えないほど、充実の旅となりました。

一番最後に、Tipsとして、お金のこと、食べ物のことなど、私の経験をまとめていますので、これから旅行される方の参考になるかもしれません。




1日目 ドバイ経由カイロ行き

関西国際空港からドバイ国際空港まで、およそ11時間のフライトです。
機内では映画や音楽が豊富に楽しめますし、日本人のCAさんもおられたので安心でした。
もし「オペラ座の怪人」の映画があれば、ずっと耐久で流しておこうと考えていましたが、ラインナップになかったです。残念。

深夜発の便で、関空→ドバイ間に夕食と朝食の2回、ドバイ→カイロ間でさらに1回の朝食が提供されました。エミレーツ航空の機内食は全般的に美味しく、ミネラルウォーターの小さいペットボトルもついてくるのでありがたかったです。
メニューはエミレーツ航空のサイトで事前に確認できますし、機内では紙のメニューも配られました。海老粥が美味しい。Beef Yakisobaは、日本の焼きそばを想像するとびっくりしますが、これはこれで良い経験でした。

ドバイへ

ドバイで乗り継ぎ、カイロへ向かいます。ドバイ国際空港はめちゃくちゃに広い。ターミナル間の移動の電車も、結構な距離を走ります。
ドバイからカイロへは、約4時間のフライト。機内食もありましたので、割とすぐに着く印象です。


2日目 ギザのピラミッド

空港で現地の日本語ガイドさんと合流し、ギザに向かいます。
ただ、エジプトでは観光客のセキュリティ対策が厳重で、ツアーバスには警察官が乗り込みますし、警察の許可がなければ空港を出発できません。場合によってはかなり待たされるそうです。観光地では、ことあるごとに手荷物検査もありました。

まずは、ピラミッドが見えるレストランでランチです。
9ピラミッドラウンジの名のとおり、ギザの三大ピラミッド(クフ、カフラー、メンカウラー)に加え、王妃などが葬られた小さなものをあわせて9個のピラミッドを一望できるロケーションです。

写真の6個に加え、右側にあと3個の小さなピラミッドが

ご覧のとおり、辺りは一面の砂。
そのなかに石造りの建築物がそびえ立つ姿は、圧巻です。

食事のあとは、早速クフ王のピラミッドへ。
ちなみに、三大ピラミッドの中央にあり、頂上に化粧石が残っていて一番大きく見えるのはカフラー王のピラミッドです。クフ王のピラミッド(写真右)の方が高さはあるのですが、立地の関係でこう見えます。

クフ王のピラミッド

クフ王のピラミッドは、正規の入口は閉じられており、「アル・マムーンの盗掘孔」と呼ばれる横穴から入ります。
年末なうえ、この日はエジプトの休日で大変な混雑でした。

内部は、狭いです。
特に上昇通路と呼ばれる区間は、前かがみどころか、腰をしっかり落とさないと進めません。横幅も、人がすれ違うのがやっとなくらいです。足元は板に角材が打ち付けてあるだけ。26度の勾配はなかなかハードで、大柄な外国人の方は、途中であきらめて引き返しておられました。いつ頭をぶつけてもおかしくないので、帽子がある方が良いでしょう。

上昇通路をクリアすると、大回廊へ。
天井が一気に高くなり、解放感でほっとします。

壁際には、用途不明のくぼみが見えます

大回廊を抜け、茶室のにじり口のようなところから、王の間に入ります。
石の棺がぽつんと置かれただけの密閉空間で、とにかく暑い。ここまで坂を上ってきたこともあり、汗がにじみます。ちょっとしたサウナのような感じ。12月でこれなら、夏場はどうなんだろうと思います。案外、石だから断熱されているのでしょうか。

帰りも、行きと同じ道を通ります。ということは、しゃがんで上った上昇通路は、今度は下りに変わります。私は体育座りのような格好で降りましたが、ここで足にダメージを負う方もおられるようです。これは通路ではない、とさえ思います。
なんとか外に出ると、少しひんやりした風が心地良い。ガイドさんによると、エジプトは10年に一度くらいの寒波だそう。それでも最高気温は17℃くらいありましたので、日陰でなければ快適です。

砂も塵も駱駝遣いの呼び声も風に巻かれて石に溶けゆく


ピラミッドの後は、スフィンクスへ。

クフ王のピラミッドを背に

幸運にも、ぎりぎり門限に間に合い、スフィンクスのすぐ近くまで行くことができました。顔には、わずかに赤い色素も残っています。一枚岩からこれを彫り出したのかと思うと気が遠くなりますが、ピラミッドをつくった人たちですから、彼らにとっては造作もないことなのかもしれません。

果てしなく砂に吹かれてスフィンクスはライオン岩に還るまで待つ


今では砂しかないこの土地も、かつてはナイル川が潤していたそうで、河岸神殿の遺跡も残っています。現在、この地とナイル川とは約8kmも離れているのですから、時の流れというのは恐ろしいものです。

ナイルさえ四千年の時と砂は彼方へ運び去ってしまった
あの頃のギザには街があったんだ ここは静かな墓じゃないんだ


3日目 階段ピラミッド、屈折ピラミッド

カイロ近郊のサッカラとダハシュールへ。ギザのものより古い時代のピラミッドが残っています。訪問順とは異なりますが、分かりやすさを優先し、時代に沿って紹介します。

まず、階段ピラミッド。
「ジェセル王の階段ピラミッド」として、高校の世界史で習いました。エジプト最古のピラミッドです。

階段ピラミッド

もともと、エジプトの王墓は台形のマスタバでした。それを6個重ねた形をしています。

続く時代のものが、屈折ピラミッドです。

屈折ピラミッド

途中で角度が変わっているのが分かりますでしょうか。もともとの傾斜が急すぎたため、途中で設計変更したと言われています。
化粧石がしっかり残っている貴重なピラミッドでもあります。

その次が、赤のピラミッド。

赤のピラミッド

赤と言ってもベンガラのような色ではなく、赤っぽい石材という程度です。
初めての真正ピラミッドで、後のギザのピラミッドと比べると緩やかな造りになっています。

あまりの威容に現実離れした感があったギザの三大ピラミッドと比べ、サッカラとダハシュールの三つのピラミッドは、なじみやすいというか、素直に感嘆できました。
可能であれば、階段ピラミッド→屈折ピラミッド→赤のピラミッド→ギザの三大ピラミッド、と時系列で観ていくと、発展の歴史をより実感できると思います。


昼食の後は、カイロ市内観光で、モスクとハン・ハリーリ市場を訪ねます。

アル・ハキムモスク

ちょうど、礼拝を呼びかけるアザーンが響きわたりました。異国に来たという感慨があります。

尖塔の祈りの声に誘われた小鳩はどこへ帰るのだろう


ガイドブックや旅行記では、市場では客引きや価格交渉が大変だという話ばかりでしたが、拙い英語力でも、楽しく散策することができました。
売り子のお兄さんとの攻防の末、「オキャクサン、No Japanese ネ」と言われたので、きっと良い買い物だったのでしょう。

ハン・ハリーリ市場近く、カイロの街並み

雑踏と喧騒だけの市場にて、心を埋めるものを探した


カイロでは良いホテルに連泊し、客室からはナイル川の風景を楽しむことができました。

夕暮れのナイル川


4日目 博物館

この日は、大エジプト博物館とエジプト考古学博物館を訪れます。
大エジプト博物館はテストオープンしたばかりの新しい博物館で、石像や副葬品など、さまざまな遺物が展示されています。

博物館の建物とオベリスク
日本の援助で建てられたため、日本語も

館内からは、ギザのピラミッドを眺められます。

ツタンカーメンの黄金のマスクは、まだこの大エジプト博物館には収蔵されておらず、エジプト考古学博物館で展示されています。

エジプト考古学博物館

エジプトの観光地は、ピラミッド内部や博物館も含め、スマートフォンでの撮影は概ねOKでした(カメラは持込み不可だったりするので注意)。
そのなかで、撮影禁止だったのが、ツタンカーメンの黄金のマスクや棺など。
マスクはよくご存知のとおりの逸品で確かに凄いのですが、とりわけ黄金の棺に圧倒されました。細かく彫り込まれていて惚れ惚れします。
参考記事を貼っておきます。


エジプトでの行程はこれで終了し、カイロ国際空港からドバイへ向かいます。今回の旅では、ルクソールやアスワンには行くことができませんでしたが、体力的にはこれくらいのスケジュールがちょうど良かったです。

エジプトは、朝夕の日差しが神秘的でした。さすが、太陽神ラーがいた国だ、と思いました。

金色の朝日に街は包まれてファラオは今も夢をみている

ホテルから、朝
カイロタワーと夕日


5日目 ドバイ

昼までホテルでゆっくり過ごし、ドバイ市内観光に出かけます。

ドバイフレーム

世界最大の額縁型建造物であるドバイフレーム。とはいえ、額縁型建造物が世界にどれほどあるかのは知りません。
内部は展望台になっているそうです。


スパイス・スーク

ドバイにはいくつかのスーク(市場)があり、こちらはスパイス・スーク。さまざまなスパイス類が量り売りされています。カルダモンをたんまり購入しました。これで当分スパイスカレーに困らないはず。

アブラ(水上タクシー)乗船

アブラという船で対岸を目指します。エジプトでは鳩の群れが飛んでいましたが、ドバイはカモメ類が多い街でした。

アルファヒーディ歴史地区

アルファヒーディ歴史地区は、19世紀頃の街並みが保存された地域。写真正面の棒がたくさん突き出た建物は、風の塔といい、天然のクーラーのような機能を果たしたそうです。

バスキン・ロビンス。ロゴは「31」ではない


ドバイメトロ乗車

ドバイメトロには、こんなカードで乗車します。ただの厚紙のようですが、ICチップが内蔵されているようです。日本の交通系ICカードと似た使い方です。

その名もノルカード(Nol Card)

ドバイメトロに乗って、未来博物館へ。アラビア文字がぎらぎら光っています。

未来博物館

最後には、ドバイの象徴、ブルジュ・ハリファ。828mの高さを誇る、世界で最も高い建物です。

ブルジュ・ハリファとドバイファウンテン

隣接するドバイモールでは、夜は30分ごとにドバイファウンテンという噴水ショーが開催されます。
花火大会みたいな混雑かな、と想像していたのですが、意外と近くで観れました。

その後、お待ちかねのブルジュ・ハリファの展望台へ……
なのですが、これが大変でした。ガイドさんの「そんなに混んでないですね。良かった!」の言葉とは裏腹に、なかなか待機列が進まないし、進んでも進んでもエレベーターにたどり着かない。
「○○分待ち」のような案内も1か所だけで、結局2時間近くかかりました。帰りの飛行機の時間もあり、124階、125階の展望台はさらっと見るだけで、再びエレベーター待ちの列に並ぶのでした。疲れた。

綺麗だけどね


6日目 帰路

現地時間午前3時過ぎの飛行機にて、関空へ向かいます。
帰りは9時間弱のフライトでした。エアバスA380ですが、途中気流の乱れで結構揺れました。無事に帰れたので何より。

混沌と活気に満ちたエジプトと、アラブの資金力を具現化したドバイ。両極端なふたつの国を見聞することができたのは貴重な経験となりました。その場に立ち、風を浴び、言葉を交わすことでしか得られないものがありました。


Tips

お金のこと

今回はツアーでしたので、自分で支払う機会はレストランのドリンクとお土産物くらいです。
基本的にはUSドルが通用しますが、なかには現地通貨のエジプトポンドしか使えないところもあります。大エジプト博物館のアイス店は、USドル不可だったので、VISAのカードで支払いました。

観光地のトイレはチップ制で、10エジプトポンド(約30円)が相場だそうです。1ドルを出して「おつりちょうだい」と英語で言えば、30ポンド返ってきます。レートは悪いですが、少額なので許容範囲でしょう。
レストランや博物館のトイレはチップ不要なので、結局、エジプトポンドの現金を使ったのは一度だけでした。

ドバイは、大体のものが現地通貨のディルハム表記でしたが、行ったところはどこもUSドルが使えました。

食べ物のこと

食べやすい料理をセレクトしてあったのだと思います。どれも美味しくいただきました。食事に困るということはなく、日本から持って行ったインスタント味噌汁やアルファ化米の出番はありませんでした。ただ、独特のスパイスが使われているので、苦手な方にはつらいかもしれません。
エジプトでは生野菜を避けていたおかげもあってか、おなかを壊すこともなく、快適に過ごすことができました。

エジプトのパン、アエーシ。美味しい

ドバイは水道水も安心ということだったので、サラダをたくさん食べました。久しぶりの生野菜、身体が求めていた感じがします。

見た限り、同じツアーの方も体調を崩された様子はないようでした。ただ、夏のツアーでは体調不良が頻発するそうです。

飲み物のこと

ペットボトルのミネラルウォーターが1日1本、ホテルにも1本置いてあったので、余るくらいでした。エミレーツ航空の機内食についてくる小さいペットボトルは、移動中の水分補給にぴったりです。

エジプトのレストランでは、フレッシュジュースが3~4ドル、コーラなど炭酸飲料(ペプシが主流)が3ドル、ミネラルウォーターのペットボトルが2ドルといったところです。アルコールは、ビールが7ドルくらいだったように思います。
フレッシュジュースは、果物のピューレかと思うほどの濃さでとにかく美味しい。これだけでデザートとして成立します。
マンゴー、イチゴ、グァバ、どれも当たりでした。レモンジュースだけは、うーん……

安全面のこと

2日目の項でも触れたとおり、エジプトでは頻繁に手荷物検査があるなど、観光客のセキュリティには、(エジプトの基準としては)かなり注意されているように感じました。危険を覚えるようなことはなく……と言いたいところですが、車だけは危ないです。
信号はほとんどなく、車線を気にせず走るため無茶苦茶です。ずっとクラクションが鳴っています。徒歩で大きい道路を渡る機会はありませんでしたが、とにかく危ない。十分注意してください。

車、バイク、歩行者が錯綜する

物売り、バクシーシのこと

エジプトは「世界三大うざい国」の評判を耳にしていたので警戒していましたが、愛想が良く、人懐っこい人たちが多く、何ともなかったです。
施しを求めるバクシーシという言葉も一度も聞くことはなく、価格交渉が大変というのも、「安くなるなら買うけど?」くらいのつもりでいたら、向こうが勝手に折れてくれました。むしろ、ちょっとしたアトラクション感覚で楽しかったです。

言葉のこと

エジプトもドバイも、片言の英語で何とかなりました。向こうも母国語ではないので、流暢ではありません。
市場の人などは日本語も多少解するので、困ることはありませんでした。それでも、もう少し英語ができればなぁとは思いました。

持ち物のこと

特に必要なのは、クレジットカード、帽子、長袖の羽織るもの、ハンドクリームです。もちろん、変換プラグは必須です。
エジプトは最高気温17℃ほど(平年は20℃)で最低気温10℃、ドバイは最高25℃以上だったので、調節できる服装にしましょう。オプショナルツアーのナイル川クルーズは寒かったようです。
乾燥のためか、手指にさかむけがたくさんできて大変でした。保湿は大事。

4日目の博物館の項で書いたとおり、カメラは持込み不可なところがありますし、双眼鏡は屋内はほぼ禁止だったように記憶しています。

お土産のこと

エジプトでは、アーモンドを詰めたナツメヤシの実がおすすめです。

写真にあるネフェルタリというお店のものがガイドさんの一押しで、試食してみたら確かに美味しい。嫌味がない甘さで、紅茶とよく合います。
写真右側はミントティーです。個包装を貫通する香りにたじろぎますが、意外と飲みやすい。
そのほか小物類は、定価販売のお店は割高感があるため、価格交渉が億劫でなければ市場などで購入するといいと思います。



エジプトについては、noteやブログなどでいろんな記事を読み、少し心配をしていましたが、総じて杞憂に終わりました。
ただ、それはやはり現地の日本語ガイドさんがついたツアーだからであって、個人旅行だと勝手が違うと思います。お金で解決する場面もあったようで、これを個人で手配するのは大変だろうなという印象です。

刺激的な旅でした。機会がありましたら、是非。


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